コラム

 公開日: 2016-03-22 

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「マンションの隣が騒がしくて困っている」

2016/3/21(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「マンションの隣が騒がしくて困っている」
騒音 相談 広島 弁護士

マンションの隣が騒がしくて困っている

Q: 今月は、皆様からいただいた「身近に起こったトラブル」について、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日もよろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は、52歳の女性の方から、メールをいただきました。

 「私は賃貸マンションに住んでいるのですが、最近、隣に越してきた若い家族の生活音にひどく悩まされています。
 この家族は、30代の夫婦と小学生と幼稚園に通う子どもの4人家族、子どもが小さいということもあり、仕方ないと我慢をしてきましたが、朝は早くからドタバタと走り回る音、子どもを叱る母親の声、子どもたちが出かけた後、少し静かな時間がある他は、テレビの音に、大音量でかける音楽、週末になると友人たちを呼んでの酒盛り…、とにかく、気が休まることがないのです。
 一度、ゴミ捨て場でバッタリ会った時に、「いつも賑やかですね」と、少し嫌味を言ってみたのですが、「明るいのが取り柄なんです」とあっけらかんと返されました。
 全く悪気がない…というか、鈍感というか…。
 友人に相談をしたら、「はっきり迷惑だと言わないとわからない」と言われました。
 そうだとも思うのですが、本人たちは迷惑をかけている意識が全くないようなので、そんな話を持ち掛けて、今後、気まずくなるのもいかがなものかと考えたりもします。
 できるだけ、近所トラブルにならないように、この騒音ともいえる生活音をなんとかする手立てはないのでしょうか?
 江さん、丸子さん、何か良いアドバイスをいただけませんか?」

というお悩みですが、江さん、毎日気が休まることがない…というのは、ちょっと問題ですね。

A: そうですね、ただ、このような問題は対応の方法を間違えると、ご近所トラブルに発展する要素を含んでいますから、慎重に対応することが大切です。
 のちのち住みにくくなるのはイヤですからね。

Q: しかし、このような案件も、弁護士に相談することができるのですね。
 ちょっと、意外だと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

A: いえいえ、このように、ご近所トラブルといえるような案件も、弁護士を頼っていただく方がいいのです。
 実際、騒音だけでなく、生活をする上で発生するトラブルのご相談も、年々、増えてきているんですよ。
 もちろん、裁判になるトラブルも、年に何回かはあります。
 そこで今日は、具体的な裁判例を見ながら、大きなトラブルとならないために、普段からどのようなことを心がけるべきか、また、実際にトラブルになってしまったらどのように対応するべきかについて、お話ししましょう。

Q: 勉強になります!
 よろしくお願い致します。

A: まず、相談者が言う、騒音とも言える生活音についてですが、これはその人その人で感じ方が違うものです。
 人が生活する以上、全く音を出さないというのは不可能ですよね。
 話し声、笑い声、子どもの泣き声・走り回る音、テレビや音楽プレイヤーの音、掃除機や洗濯機などにしても、音が生じます。
 これら、音が生じるのはお互い様です。
 ですから、一定の限度までは受け入れて我慢することも必要です。

Q: たしかにそうですね。
 ただ、江さんもおっしゃられたように、感じ方は人それぞれ…ここからが騒音である!と判断される基準はあるのでしょうか?

A: 法律用語では、どこまで我慢すべきかという限界を「受忍限度」といいます。
 この場合の「受忍」は「じゅにん」と読みます。
 まあ、一般的に言えば、がまんできる限度ないし、がまんすべき限度というような意味です。
 ですから、法律上騒音問題は、この「受忍限度」の問題として論じられることとなります。
 騒音を出す行為の性質と内容、地域環境、騒音を出す行為の開始とその後の継続の経過及び状況、その間にとられた被害防止措置の有無や内容・効果等の事情を考慮して、総合的に判断されることになります。

Q: なるほど、その「受忍限度」を超えた場合はどうなるのでしょうか?

A: 受忍限度を超える騒音については、違法と判断され、裁判所は、騒音を出している人(や法人)に対し、損害賠償を命じたり、音を出す行為をやめるよう命じる判断を出すことになります。

Q: う~ん、しかし、故意に大きな音を出して嫌がらせをしたり…というわけではなく、生活の上での騒音トラブルの場合、やはり裁判まで発展するというのがイメージできません。
 江さん、例えばこれまであった裁判例を教えていただけませんか?

