コラム

2016-03-29

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「子どもが勝手にパソコンを購入。取り消せますか?」

2016/3/28(月)15:30~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「子どもが勝手にパソコンを購入。取り消せますか?」
広島 弁護士 相談

子どもが勝手にパソコンを購入。取り消せますか?

Q: 今月は、皆様からいただいた「身近に起こったトラブル」について、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日もよろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は、38歳、主婦の方から番組宛に、急いで回答お願いします。というタイトルでメールが来ました。
 これは一大事!ということで、今週はこちらのお悩みに答えていただきたいと思います。
 「江さん、丸子さん、突然のメールで失礼します。
 早急に答えていただけると嬉しいのですが…
 うちの小学6年生の息子が、親に相談もせず、パソコンを買って帰りました。
 買ったその日は、私たち両親とも仕事だったため、近所に住む大学生のいとこに家にきてもらい面倒を見てもらっていました。
 その時、息子がパソコンが欲しくてお年玉を貯めていた。その額が10万円になったので、パソコンを買う事ができるか?
と、いとこに相談したらしいのです。
 いとこは、それだけあればパソコンは買えると返答し、どうせなら今からパソコンを見に行こう!と近くの家電量販店に行った、とのこと。
 はじめは見るだけと思っていたらしいのですが、パソコンを目の当たりにして、どうしても欲しくなり、そのまま購入したというのです。
 息子がお年玉を貯めていたことは知っていましたが、まさか親の承諾無しにパソコンを購入するとは思ってもいませんでした。
 今は小学生、まだまだ自分のパソコンは持たせたくないと思っていますので、電話でお店の方に返品したいとお願いをしたのですが、現金で支払いをした為、今更子どもが勝手に買ったことと言われても困る、しかも既に開封していて、使用済みの商品については返金はできないと断られました。
 いくら現金で支払ったとはいえ、子どもに高額の商品を売る行為は、法律上、問題ないのでしょうか?
 うちの息子が親に内緒で購入したことが一番いけないことだというのは承知しているのですが、お店の方が一言、保護者の承諾を得ているのか等、聞いてくれたら、少しは歯止めがかかったのではないか?とも思うのです。
 とりあえず、息子にはよくよく言って聞かせ、本人も反省をしています。
 後は、パソコンが返品できれば嬉しいのですが、未成年といえども、一度購入したものは、返品できないのは当然なのでしょうか?
 もし、何かしら手立てがあるのであれば、アドバイスをいただきたいのです。」

という内容です。
 江さん、このようなお悩み、以前も番組で紹介したと思いますが…。

A: そうでしたね。
 確かあの時の相談内容は、未成年の子どもが、親のクレジットカードを使って、勝手にネットショッピングをしていた…というものでしたね。
 今回は、ネットではなく、対面での販売にもかかわらず、未成年者が高額の商品を購入したという違いがありますね。

Q: そうですね。
 さて江さん、ずばり、このパソコン、返品できるのでしょうか?
 お答えください。

A: 結論から申し上げますと、返品は可能だと思います。

Q: 開封して、既に使用した後でも、大丈夫ですか?

A: 問題ないはずです。
 まず、未成年者は、判断能力が未熟だと考えられていますので、契約のような法律行為をするためには、原則として法定代理人、通常の場合は親権者である父親・母親の同意が必要とされています。
 ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為についてはこの限りではない、これは民法5条1項に記されている条文です。
 また、その2項では「前項」、要するに先ほど申し上げた1項の規定「に反する行為は、取り消すことができる。」とあります。
 これは、未成年者は成年者に比べて、取引の知識や経験が不足し、判断能力も未熟。
 ですから、未成年者が行う契約によって不利益を被らないように、法律で保護されているのです。

Q: 要は、未成年者が単独で行った契約については、取り消す事ができる。という法律ですね。
 これに基づいて考えると、相談者の息子さんは小学生で、親に無断で契約をしたことを理由に、パソコンの売買契約を親が取り消すことができる。という風に判断すればよいのでしょうか?

