コラム

2016-06-14

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「未成年の子がいる人は遺言書を作るべき?」

2016/6/13(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「未成年の子がいる人は遺言書を作るべき?」
遺言書作成 広島 弁護士

未成年の子がいる人は遺言書を作るべき?

Q: 今月は「相続と遺言」をテーマに、番組に寄せられました手紙やメールによるご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は32歳女性から、こんなメールをいただきました。
 「先日、同じ幼稚園に通うママ友とランチをした時に話題になった遺言について、教えていただきたいことがあります。
 これまでたまに集まって楽しくお喋りをしていたママ友の会では、子どもの成長や育児の悩み、そしてファッションの話など、楽しくて共感できるものばかりでしたが、先日の会では、ひとりのママ友が知り合いの家庭に起こった大変な話を切り出しました。
 その内容は、旦那さまが交通事故に遭われて亡くなってしまったというところから始まり、その後の遺産相続の手続きが大変だったというものでした。
 亡くなられた旦那さまはまだ30歳、若いし、元気だったこともあり、亡くなるなんてだれもが想像していませんでした。
 一連の会話の中で、遺言が残っていればよかったらしい…という話になったのですが、それがどういうことを意味するのか、分からず終いになっています。
 江先生、若くても、イザという時のために、遺言は書いておいた方がいいのでしょうか?
 またその理由など、番組で紹介していただけると嬉しいのですが…よろしくお願い致します。」

と言う内容です。
 若い時でも遺言を書いておいた方がいい。
 これについては、江さん、どうなのでしょう?

A: そうですね。
 若くとも、私は遺言は書かれておくべきと思いますね。
 一般的に遺言というと、自分が死んだ後のことを考え始める年齢になって意識すると言う方が殆どだと思います。
 しかし、若い方でも今回のメールの内容のように、突然事故に遭われて亡くなってしまわれるということも無きにしも非ずです。
 私は年齢を問わず、遺言を書くことをお勧めしていますが、その中でも特に、小さいお子さんがいる方は、特に遺言を書いていただきたいと考えています。

Q: それはどうしてなのでしょうか?
 分かりやすく、教えていただけますか?

A: 例を挙げてお話しましょうかね。

Q: お願いします。

A: 夫婦2人で未成年の長男・長女の2人という4人家族の家庭があったとします。
 夫が不慮の事故で亡くなってしまいました。
 若かったこともあり、遺言はありませんでした。
 夫の財産はというと、夫名義のマンションと預貯金。
 これについて、遺産相続をすることになります。
 この場合の法定相続人は、丸子さん、誰か分かりますか?

Q: 今までいろいろと勉強してきましたからね。
 亡くなった夫の財産は、奥さんと子ども2人が相続することになるのではないですか?

A: 正解です。
 夫が亡くなった場合、遺産相続の法定相続人は、妻と長男・長女の3人ということになります。
 しかしここで問題が発生します。
 長男と長女の子ども2人は未成年です。
 遺産の分け方を話し合いで決める「遺産分割協議」は、相続人全員が参加して同意することが必要となっていましたね。

Q: そうでしたね。
 この場合は、家族全員が相続人となるので家族間での話し合いとなるのでしょうか?
 とはいえ、二人はまだ未成年の子どもですよね?
 話し合いなんてできるのでしょうか?

A: そうです、そこが問題点なんです。
 未成年の相続人は、遺産分割協議に単独では参加できないということになっています。
 通常、未成年者が法律上の問題について判断を下す際には、親や後見人が法定代理人としてサポートする必要があるのです。

Q: ということは、親である妻が子どもたちの法定代理人になるのですか?

A: いえいえ、この場合、母親は被相続人の妻であるため、未成年の子と同じ、相続人という立場であり、互いの利益が相反することから、母親は子どもの代理人にはなれないことになっています。

Q: 同じ立場になるから、代理人にはなれないのですね。
 それはどうしてですか?
 互いの利益が相反する…という理由がありましたが、これはどういうことなんでしょう?

A: 例えばなんですが、法定相続人である妻が、子どもの代理人として協議に参加すると、妻の都合の良いように話し合いが進んでいくという恐れも含んでいます。
 また、特定の子に有利な行為を行い、不利益を受ける子がいるかもしれない…という懸念もあります。
 遺産分割協議はあくまでも公平であることが望ましいとされていますから、誰かの都合で不平等になるのを避けなければなりません。

Q: なるほど…では、未成年の子どもたちの代理人は、どのように決めればよいのでしょうか?

A: 未成年の子どもが母親と同じ相続人という立場になった場合は、未成年の子どもには特別代理人を選任し、子どもの代理人として遺産分割協議に参加してもらうことが必要となります。

Q: 特別代理人ですか…
 これは、どのように選出されるのですか?

