コラム

 公開日: 2012-08-14 

建築雑感(再) 110 (オカシナ顛末、構造問題)

マンションの構造計算偽造問題で連日マスコミが騒がしい時期が何年か前にありました。



当時の国交省の基準が悪かったわけでもないし、建築確認機関がさぼっていた訳でもなく、たった一人の不届き者がいた、しかしその影響は計り知れないほど大きいものだった、という性質の事件でした。



何も急にあわてて法を変えたり確認の手続きを複雑かつ大げさにする必要はなく、今までどおりでいいわけで、

確認審査機関がチェックの仕方を変えれば済む話でした。



それを、千載一遇のチャンスと捉えた国交省は、建築基準法を大幅に変え、建築士法も厳しいもの(建築士を性悪説で扱う)に変え、数年おきの受講料何万円もする講習会の受講を義務ずけたり、建築確認をヒステリックなまでに事細かく、手間の掛かるものにし、それらにマトワリつく数々の天下り機関をつくってしまったのです。



それによって、確認書類作成に多大な手間や費用が掛かると同時に、確認期間は大幅に伸びてしまって、官製不況が起こってしまいました。



そして、確認は構造が主人公になってしまって、元々問題を起こしたのは構造計算の担当者だったのに、本人以外の構造家は引く手アマタになり、「構造屋さん」のスケジュールを抑えておかないと何事も進まなくなってしまいました。



いくら手間が増えたとは言っても元請の設計料は据え置きか値切られぎみなのに、構造計算料は構造屋さんの言いなりになってしまいました。



結局、何も罪の無かった全国の良心的意匠設計事務所が色々な意味で苦境に立たされて、事件を起こした構造屋さんの同業者が我が世の春を謳うという結果となってしまったのです。



全くオカシナ話です。



健全な状態ではないと思いますが、当分の間どうしようもありません。



一番の被害者は当然、建物を建てる人です。



時間も工事費も確認手数料も相当余分に掛かるようになってしまいましたから。



これも、建築のことや、現場の実情を何も解っていない役人の浅知恵と、

国のことより自分達の将来や省庁の利益を追求する姿勢のせいだ。



このままでは、良心的で高い理想を持ち、ひたすら腕を磨いているようないわゆるアトリエ系の小規模設計事務所は、絶滅の道を辿り、



営業や経営のうまい事務所や、安売りハウスメーカーだけが生き残り、



日本からは、本物の建築や住宅は、なくなってしまう恐れさえ感じてしまう。



政治家のみなさん!  



この現実をどう考えますか?



この記事を書いたプロ

永橋建築事務所 [ホームページ]

一級建築士 永橋越

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