A: そうですね、東京地裁が平成19年10月3日に出した判決をご紹介しましょうかね。
 この裁判は、マンションの上の階の部屋で子どもが廊下を走ったり跳んだり跳ねたりする音が、下の階の住民の受忍限度を超えるとして、子どもの親に慰謝料30万円の損害賠償責任を負わせるというものでした。

Q: 子どもが跳んだり跳ねたりする音で、損害賠償責任を負わなければならなくなる場合もあるのですね。
 少し驚きました。
 子どもが発する音は、ある程度仕方ないものと思っていましたが…。

A: 問題が起きたマンションは、床の遮音性がやや劣る水準であった上、ファミリー向けの物件で、子どもが居住することが予定されていました。
 それでも、問題の音が数値で見ても、かなり大きく聞こえるレベルで、長時間連続して聞こえるものであったことに加え、音を出す側としては、子どものしつけ等、住まい方を工夫すべきであった。
 しかし、苦情を訴えてきた下の階の住人に対して、誠意ある対応をとるべきだったのに、それをしなかったということが考慮され、受忍限度を超えるという判断に至ったようです。

Q: なるほど。
 その事例では、裁判に発展するまでに、双方間でいくらかの話し合いはもたれたのでしょうか?

A: おそらくあったはずです。
 本来なら、その時点で、お互いが歩み寄り、お互いに我慢して、住まい方を見直せば、裁判になることもなく、解決できたかもしれませんね。

Q: そうですね。
 ご近所トラブルは結局のところ、苦情を入れた後の相手の対応次第で、円満に納まるか、ひどくこじれるか、変わってくるところもありますよね。

A: その通りです。
 大きなトラブルになる前に、できるだけ音が外に響かないように工夫したり、音を立てていることについて「うるさくありませんか?」と一声かけたりするだけでも違います。
 要するに、お互いに相手の生活環境を尊重し、配慮する意識をもつことが大切だと思います。

Q: そうですよね。
 では今回の相談に戻ってアドバイスをいただけますか?
 この相談者は、お隣に苦情を入れるべきなのでのでしょうか?

A: そうですね。
 まず、生活音はお互い出るものなので、お互い様の部分もあるということを理解し、もう一度冷静になって、客観的にみて、我慢できる範囲か否かを判断しましょう。
 そして、自分の考えを法的主張として、いきなり相手に突きつけるのではなく、相手方が立てる生活音に困っていることを伝えて、理解を求めましょう。

Q: まずは、気持ちをやんわりと伝えるところから…ですね。
 相談者のこの方も、角がたたないように「にぎやかですね」と言ってみたが「明るいのが取り柄です」と返された。とありましたが、お隣さんは本当にクレームだとは感じていないのかもしれませんよね。

A: そうですね。
 本人はクレームを言ったつもりでも、やはりきちんと内容を伝えないと、相手には理解されないこともあります。
 ですから、一方的な言い方ではなく、理解を求めるように、話をすることが大切です。
 それでも改善が見られない場合は、大家さんや賃借人または、マンションの管理組合などに相談して、そこから相手方に注意をしてもらうようにしましょう。

Q: 話し合いで解決できるのであれば、それに越した事はありませんね。

A: ここでアドバイスですが、このような場合にも、感情的な対立を招かないために、実際、被害を被っている騒音を聞いてもらったり、騒音計で測定した数値を見てもらったりして、客観的な騒音の状況について双方で共通認識をもってもらうようにするのがいいと思います。

Q: なるほど、そうすれば単に苦情を言っているという風に感じられることもないかもしれませんね。

A: しかも、これらの録音や騒音計で測定した数値は、今後、訴訟に発展した場合にも証拠となりますから、後々、役立つことになる可能性もあります。
 また、当人同士で解決ができなかった場合でも、いきなり訴訟を起こすのではなく、民事調停や弁護士会の紛争解決センターへの申し立て等を利用し、法律の専門家の関与する話し合いで解決策を模索するのがよいと思います。

Q: 江さん、さすが!弁護士ですね~。
 ご近所との騒音トラブルは、誰でも巻き込まれる可能性のある身近なトラブルでもあります。
 よくあることだから…と、自分本位な行動で解決するより、冷静になって、弁護士などの専門家へ相談をしてみる。という選択肢も持っているといいかもしれませんね。
 どこに相談したらいいかわからない…という方、是非、山下江法律事務所に相談してみてはいかがでしょう?
 現在、山下江法律事務所では、様々な個人の相談については無料としています。
 いろいろな問題でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。
 それではここで山下江法律事務所のフリーダイヤルをお伝えしておきましょう。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 今日は、「マンションの隣がさわがしくて困っている」というお悩みに、答えていただきました。
 江さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ
「子どもが勝手にパソコン購入。取り消せますか?」について
2016/3/28 15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

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弁護士 山下江

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TEL:0120-7834-09

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