A: この場合の特別代理人は、相続権がないことが前提ですから、それを満たしていれば、親戚の人などでも構いません。
 しかし、先ほども申しましたように、遺産分割協議は、あくまでも公平であることが望ましいとされていますから、専門的な知識がある人の方が好ましいと思います。
 例えば、弁護士や税理士などに任せる方がいいでしょうね。
 家庭裁判所に申し入れをすれば、特別代理人を選任してもらうこともできます。

Q: はぁ…結構大変なんですね。
 ところで今回、事例としてお話いただいたケースは、未成年の子ども2人ということでした。
 この場合、子どもたちの代理として、一人の特別代理人を選任すればいいのですか?

A: いいえ、未成年の子ども一人につき、一人の特別代理人が必要です。
 今回のケースであれば、2人、必要ということです。
 つまり、未成年の子どもの人数だけ、特別代理人が必要になるということです。

Q: そうなんですかっ?
 ひとつ屋根の下に暮らす家族なのに、第三者を交えて協議をしなければならないのは、なんとも複雑なもののように感じますね。

A: そうですね。
 本来、妻は子どもたちの母親なんですから、子どもたちの不利になるような相続はしないと思いますが、法律では、あくまでも公平であることを主にしていますから、どうしても、このような違和感のある方法を取るしかないのです。

Q: 仕方がないことなんですね。

A: ただ、亡くなられた旦那さんが、もしきちんとした遺言を残していれば、このような煩雑な手続きを行わなくても良かったのです。

Q: それはどういうことですか?

A: 例えばなんですが、未成年の子どもたちが相続人になる場合、とりあえず、妻に全てを任せるという選択肢もありますよね。
 この場合、遺言書を残しておけば、とりあえずは妻が相続できることになり、子どもが遺産分割協議に参加するような事態は免れることができるのです。

Q: 未成年の子どもですからね。
 いずれは親の財産を相続する日がくるでしょうが、その話に巻き込んでしまうのはもっと大きくなってからでいいと思うのは、親心でしょうか…
 しかし、遺言って、本当に大事ですね。今回改めて感じました。
 そうはいっても、遺言って、どのように書いていいか…悩みますよね?
 例えば今回のケースのように、自分自身も若く、子どもも小さい…といった場合の遺言の書き方、教えていただけたりしませんか?

A: では、参考になるような遺言書を紹介しましょう。
 未成年でまだ小さい子どもがいる場合、とりあえずは妻に全てを任せることを記述した例です。
 紙に「遺言書」とし、遺言者は、不動産、預貯金など、相続開始時に所有する財産の全てを遺言者の妻○○ここは妻の名前を記載し、その後に(昭和○○年○月○日生まれ、以下○○という)に相続させる。と書きます。
 さらに第二条とし、遺言者は、○○妻の名前ですね、○○を遺言執行者に指定する。
 遺言執行者は、遺言者の預貯金を解約して払い戻しを受けること、遺言者のその余の金融資産等を換価して換価金を受領すること、不動産について必要な登記手続きを行うなど、 この遺言を執行するために必要な一切の権限を有する。
 遺言執行者は、その任務を第三者に行わせることができる。とし、平成○年○月○日と書いた年月日を入れ、住所と氏名、そして押印をしておきます。
 こう残しておくと、とりあえず不慮の事故で遺産分割を行わなくてはならなくなった場合に、子どもたちを巻き込む煩雑な続きから逃れることができるのです。

Q: 遺言なんてまだまだ先の話…と思っている方も多いでしょうが、この話を聞くと、遺言は、早いうちに書いておくべきだと思いますね。

A: そうですね。
 自分で書く分には、いつでも書き直すことができますから、今、自分がいなくなったら…ということを考えて、残された家族に負担のかからないような遺言を残しておくというのも、おもいやりのひとつですね。

Q: ただし、記載方法や記載内容に誤りがあった場合、思い通りの相続が出来ず、最悪の場合は遺言全体が無効となることもあると聞きます。
 遺言を作ってみたいという場合にも、江さんの事務所に相談に行けば、作り方を教えていただけたりしますか?

A: もちろんです。
 まずは、お電話にてご連絡ください。

Q: ところで、江さんは、この度、一般向け相続解説本「相続・遺言のポイント50」を発行されたんですよね。
 一家に一冊の相続本を!という思いで出版された「相続・遺言のポイント50」は、現在広島のほとんどの書店にて販売されていますので、こちらも注目してみてください。
 それではここでフリーダイヤルをお伝えしておきましょう。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 今日は「未成年の子どもがいる人は遺言を作るべき?」というメールに答えていただきました。
 江さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ 
「死亡した父に借金があることが判明」について
2016/6/20 13:30~13:40 FMちゅーピー(76.6MHz)

