コラム

 公開日: 2015-10-02 

贈与税がかかる財産・かからない財産

財産を贈与する場合、贈与税がかかる財産とかからない財産があります。

生前に、ついあげてしまった、もしくは売ってしまった財産があったとします。しかし、実は贈与税がかかる財産だったなど、後々に発覚した場合は、当初予測していた税額よりも増えてしまうことがあるかもしれません。

ここでは、いろいろな財産のなかで贈与税がかかる財産と、かからない財産を項目ごとに説明をしていきます。

 【贈与税がかかる財産】
贈与税がかかる財産は、「本来の贈与財産」および「みなし贈与財産」です。本来の贈与財産とは、「あげる」「もらう」という当事者間の合意でもらった財産で、以下のようなものがあります。

現預金、土地、家屋、自動車、有価証券、ゴルフ会員権、貸付金、著作権など

みなし贈与財産とは、本来の贈与財産をもらっていなくても、実質的に贈与を受けたことと同じように経済的利益がある場合、贈与があったとみなす財産です。

経済的利益がある場合なので、「あげる」「もらう」だけではなく「売る」「買う」という状況でも起こり得ます。みなし贈与財産には以下のようなものがあります。

 [生命保険金]
保険金受取人以外が保険料を負担した保険金を取得した場合
※相続または遺贈により取得したものとみなされる部分を除きます

 [定期金]
定期金受取人以外が掛金を負担した定期金の給付を受けることとなった場合の定期金の受給権

 [低額譲受]
とても低い価額の対価で財産を譲り受けたことによる利益。例えば、息子が父親から時価3,000万円の土地を1,000万円で譲り受けた場合には、タダでもらっていないので、本来の贈与財産ではありません。しかし、息子は父親から土地を1,000万円で買うことにより時価との差額2,000万円を得しています。この2,000万円の利益に対して贈与税がかかるということです。

 [債務免除等]
債務を免除してもらったり、第三者に債務の弁済をしてもらった場合
ただし、債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合には、債務を弁済することが困難である部分の金額については非課税です。

 [信託に関する権利]
委託者以外を受益者とする信託が行われた場合の信託に関する権利または利益

 [離婚による財産分与]
離婚により社会通念上相当な範囲を超える額の財産分与が行われた場合

 [無利子の金銭貸借]
親族間において、無利子で金銭の貸与があった場合には、無利息部分は贈与したとみなされる


 【贈与税がかからない財産】
贈与税は、原則として贈与を受けたすべての財産に対してかかりますが、次に掲げる財産については、贈与税がかからないことになっています。

 ・ 法人から贈与により取得した財産。贈与税ではなく所得税がかかります。

 ・ 夫婦、親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために、贈与を受けた財産で通常必要と認められるもの。
ここでいう生活費とは、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいいます。また、教育費とは、学費、教材費、文具費などをいいます。なお、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります。

 ・ 宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者が取得した財産で、その公益を目的とする事業に使われることが確実なもの

 ・ 奨学金の支給を目的とする特定公益信託や財務大臣の指定した特定公益信託から交付される金品で一定の要件に当てはまるもの

 ・ 地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人、またはその人を扶養する人が心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利

 ・ 公職選挙法の適用を受ける選挙の公職の候補者が選挙運動に関し取得した金品その他の財産上の利益で、公職選挙法の規定による報告がなされたもの

 ・ 特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権
信託受益権の価額のうち6,000万円(特別障害者以外の者は3,000万円)までの部分

 ・ 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの

 ・ 直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの
直系尊属とは、父母・祖父母など自分より前の世代で、直線的に連なっている系統の親族のことです。

 ・ 直系尊属から一括贈与を受けた教育資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの

 ・ 直系尊属から一括贈与を受けた結婚・子育て資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの

 ・ 相続や遺贈により財産を取得した人が、相続があった年に被相続人から贈与により取得した財産
相続財産を取得した人が、相続があった同年中に被相続人から贈与により取得した財産は、原則として相続税の対象になります。

以上、相続税がかかる財産、かからない財産について説明をしてきました。普段の生活のなかで、日常的に行われている行為が実は税金の対象であったなど、案外知られていない点もあります。

相続が発生した時には、過去5年間の財産の動きを見られますので、生前に財産を動かした人は注意が必要です。

この記事を書いたプロ

税理士法人パートナーズ広島支社 エルピス会計事務所(中谷公認会計士事務所) [[[ホームページ http://elpis-accounting.com/ ]]]

税理士 中谷有希

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