コラム

2016-06-21

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「死亡した父に借金があることが判明」

2016/6/20(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「死亡した父に借金があることが判明」
相続放棄 相談 広島 弁護士

死亡した父に借金があることが判明

Q: 今月は「相続・遺言」をテーマに、番組に寄せられました手紙やメールによるご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は、39歳の男性からいただいたメールに答えていただきます。
 「江先生、相続のことについて困っていることがあります。
 是非、相談にのっていただけたらと思い、メールをしました。
 私の父親は昨年の冬、他界しました。
 その後、母親と弟と私の3人で話し合い、遺産を分けました。
 ようやく片付けも終り、平常に戻りつつあった今年の5月、母親から連絡があり、実家へ。
 そこで思わぬ事態が発生しました。
 なんと、亡くなった父親は多額の借金をしていたようで、その督促状が送られてきたのです。
 もちろん、家族の誰ひとり、その事実を知りませんでした。
 今回の遺産分割協議は知り合いからアドバイスをもらいながら終わらせたのですが、その中で、相続放棄が可能なのは3ヶ月以内、父親に負債はないかを聞かれました。
 その時に、借金も相続しなければならないことをはじめて知りました。
 まさか借金をしていたなんて知りませんでしたので、軽く聞き流していたのですが…今となっては人ごとではありません。
 しかもその借金額がとんでもない多額で、分割した財産を全てあわせても到底払うことができない額なのです。
 さらに、相続放棄ができる3ヶ月は、既に過ぎており、どうしていいのか…途方にくれています。
 遺産分割の際にアドバイスをくれた知人も、このような事態になると自分の持っている知識では対応できないかも…と消極的になり、誰にも相談できず困っています。
 江さん、私はこの先どうしたらいいのでしょう?」

という内容です。
 江さん、なんとかして差し上げたいですね。

A: そうですね。
 メールの文面だけで判断するとなると、折角、遺産分割協議も終わったようですが、借金の額がかなりの多いようですから、やはり、相続放棄を話し合われた方が良いような気がしますね。

Q: 例えば、借金の額が、小額で相続した財産で完済できるとなると、どのような手続きをすればいいのですか?

A: その場合は、財産と借金も合わせて引き継ぎます。
 このような相続の方法を「単純承認」といいますが、こうして相続した後に、金融機関と話しあい、返済する人や返済方法を決めることが殆どです。

Q: なるほど、ただ、今回のご相談は、この借金が、全相続財産を合わせても、到底払うことができないほどの多額だということでしたね。
 この場合は、やはり先ほど江さんがおっしゃられたように、相続を放棄することがベターですかね?

A: そうですね。
 借金が残ってしまうような場合は、相続そのものが、遺族にとっては不利益となりますからね。
 このような場合に、遺族が途方にくれないために、法律では負の財産から逃れるひとつの方法として「相続放棄」という行為が認めているわけです。

Q: 相続放棄をした場合には、借金はもちろんですが、お母様と弟さんと分けたという財産も、一緒に放棄することになるのですよね?

A: はい。
 相続放棄は、文字通り、財産も借金も全てひっくるめて引継ぎを放棄することです。

Q: ただ、相続放棄をするにも、期限がありましたよね?
 相談者のメールにも、3ヶ月以上経っているので今更放棄ができるのか不安に思われている節がありましたが…

A: 相続放棄には、確かに「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」という法律はあります。
 しかし、後に借金が判明した場合に一切の借金を負わねばならないとすることはあまりにも酷です。
 そこで、判例では、この法律を、借金があることを知った時からと解釈しています。
 今回のケースを見ると、相談者はお父様の多額の借金を知ったのが、この5月ということ。
 そこから3ヶ月以内に相続放棄を家庭裁判所に申し出れば、相続放棄はできると考えていいということになります。

Q: あ~よかった!
 そうでしたね。
 亡くなった時に借金の存在を知っていたわけではありませんからね。
 あくまでも、借金の存在を知ったときから3ヶ月以内…という風に理解すればよかったのでしたね。

A: その通りです。
 しかし丸子さん、相続放棄をしたから、問題解決!というわけにはいかない…という部分、忘れていませんか?

Q: んっ?
 相続放棄の手続きさえ済めば、終わり…ではなかったですかね?

A: 法的にいえば、放棄をすればその人は、相続と無関係になりますが、代わって誰かが財産・借金を引き継ぐ必要が生まれること、忘れていませんか?

Q: そう…いえば…そんな話…でしたか…ね?
 すみません、よく覚えていません。
 もう一度詳しく教えていただけますか?

A: わかりました。
 今回のケースでお話していきましょう。
 まず、相談者の方と弟と母が、相続を放棄します。
 すると、最初から相続人でなかったということになりますね。
 したがって、相続人は、被相続人の親が生きていればその親…相談者からみると、おじいさん・おばあさんが相続人となります。
 生きているけど、借金を返済できないとなると、おじいさん・おばあさんにも相続放棄の手続きが必要となります。
 この祖父・祖母が既に亡くなっていたり、相続放棄をした場合には、次に、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。

Q: あ~、うっすら、思い出しました。
 相続放棄の手続きをすると、それに引き続いて第2次、第3次の相続放棄手続きが必要となる場合があるのでしたね。
 これは注意しておかなくてはいけませんね。

A: そうです。
 自分は相続を放棄して、借金から免れたとしても、その代わりに誰かがその借金を負わなくてはならなくなる。
 ですから、勝手な行動にでず、周りの相続人・親戚と一緒に物事を進めていく必要があると思います。
 また、今回の相談のケースでは、もうひとつ、注意しておいていただきたいことがあります。
 それは、借金を知るより前に、遺産分割協議ができているという部分なんですが、一度、受け取った相続財産があっても、マイナスの財産、いわゆる借金の存在を知ったら以降、その受け取った財産には手をつけないようにしていただきたいということです。

Q: それはどうしてなんでしょう?

A: 手をつけてしまうと、単純承認、先ほども少し触れましたが、全ての相続を認めたと判断され、自動的にマイナスの財産も受け入れなければならなくなる可能性がでてくるのです。

Q: これは危険ですね。
 とにもかくにも、借金の存在を知ったらすぐに、まずは弁護士など、専門家に相談をする選択を選んだ方がよさそうですね。
 自分勝手に行動してしまうと、人に迷惑がかかったり、しなければ良かった…という後悔に繋がる可能性も含んでいますからね。

A: そうですね。
 相続についても、弁護士にご相談いただけると、様々なケースにおいて、的確なアドバイスをさせていただけると思います。

Q: ところで、江さんは、この度、一般向け相続解説本「相続・遺言のポイント50」を発行されたんですよね。
 一家に一冊の相続本を!という思いで出版された「相続・遺言のポイント50」は、現在広島のほとんどの書店にて販売されていますので、こちらも注目してみてください。
 相続は、誰にも平等にやってきます。
 イザという時のためにも、今日のケースを、しっかり頭に残しておこうと思います。
 相談者の方も、今からでも遅くありません、是非、一度、相談に出向いてみてはいかがでしょうか?
 ここで、お問い合わせ先です。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 今日は「死亡した父に借金があることが判明、どうしたらいい?」という相談に答えていただきました。
 江さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ 
「遺産分割の手続きを教えてください」について
2016/6/27 13:30~13:40 FMちゅーピー(76.6MHz)

■相続問題専門サイト「相続放棄とは」

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