■相続問題専門サイト「遺言書を作成したい方」

■バックナンバー(相続)
「遺言に代わる家族信託とは」  2015/12/21OA
「母の遺言では私には何も無かったのですが」  2015/12/14OA
「一般社団法人はなまる相続ができたと聞いたが」  2015/12/7OA
「成年後見制度について」  2015/8/11OA
「遺言作成上のアドバイス」  2015/6/29OA
「借金も相続されるって本当ですか?」  2015/6/22OA
「内縁の妻に家を残してやりたい…」  2015/6/15OA
「遺言書を書くべきでしょうか」  2015/6/8OA
「夫の死後に隠し子がいることが判明」  2015/6/1OA
「遺言は詐害行為とならないか?」  2014/12/8OA
「相続チームがあると聞いたのですが」  2014/12/8OA
「未成年者の後見人はどのように決める?」  2014/9/8OA 
「相続アドバイザー活躍中」  2014/3/31OA 
「遺産分割で揉めています。」  2014/3/24OA 
「亡き父の遺言によると自分の取り分がないが?」  2014/3/17OA 
「遺言書を発見したのですが・・・。」 2014/3/10OA 
「兄弟姉妹の孫は相続人になりますか?」  2013/3/3OA 
「遺言書通り分けないといけない?」  2013/11/11OA 
「ママが巻き込まれる相続トラブル」  2013/5/27OA 
「資産と借金・・・相続を迷っている」 2013/5/20OA 
「父親に買って貰ったマンションの相続」 2013/5/13OA 
「遺言書のつくり方について」 2013/5/6OA 
「姉が認知症の親の金を勝手に使う」 2013/1/21OA 
「エンディングノートについて」 2012/11/26OA 
「遺言の内容を変更したい」 2012/11/19OA 
「株式を相続したのですが…」 2012/11/12OA 
「未成年者への相続」 2012/11/5OA 
「紙切れに書かれた遺言書」 2012/4/30OA 
「生命保険金は遺産分割の対象となりますか?」 2012/4/23OA 
「どこの家庭でも起こりうる相続問題」 2012/4/16OA 
「相続アドバイザーって何?」 2012/4/9OA 
「初めての相続~流れの説明~」 2012/4/2OA 
「胎児は相続できますか?」 2011/10/31OA 
「遺留分を放棄させることは可能?」 2011/10/24OA 
「弟から遺留分の請求が…」 2011/10/17OA 
「死亡した父の借金取り立てが来た」 2011/10/10OA  
「夫が別の女性との間でつくった子に相続させたくないが…」 2011/10/3OA
「子どもがいない夫婦の相続はどうなるの?」 2011/4/25OA 
「放蕩息子に相続させたくない」 2011/4/18OA 
「家業手伝いと療養看護…相続はどうなる」 2011/4/11OA 
「内縁の妻は相続できる?」 2011/4/4OA

この記事を書いたプロ

山下江法律事務所 [ホームページ]

弁護士 山下江

広島県広島市中区上八丁堀4-27 上八丁堀ビル703 [地図]
TEL:0120-7834-09

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
お客様の声

交通事故の解決事例をマンガで紹介しています山下江法律事務所 交通事故専門サイトトップページ ↓↓↓http://www.hiroshima-jiko.com/■その他の事例もご参照くだ...

相談料

無料相談について、詳しくはこちら↓をご覧下さい。■交通事故専門サイト■借金問題専門サイト相談予約専用フリーダイヤル0120-783409 (なやみよま...

 
このプロの紹介記事
山下江 やましたこう

依頼者に笑顔になってもらうために、全力を尽くします。(1/3)

 ドアを開けると、ずらりとスタッフの並ぶカウンター。案内された部屋で待っていたのは穏やかに微笑む山下江さん。まるで大病院の受付みたいですねと感想を伝えると、「そうですか? ハハハハ」と楽しげに笑う山下さん。山下江事務所は、弁護士15人・秘...

山下江プロに相談してみよう!

中国新聞社 マイベストプロ

「親切な相談」「適切な解決」これが私たちのモットーです。

事務所名 : 山下江法律事務所
住所 : 広島県広島市中区上八丁堀4-27 上八丁堀ビル703 [地図]
TEL : 0120-7834-09

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

0120-7834-09

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

山下江(やましたこう)

山下江法律事務所

アクセスマップ

プロのおすすめコラム
弁護士コラムvol.134 「インターネット上で誹謗中傷された時の対策」 久井 春樹
イメージ

 インターネット上で誹謗中傷された時の対策  不特定多数の人が閲覧できるインターネット上の掲示板に、自...

[ 弁護士コラム ]

広島の弁護士・江さんの「きらり創立5周年記念講演会」ほか
イメージ

 きらり創立5周年記念講演会  きらり(一般社団法人人生安心サポートセンターきらり)の創立5周年記念講演会...

[ ブログ ]

相続アドバイザーの『「超☆ドンブリ相続対策」のすすめ』ほか
イメージ

 事業承継士資格取得講座☆ 先週のブログ →弾丸☆インド旅行 でも少し触れたのですが東京滞在5泊6日で講習...

[ 相続アドバイザー ]

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「離婚したいと思っているのですが…」
イメージ

2016/9/26(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、OA内容をお届...

[ 法律相談 ]

広島の弁護士・江さんの「10月22日(土)三本松進先輩が最新ベンチャーを語る・・・」ほか
イメージ

 10月22日(土)三本松進先輩が最新ベンチャーを語る(第31回KKC交流会)  修道中高及び東大の2年先輩であり...

[ ブログ ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