コラム

 公開日: 2016-05-24 

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「会社破産をしようと思っている 」

2016/5/23(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「会社破産をしようと思っている 」
会社整理 相談 広島 弁護士

会社破産をしようと思っている

Q: 今月は、企業法務や労働問題をテーマに、番組に寄せられました手紙やメールによるご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日もよろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は、45歳の女性経営者からメールをいただきました。
 「江先生、丸子さん、こんにちは。
 私は小さいながら会社を経営しています。
 父親が立ち上げた会社を引き継いで5年。
 父親は働き通しで体調を崩し、これ以上、社長を続けることができなくなりました。
 その頃から、業績は芳しくなく、会社をたたむ話も出ましたが、父親の頑張っていた姿を幼い頃から見ていた私は、父親の汗と涙が染み込んだこの会社をなんとか残したいと思うようになりました。
 それで、意を決して引き継ぐことに決めました。
 父親と一緒に何十年も頑張ってくれた従業員も、途方に暮れずに済むと、会社の存続を喜んでくれ、これまで必死に頑張ってきました。
 しかし、その後も業績は上がらず、苦しい決算を続けてきました。
 私も、社長として精一杯のことはしてきたつもりです。
 でも、もう限界です。
 この9月に父親と共に時代を築いてくれた従業員が定年を迎えます。
 その従業員を無事送り出したら、会社を整理しようと考えています。
 本当は、弁護士に頼りたいところですが、弁護士費用もままならない状況で…
 江先生、この番組で、会社を破産する際の手続きについて、教えていただけませんか?
 よろしくお願い致します。」

というご相談です。
 頑張ってこられたのに、残念ですね。
 しかし、従業員の生活のことをきちんと考えられている、素敵な社長さんですね。
 江さん、力を貸して差し上げてください。

A: はい。
 本来であれば、9月と言わず、少しでも早く破産手続きを行うべきだと、私は思います。
 しかし、この方の従業員を思う気持ちも、無下にはできませんね。
 期限を切って破産を考えているということですから、これからの手続きの一連を、流れに沿って、説明していきましょう。

Q: よろしくお願い致します。

A: 相談者は、弁護士費用のことを気にされていましたが、まずは、弁護士に相談されることをお勧めします。

Q: やはり、破産の手続き上、弁護士の力を借りないと、難しいものなのでしょうか?

A: 手続きさえできれば、個人でもできそうな気がしますよね。
 しかし、会社破産については、弁護士の力というのは重要なことになります。
 弁護士に依頼することで、債権者への説明についても容易になるし、破産手続も順調に進んでいくことになります。
 やはり、弁護士は、会社破産に関する法律的な知識を持っていますから。

Q: たしかに弁護士費用のことだけではなく、その他もろもろ、結局、弁護士に依頼をした方がスムーズだった。ということはあるでしょうね。

A: そうなんです。
 さらには、相談者も経営に行き詰った結果、会社の破産を考えられたようですが、細かく話を聞いた上で、本当に会社破産がいい方法なのか、民事再生法を利用できるか…など、最適な方法を見出せるというメリットもあります。

Q: 会社の破産となると、経営者の財産なども関係してきますよね。
 その後のことも考えると、やはり弁護士に依頼をすることは必須のように思いますね。

A: ですから、速やかに、弁護士に相談されることをお勧めします。
 会社を破産させる手続きには、諸費用がかかります。
 まず、裁判所に予納金と呼ばれる納めなければならない費用が発生します。
 これは、破産申し立て後に選任される破産管財人の費用です。
 広島地裁の基準では、この予納金は最低100万円とされています。
 ただし、申立代理人が債権回収など、多くのことを行っている場合には、50万円に減額される、さらに、破産管財人が行う業務が極端に少ない場合には、これが30万円にまで減額されるという例もあります。
 いずれにせよ、裁判所に支払う予納金が必ず必要となります。
 さらに、申立代理人となる弁護士に支払う弁護士報酬金については、法律事務所により異なると思いますが、だいたいは、最低50万円から、多くは100万円以上必要となると考えておいた方がいいと思います。

