コラム

 公開日: 2017-08-30 

漆喰にも種類があった! 和漆喰と西洋漆喰

屋根の瓦や外壁などに使われる漆喰。しかし、一口に漆喰といっても実はさまざまな種類があることをご存知でしょうか?

基本的に日本の家屋に使われているのは、和漆喰と呼ばれる日本で作られている漆喰です。これに対し海外で作られている漆喰は洋漆喰といいます。

和漆喰と洋漆喰、それぞれどういった違いがあるのでしょう?

今回は漆喰の種類と違いについてご紹介します。

和漆喰の5種類

和漆喰は、消石灰、貝灰、すさ、海藻などを原料に作られています。有名な神社仏閣などに使われていることからもわかるように、その歴史は古く今から4,000年前の縄文時代後期の遺跡から発掘されたものが最古と言われています。

和漆喰といってもその種類はひとつではなく、大きく次の5つに分けられます。

(1)本漆喰
神社仏閣など古くからある建物に使われているのは、ほぼこの本漆喰です。製法は昔ながらの海藻を炊いてのりを作り、すさと塩焼きの小石灰を混ぜて作られます。

(2)土佐漆喰
名前が示すように、高知県は土佐で作られている漆喰です。海藻のりを使わないのが特徴で、3カ月から半年かけて発酵させたワラと、塩で焼いた消石灰と水を混合させたものを土佐漆喰といいます。

(3)既調合漆喰
一般的に、漆喰を製造するメーカーが作成した漆喰です。場所にもよりますが、現在多くの建物でみられる漆喰は、ほぼこの既調合漆喰です。

本漆喰の原材料である塩で焼いた消石灰、すさに、粉末海藻のりのほか、合成樹脂や炭酸カルシウムなどを混ぜて作られます。

(4)琉球漆喰
土佐漆喰が高知県土佐で作られているのに対し、琉球漆喰は琉球、いわゆる沖縄で作られている漆喰です。

製法はワラと生石灰を混合したものに水を加え、生石灰に消化加熱反応を起させることでワラをなじませます。そしてそれをすりつぶして熟成させたら完成です。

沖縄では外壁よりも屋根瓦工事でよく使われています。

(5)漆喰関連製品
これは厳密には漆喰と呼べないものも含まれますが、漆喰の機能を有するとされている塗料や海外製の消石灰が配合された塗り壁材などのことです。

日本漆喰協会による漆喰の定義の中に「消石灰を主たる固化材とし」とあるため、それが既調合漆喰との違いになります。

和漆喰よりも歴史が古い西洋漆喰

次に西洋漆喰についてご紹介します。漆喰というと、日本古来のものといったイメージをお持ちの方も多いかもしれません。しかし日本で古くから神社仏閣などで漆喰が使われていたように、西洋でも教会やお城などで西洋漆喰が使われてきました。

実際、西洋漆喰の方が歴史も古く、1万2000年前のメソポタミア文明の遺跡から発掘されたものが最古のものとされていますが、それ以外にもエジプトのピラミッドの内壁などにも使われていました。

西洋漆喰にも和漆喰と同様にいくつかの種類があります。次に代表的なものをご紹介します。

(1)スペイン漆喰
スペイン産の石灰を焼いた消石灰に大理石、無機の色粉、セルロースファイバーなどを混ぜ合わせて作られているのが、スペイン漆喰です。

基本的に天然素材を100%用いていて、ホワイトやオフホワイト、明るいイエローといった色合いが特徴となっています。

(2)フランス漆喰
石灰に、砂や石、無機質の色素などを混ぜて作られるフランス漆喰は、特にプロヴァンス地方の住宅の外壁に多く使われています。

このほかにも、漆喰を用いて描く絵画、フレスコ画にも使われていたイタリア漆喰や世界で最も良質で高純度な石灰が採れる山、アルプス山脈から採掘される石灰を原材料としているスイス漆喰など、ヨーロッパを中心にそれぞれの国独自の特徴をもった漆喰があります。

和漆喰と西洋漆喰の違い

ヨーロッパは石の文化です。なぜならヨーロッパには漆喰の主成分である石灰岩が豊富で、住宅の壁も石やレンガで作られています。

これに対し、日本の家屋は木造建築で、柱や梁などの骨組みが構造を担っています。つまり家の構造自体が日本と西洋では大きく異なっています。

そのため、西洋漆喰は和漆喰に比べデザイン性よりも強度を増すことを重視しています。西洋漆喰と和漆喰にはいろいろな違いがありますが、その中でも大きく異なるのがこの部分であり、壁に強度と厚みを出すため消石灰に砂を混ぜているのが西洋漆喰、砂を使わずきれいに仕上げるのが和漆喰です。

マンションのリノベーションで内壁を漆喰にする場合、砂が混じっている西洋漆喰よりも和漆喰の方が部屋や服を汚しません。

基本的に、西洋漆喰はヨーロッパの住宅事情に、和漆喰は日本の住宅事情に合わせて作られています。そのため、特に漆喰を内壁に使う場合は、日本の住宅事情にあった和漆喰を使うことをおすすめします。

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