コラム

 公開日: 2016-05-03 

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「雇止めで気をつけることは」

2016/5/2(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「雇止めで気をつけることは」
FMちゅーピー なやみよまるく 江さんの何でも法律相談

雇止めで気をつけることは

Q: 今月は、企業法務や労働問題をテーマに、番組に寄せられました手紙やメールによるご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日もよろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は、51歳男性から、次のようなメールをいただいています。
 「私は15年前に自分の会社を設立し、物流会社を経営しています。
 雇っている運転手のうち一定数が一年単位での雇用となっています。
 その契約を何回も更新している人が多いのですが、最近雇った労働者は、配送に遅れたり、配送先を間違えたりとミスが多く、契約の更新を辞めようと思っています。
 最近、このような「雇止め」についてのトラブルや裁判が多いと聞いております。
 その労働者が素直に辞めてくれると良いのですが、そうとも限りませんよね。
 雇止めをするに当たっての注意点があれば、教えてほしいのですが・・・」

 江さん、物流会社の社長さんからのメールですね。
 雇止めについて教えてほしいということのようです。

A: はい、説明しましょう。
 この会社、労働者を一年単位で契約しているとのことですが、こうした契約を「有期労働契約」といいます。
 そして、この契約を更新しないことを「雇止め」といっており、通常の労働者の「解雇」の場合と区別しています。
 労働者の解雇については、古くから割と明確な基準があるのですが、「雇止め」については最近その基準が整理されてきたという状況です。

Q: 雇止めに関する基準というものがあるのですね。

A: はい、そうです。
 労働基準法14条に契約期間についての条文があるのですが、その2項において、雇止めに関するトラブルなどを防止するために、厚生労働大臣が必要な事項について基準を定めることとされています。
 その基準が「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」というものです。

Q: どのような「基準」ですか?

A: はい。
 4項目あります。
 ①契約締結時の明示事項等、②雇止めの予告、③雇止めの理由の明示、④契約期間についての配慮です。
 順をおって説明しましょう。

Q: お願いします。

A: まず、①の契約締結時の明示事項等について。
 使用者は、有期契約労働者に対して、契約締結時にその契約の更新の有無、そして、更新がある場合には更新するかしないかの判断基準について、明示しなければなりません。

Q: 更新するかしないかの判断基準としては、どのようなものがあるのでしょうか。

A: そうですね。
 例えば、
①契約期間満了時の業務量により判断する
②労働者の勤務成績、態度により判断する
③労働者の能力により判断する
④会社の経営状況により判断する
⑤従事している業務の進捗状況により判断する
というような内容です。

Q: なるほど、いろいろあるのですね。
 ただ、このように予め更新についての判断基準を明示していただけると、雇止めの場合に、労働者の納得も得やすくなりますね。

A: はい、そういうことです。
 つぎに(2番目)、雇止めの予告です。
 予め契約の更新がない旨が明示されている場合を除き、有期労働契約が3回以上更新されているか、一年を超えて継続して雇用されている労働者については、少なくとも、契約期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければなりません。

Q: 確か、普通の労働者の解雇についてもそれに似た規制がありましたよね。

A: そうです。
 よくご存知で。
 労働者を解雇する場合には、少なくとも30日前にその予告をするか、30日分以上の平均賃金を支払う必要があります。
 労働者の生活保障のために定められた条文です。
 有期労働契約についても、労働者の生活保障のために、似たような規制をしたということです。

Q: 3番目の基準は何ですか。

A: はい、使用者は、雇止めの予告後や雇止め後に、労働者がその理由について証明書を請求した場合は、遅滞なくこれを交付しなければなりません。
 この場合の理由は、一番目の基準で述べた更新するかしないかの判断の基準に対応したものとなります。
 すなわち、労働者の能力が十分でないとか、勤務成績が良くないとか、会社の経営状況が悪化したとか・・・

Q: 4番目は何ですか。

A: はい。
 使用者は、契約を1回以上更新し、かつ、1年を超えて継続して雇用している有期契約労働者との契約を更新しようとする場合は、契約の実態及びその労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするように努めなければなりません。
 要するに、労働者の生活の安定が図れるように努力せよと言うことですかね。

Q: 有期契約労働者は、契約の更新がない場合もあるので、生活は不安定になりやすいですよね。

A: はい、そういうことです。

Q: 今回のご相談者の場合は、どうなんでしょうか。

A: 事情をもっとお聞きしないと、正確な判断は難しいですが、最近雇ったばかりの労働者ということですから、何回も更新している労働者と異なり、雇止めが認められやすいと思います。
 そして、最初の労働契約締結時に、更新の判断基準を明示しており、その明示した基準に合致するようなら、更新拒絶=雇止めをしても、違法とはならない可能性が高いように思います。
 ただ、雇止めは、労働者の生活の糧を一旦奪うものですから、あくまで慎重に行うべきです。
 そして会社が労働者の次の仕事なども確保するなどして、労働者に納得して会社を辞めていただくように、極力努力するべきと思います。

Q: やはり、使用者と労働者が合意の上で辞めていただくのが一番ということですね。

A: はい、そういうことです。

Q: よくわかりました。
 相談者の方もよく理解できたのではないかと思います。
 ありがとうございました。
 今日は、「雇止めで気をつけることは」という相談者からのメールに、江さんに答えていただきました。
 会社経営者の方で、雇止めについて悩まれている方、労使問題について悩まれている方、是非、山下江法律事務所にご相談ください。
 それではここでフリーダイヤルをお伝えしておきます。 
 山下江法律事務所フリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 江さん、今日はありがとうございました。


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TEL:0120-7834-09

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