コラム

 公開日: 2016-01-17 

住まいが社会に与える影響

今日は1月17日。
阪神大震災から21年。
早いものですね。私は20年前に神戸に就職しました。
神戸は私の建築の原点です。
犠牲者に誇れるまちづくりに貢献したいと思います。

さて、今日のブログのテーマは住まいと社会。
建築分野は大型建築物から住宅まで幅広く存在します。
個人住宅は小さく、法律的にも様々な緩和がありますが、
小さいだけで数が多く社会に与える影響は少なくありません。

まず見慣れた表です。





元々、日本はものを大切にする国でしたが、
戦後の高度成長時に新しい文化が産まれました。
「使い捨て」です。
住宅も30年で現実使い捨て状態です。

正直現在世間を賑わしている、廃棄食料の横流しですが、
もっと廃棄を減らす方法はないのかと、私にはそちらが気にかかります。





建設業の産業廃棄物の排出量は全体の20%あります。
現在、大量の廃材を処分している日本の建築ですが、
もともとは木材で作られた家屋は古材として流通され
家屋から排出される廃棄物は存在しませんでした。
尺寸法(303mm)で構成される木造は、資材循環のための
日本人の知恵だったのです。

ですが現在の日本人による新しいもの好きという文化により
家が余っているのに多くの住宅が新築され続けています。





その結果、「空き家」という社会問題が騒がれ始めています。
皆さんの周りにも住んでいる気配のない半壊状態の家屋があるのではないでしょうか?
住宅の需要、つまり世帯数より多い、住宅をつくりつづけていると、
中古住宅の価値は下がり続けていきます。
車のように動産であれば、海外に売れるのかもしれませんが、
家屋はそういうわけにはいきません。
売れない家屋は放置され、メンテナンスされずに朽ちていきます。

言い方に語弊があるのを承知で書きますが、
「新築」は究極の贅沢と考えています。
そこにある家を工夫して住めるようにするのが、自然な考えだと思っています。
また、過去から未来へ持続する街の中の建て替えも私は必要と考えています。
人口減少が避けられない現状で、これ以上開発をし、新たな宅地をつくるのではなく、
今ある街、家で何ができるのかを考えていくことが大切です。

ではどいうった住宅であればリフォーム可能なのでしょう。
私はリフォームと建て替えのラインは次のように考えています。




これは国交省が作成した書類です。
築35年を超える耐震性能の低い住宅が1369万戸あるので、
耐震補強施策が重要だという話のために作られたものだと思います。
しかし、実際築35年を超える住宅に住んでいる人の多くは高齢者で
耐震改修工事費用を捻出することは困難です。

ですが逆に昭和56年以降に建てられた築30年程度の住宅の活用が重要だと考えています。
ちょうど日本の建替時期を迎えていますが、耐震性能はある程度あり、
不足しているのは断熱性能です。ここに30代、40代が住むということに意義があると考えています。

もちろん、築35年以上の住宅もリフォームが可能です。
私は築40年以上の住宅をいままで5件行ってきています。
最古は明治10年ですが、もちろん基礎もなく耐震性能もない住宅のため、
3000万円の改修費用がかかりました。
なぜ、施主がそれだけの費用をかけたか?
それは家に対する「思い」です。
原爆でも耐えた家を崩せない、お父さんお気に入りの桜の大黒柱、
子供家族と同居したい、休業をできるだけしたくない
その「思い」は様々ですが、この場合は新築と同じ費用を改修に使う価値があります。
一般的なリフォームにかける費用の限界は新築の2/3程度だと思います。
これからはこういった町、家の再生が重要です。

とはいっても、それでも新築住宅がいいという人もいらっしゃると思います。
先に書いたとおり、それは「わがまま」です。
その「わがまま」を通すのであれば、それに応じた覚悟が必要です。
それは未来への約束です。新築を取得するのであれば、
今考えうる最高性能の住まいをつくり、それを維持することが重要です。

私が考える新築住宅の要件を次回からお伝えいたします。

この記事を書いたプロ

一級建築士事務所 Pleasant Design [ホームページ]

一級建築士 川端順也

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