Q: 会社破産を裁判所に申し立てる予納金、依頼する弁護士に支払う報酬金だけで、かなりの費用が必要となるのですね。
 経営に困っているのに…厳しい現実ですね。

A: ですから、早めに弁護士に相談して、その資金をどうやって確保するのか、という点から検討していきます。
 相談が遅くなり、資金の確保ができないなど、資金不足になると、裁判所への破産申立も不可能となり、任意整理など他の方法も何もできないという結果に終わってしまう恐れもあるのです。

Q: 会社を破産させるにもお金が必要となるので、その資金を確保できる状態の時に、弁護士に相談に行くということがまずはじめのポイントになるのですね。
 ところで、先ほど登場した「破産管財人」という人は、何をするのでしょうか?

A: 破産管財人とは、破産手続開始決定が下りた場合に、裁判所が選任する弁護士のことで、この破産管財人によって、破産申立人(会社)の財産の「管理・調査・評価・換価・処分」を行い、各債権者に債権額に応じて配当手続きを行います。
 破産管財人については、一連の流れを終盤でもう少し、詳しくお話します。

Q: では、弁護士に相談をして、破産の申立てに必要となる資金を確保した後のことを、教えてください。

A: はい、依頼を受けた弁護士は、会社の経営者ないし経理に資料を提出してもらいながら、破産申立書を作成します。
 資料の中には、会社の決算書、債権者一覧表、売掛債権一覧表、資産、負債などを示す様々なものが含まれます。
 担当弁護士は、そうした資料を添付した破産申立書を会社の所在地を管轄する地方裁判所に提出します。

Q: その資料を作成するだけでも、大変そうですね。
 そしてその後はどうなりますか?

A: 裁判所は破産申立をした会社、これを債務者といいますが、この債務者に対して、破産に至る事情や資産・負債の状況などについて事情聴取を行います。
 この事情聴取を「債務者審尋」といいます。
 裁判所は、破産手続開始前に、債務者の財産が散逸しないように「保全処分」を出すこともあります。
 そして、裁判所は、問題がなければ破産手続開始決定を行い、破産管財人の選任を行います。
 債権者は一定期間内に、破産債権の届け出を行います。

Q: ここで、破産管財人が登場するわけですね。

A: そうです。
 ここからが破産管財人の重要な役目となります。
 まず、破産管財人は、届けられた破産債権が確かなものかどうかをチェックし確定させます。
 他方、破産会社の財産の調査・管理を行い、可能な限り財産の現金化を行います。
 そして、回収できた金額を、法律に従って、債権者に配当を行います。

Q: 「法律に従って」というのは、どういうことですか?

A: 例えば、税金未払分は第1番目に、労働者への未払賃金は他の債権に比べて優先的に支払うなど、法律で決められているとおりに支払っていきます。

Q: 会社を破産させるのも、簡単なことではありませんね。
 手続きにも、結構時間を要するものなのでしょうか?

A: 手続き期間としては、規模や内容によって異なりますが、通常1年から2年というのが多いようですね。
 こうしてみると、破産手続きの終結まで何年もどうしよう…と心配になられるかもしれませんが、基本的には、依頼を受けた弁護士が動きますので、債務者である経営者は、自身の新たな出発のための手続き期間と考えていただくといいと思います。

Q: なるほど、そう考えれば少しは気持ちが落ち着きますね。

A: 会社を経営している以上、その会社を破産させるに至るということは、とても酷なことだと思いますが、再建をするのも簡単なことではありません。
 破産をネガティブなイメージばかりに固執せず、もう一度、人生をやり直すチャンスとして、前向きに進んで行っていただきたいですね。

A: とにかく行き詰ってしまう前に、一人でなやまず、相談してください

Q: それではここでフリーダイヤルをお伝えしておきます。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 今日は、「会社破産をしようと思っている」という女性経営者からのご相談に答えていただきました。
 江さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ 
「広島経済活性化推進倶楽部とは? 」について
2016/5/30 13:30~13:40 FMちゅーピー(76.6MHz)

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TEL:0120-7834-09

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