コラム

 公開日: 2016-09-26 

懲戒処分とは?

 懲戒処分(制裁処分と言うこともあります。)には、その重さによっていくつかの段階があるのはご存知だと思います。
 この懲戒処分の種類は、会社が任意に決めることができますが、一般には次のような方法が「就業規則」に明記されているはずです。
 ちなみに、企業規模の大小を問わず、就業規則又はそれに準ずるもののない会社での懲戒処分は法的に無効とされますのでご注意ください。(根拠:労働契約法第15条)
【一般的な懲戒処分の種類】
 ①訓戒(注意を与えること。)
 ②譴責(始末書などを提出させて将来を戒めること。)
 ③減給(給与の一部をカットすること。)
 ④出勤停止(一定の期間を定めて自宅謹慎や停職をさせること。)
 ⑤降格(職務等級制度などにおける等級などを引き下げること。)
 ⑥降職(職位や役職を引き下げること。)
 ⑦諭旨退職(退職を求めて退職届の提出を勧告し、本人がこれに応じて退職すること。)
 ⑧諭旨解雇(退職を求めて退職届の提出を勧告したが、本人がこれに応じなかったために解雇処分とすること。)
 ⑨懲戒解雇(退職の勧告を行うことなく、本人の意思にかかわらず即時に解雇すること。)

 なお、「懲戒解雇」は、著しく重大な就業規則違反行為や背信行為があった場合の懲罰としての解雇であり、刑罰に例えると”死刑”に匹敵します。
 ですので、通常は訓戒や譴責、出勤停止などの軽い懲戒処分から行い、本人に改善を促す必要があります。いきなり懲戒解雇(死刑)は認められないと心得ておいて下さい。懲戒解雇は、何度も繰り返し注意指導するも改善の兆しもなく、もう他に取るべき手段がないという場合の最終手段なのです。

 実務的なポイントとしては、懲戒処分を行う際には、いかなる種類の懲戒処分であっても、「始末書」の提出を求めるべきです。
 そして、始末書はいわば”自白調書”のような意味合いを持ちますので、パソコンではなく、全文手書きで作成させるべきです。
 なぜなら、あとから本人が不利な立場に立たされると、急に態度を変え、今まで認めていた事実を否定することも少なくないからです。そんな場合に備え、本人に始末書を提出させ、証拠を残すことが会社の防衛策となるのです。

 なお、本人が始末書の提出を拒否する場合、「提出するまで帰さない!」などとして本人の意思に反して強引に書かせてはいけません。
 その場合、「注意指導書」、「改善指導書」、「警告書」などの文書を作成し、その文書を本人の面前に示して読み聞かせ、最後に本人から確認のサインを取り付けておく形で構いません。(本人がこれらの文書への確認のサインをすることすら拒否した場合には、そのときの状況や本人の言動を文書の余白や裏面などに記録しておけば結構です。)

 このように、有効な懲戒処分を行うには、①懲戒処分について記載されている就業規則などが作成され周知されていること、②懲戒処分を行う前に本人の主張・意見を聞くという弁明の機会を与えていること、③懲戒処分に至るまでの過程について、必ず何らかの書面で記録を残しておくこと が重要と言えます。

 

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