コラム

 公開日: 2016-02-02 

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「女性の再婚禁止期間が100日となったようですが」

2016/2/1(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「女性の再婚禁止期間が100日となったようですが」
再婚禁止期間 相談 広島

女性の再婚禁止期間が100日となったようですが

Q: 今月は、「離婚・男女トラブル」をテーマに、番組に寄せられました手紙やメールによるご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日もよろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は、39歳女性から、次のようなメールをいただいています。

 「私は2か月前に離婚しました。
 以前から前の夫とは別に好きな男性がいました。
 この度、その男性から結婚の申し入れがありました。
 離婚したばかりなので、すぐに再婚というのも、世間体もあり、どうかなと思っています。
 ただ、私としては、この方と結婚できたらと思っており、いつ結婚申し入れを承諾し、いつ結婚届を出そうか、迷っています。
 そうしたところ、昨年末頃に、最高裁判所が、女性の再婚禁止期間を定めた民法の規定について、100日を超える部分は違憲と判断したことをニュースで聞きました。
 私は、女性に再婚禁止期間があったことすら知らなかったのですが、今回の最高裁判所の判断はどういうことなのか、教えて欲しいです。
 私は、離婚から100日を超えれば再婚の届出をすることができるという理解で間違いないでしょうか?」

という相談です。
 江さん、最高裁の新しい判断、私も知っていますが、どういうことなのか、教えて下さい。

A: はい、まず、昨年末の最高裁の判決を若干詳しく説明しましょう。
 この裁判は、離婚した女性がその後結婚届(再婚の届ですが)をしようとしたが、女性について6か月の再婚禁止期間を定める民法733条1項の規定があるため、すぐに結婚届を行政に受理してもらうことができず、自らが望んだ時期から遅れて再婚することになり精神的損害を被ったとして、国に対して、国家賠償法に基づき損害賠償を請求した事案です。

Q: なるほど、再婚の届出がすぐにできなかったのはおかしいということですね。
 その女性は、具体的にはどういう理由でおかしいと主張したのですか。

A: はい、私なりに要約しますと、一つは、先の規定(民法733条1項)は、父子の推定の重複を回避する、すなわち、離婚前の夫の子か再婚後の夫の子か分からなくなることを回避する、という趣旨だとしても、最近では、DNA鑑定などにより父子関係の確定が容易になっているので、時代遅れの規定だ・・・この規定は、憲法14条1項(法のもとの平等)及び24条2項(家族生活における個人の尊厳と両性の平等)に違反すると。
 女性だけが、再婚禁止期間を設けられるのは、男女の平等にも反すると。

Q: 確かに、今ではDNA鑑定により誰が父かは、分かるようになりましたからね。

A: はい、そういうことです。
 それともう一つは、民法772条(嫡出の推定)2項です。
 この規定は「婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消の日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。」というものです。
 この規定を前提にすれば、離婚から300日以内は離婚前の夫の子と推定されるが、再婚から200日を経過すれば再婚後の夫の子ということになるので、父子の推定の重複を回避するためには、再婚禁止期間は100日でいいのではないかと主張したのです。

Q: なるほど、他の民法の条文からも、女性にとっての6か月の再婚禁止期間は必要ないということですね。

A: はい、そういうことです。

Q: それで、最高裁判所は、どのように判断したのですか。

A: この2つ目の主張を受け入れました。
 再婚禁止期間は離婚から100日で足りるとしたのです。
 すなわち、問題となった女性の再婚禁止期間6か月を定めた民法733条1項は、100日超過部分について、憲法14条1項、憲法24条2項に違反するという判断になりました。

Q: なるほど、女性の6か月の再婚禁止期間については100日を超える部分が憲法違反、違憲ということになったのですね。
 損害賠償請求の方の結論はどうなったのですか。

A: はい、問題となった民法733条1項の100日超過部分が憲法違反だということが明白になっていたとはいえないので、国会が法律改正措置をとらなかったことは、違法とは言えないとして、国に対する損害賠償請求は棄却しました。

Q: 損害賠償請求は認められなかったのですね。
 はい、よく分かりました。

A: こうした最高裁の判決がでましたので、直ちに、国は各行政機関に対して、離婚から100日を経過していれば、再婚(結婚)届を受理するように通知したということです。

Q: なるほど。
 そうすると、相談者の場合も、離婚から100日経過していれば、結婚届を出すことができるということですね。

A: はい、そういうことです。

Q: 最高裁は大きな判断をしたようですが、江さんはどう思われますか。

A: 大きな前進には違いないと思います。
 が、ぼくは100日の再婚禁止期間ですら、やはり、おかしく、時代遅れと思います。
 ぼくは、子の父が誰かは、その母が、そして父が決めることだと思っています。
 母が一番よく知っているはずですが・・。
 そして、万一、生物学上の父は誰かが争いになったときは、DNA鑑定をすれば99%以上(ほぼ100%)の確率で判明するのですから、それに従えばいいと思います。
 それに、女性にだけ再婚禁止期間を決めるのは女性の幸福追求権を奪うものであり、男女平等にも違反するとぼくは思います。
 もちろん、違った考え方ももちろんあるとは思いますが・・
 それにですね、今日本は深刻な少子化の問題を抱えています。
 再婚を早く認めて、子どもを早く生むことができるように配慮したほうが、国策としても正解と思います。
 もちろん、離婚成立前の女性の不貞行為という問題がないわけではありませんが・・

Q: そうですね。・・・・

A: 他国の例を見ますと、ドイツでは1998年に、フランスでも2005年から、女性の再婚禁止期間制度は廃止されており、世界的にも再婚禁止期間を設けない国が多くなっています。

Q: そうなんですね。
 再婚禁止期間を設けない国が多くなっているのですね。

 今日は、「女性の再婚禁止期間が100日となったようですが」というご相談について、江さんに答えていただきました。
 現在、山下江法律事務所では離婚や男女トラブルなど個人の相談については無料としています。
 離婚・男女トラブルについてお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。
 それではここでフリーダイヤルをお伝えしておきます。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 江さん、今日はありがとうございました。


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