A: そういうことです。
 ただ、例外もありますのでご紹介しておきましょう。
 未成年者といえども、契約当事者が婚姻の経験がないことが必要です。
 まぁ、今回のケースでは、息子さんは小学生ですから、婚姻の経験はありませんが、男性の場合、法律上婚姻が認められている18歳以上の未成年者については、未成年者であったとしても、結婚をして家族を形成するわけですから、成人と同様に扱われることとなります。
 これは民法753条に「未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。」という規定があります。
 今回のご相談の答えとしては、少し逸れましたが、一応、覚えておいていただきたいですね。

Q: そういう条文もあるんですね。
 未成年者で結婚をしていなければ、法定代理人の同意なくして行った取引に関して、すべて取り消す事ができると判断していいですか?

A: いえいえ、婚姻の他にもいくつか取り消す事ができない場合があります。
 これについても紹介しておきましょうかね。
 第一に、子どもがその行為をすることについて、法定代理人が事前に同意していた、又は事後に認めた時は、取消は認められません。
 第二に、法定代理人が目的を決めて処分を許した財産は、その目的の範囲内であれば、未成年者が自由に処分することができます。
 また、法定代理人が目的を定めないで処分を許した財産は、未成年者が自由に処分することができます。

Q: ん?なんだか分かったような分かりにくいような…

A: 例えばご相談のケースに例えると、親が学費の支払いのために子どもに渡した10万円を使って、子どもがパソコンを買ったとします。
 これは学費の支払いと親である法定代理人が決めた目的の範囲を超えていますよね。
 この場合は、取引を取り消す事ができます。
 しかし、例えば入学祝として親が渡した10万円であれば、この10万円は目的を定めないで処分を許した財産といえるので、未成年者が自由に処分できるため、取り消す事ができません。

Q: あ~今度はよく分かりました。
 未成年者の場合は、法定代理人に許可を得ていない限り、貯金をして貯めたお金でも、法定代理人の承諾無しにした契約や取引については、取消ができるということですね。

A: そういうことです。
 この他に、未成年者による取引で、取消ができる要件としては、法定代理人から許された営業に関する取引ではないこと。
 そして未成年者が詐術を用いていないことが挙げられます。

Q: 詐術というのは、詐欺の詐に技術の術と書いて詐術と読むものでしたね。
 これは嘘をついていないか…ということだったでしょうか?

A: よく覚えていましたね。
 詐術とは、未成年者が自分を成年者と偽ったり、法定代理人の同意を得ていないのに同意を得ていると偽って、その結果、相手方が誤信をしたことを言います。
 相手方を誤信させるために詐欺的手段を取ることであり、単に未成年者であることを黙っていただけでは、詐術にはなりませんので、注意してください。

Q: ご相談内容と、江さんの説明を照らし合わせると、今回はパソコンを返品できそうですよね。
 ただ、家電量販店は、これを拒否しているということです。
 メールの中にもありましたが、子どもが大金を持って高価な商品を買うという行為を、お店の人は不思議に思わなかったのでしょうか?
 お店の方に落度はなかったのでしょうか?

A: う~ん、18歳や19歳なら本来なら未成年者とはいえ、成人していると勘違いをしてしまいそうですが、今回の案件は小学6年生ですからね…。
 本来なら、親が一緒に買い物にきているのかや、親の許可を得ているのかぐらいのことは確認すべきだと思いますね。
 その時の状況が明確ではないのではっきりとは申し上げられませんが、漠然と考えて、法律的に落度はあるのではないかと思います。

Q: それなのに、返品は不可能と言っているなんて、このお店は、親切ではないですね。

A: 未成年者が親の承諾無しに買ったもの…ということが明確になれば取消を了解するはずですがね。

Q: 販売店がこのような態度だと、法律的に返品できるとわかっても、すんなりと交渉できそうにありませんね。
 ここはやはり、弁護士に依頼して対処するべきですか?

A: そうですね。
 一度、ご相談いただけるといいですね。
 量販店との交渉のアドバイスなどもさせていただけると思いますしね。

Q: 現在、山下江法律事務所では、様々な個人の相談については無料としています。
 いろいろな問題でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。
 それではここで山下江法律事務所のフリーダイヤルをお伝えしておきましょう。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 今日は、「子どもが勝手にパソコンを購入。取り消せますか?」というご相談について、江さんに答えていただきました。
 江さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ 
「過払い金返還請求にかかる弁護士費用は?」について
2016/4/4 13:30~13:40 FMちゅーピー(76.6MHz)

■2016年4月より放送時間が変更します!
<現在>毎週月曜日15:30~15:40
<2016年4月以降> 毎週月曜日13:30~13:40

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