コラム

 公開日: 2016-01-19 

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「事故後、集中力がなくなった夫」

2016/1/18(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「事故後、集中力がなくなった夫」
高次脳機能障害 広島 弁護士

事故後、集中力がなくなった夫

Q: 今月は、「交通事故」をテーマに、番組に寄せられました手紙やメールによるご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日もよろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は、38歳の女性の方から、旦那様の交通事故に関するお悩みです。
 早速、ご紹介しましょう。

 「江先生、丸子さん、こんにちは。
 今月は交通事故に関する悩みに答えていただけると聞いて、メールをしています。
 うちの主人は昨年の秋、友人とのゴルフの帰りに交通事故に遭いました。
 頭を強く打って意識を失い、そのまま入院。幸い数日後には意識は戻り、約1ヶ月の入院を経て無事退院、年末には仕事にも復帰し、ひと安心していました。
 しかし、事故に遭ってからの主人は、まるで人が変わったようです。
 以前の主人は、テキパキと行動し、仕事もバリバリこなす人でした。
 おおらかで頼りがいのある、理想の男性という言葉がぴったりな人でした…。
 それがこの頃は、ちょっとのことですぐにイライラしたり、ソワソワしたり、人の話もじっとして聞けなかったり…別人のようです。
 主人の仕事仲間に私の友人がいるので、会社での様子を聞いてみたのですが、やはり会社でもすぐ席を立ったりしているようで、集中力が欠けていると感じる場面が多く見られる、とのことでした。
 これらの変化は、やはり交通事故で頭を強く打ったことが原因なのでしょうか?
 入院中にCTやMRIも撮ったのですが、そこでは脳の損傷は見られませんでした。
 特に、記憶が低下しているようにも、今のところは感じません。
 しかし、あきらかに以前の主人と違うのです。
 原因がはっきりせず、どうしたらいいのかわからないまま、日が過ぎています。
 これから先、このままの状態が続くと思うと、恐ろしくて。
 江先生何かアドバイスいただけませんか?
 よろしくお願いします。」

と、いう内容です。
 理想のステキな旦那様が急に別人のようになったら…
 奥様のショックな気持ちが痛いほど伝わるメッセージですが…
 江さん、やはり、交通事故のせいでしょうか?

A: このメールを見る限りでは、事故で頭を強く打たれたことが原因となっている可能性がありますね。
 以前、この番組でも「高次脳機能障害」という障害についてお話したことがありますが、丸子さん、覚えていらっしゃいますか?

Q: 覚えています。
 何度か取り上げましたよね?
 その多くが、「交通事故前と後で、別人ではないかと思うくらい変わった」という内容のご相談でした。

A: まさに、今回のご相談と傾向が同じですね。
 この「高次脳機能障害」について、ここでもう一度、おさらいしておきましょう。
 交通事故による「高次脳機能障害」とは、頭部外傷によって意識障害になった被害者が、治療の結果、意識は回復したが、意識回復後に認知障害と人格変性を生じて、就労が困難になるなど、社会復帰ができにくくなる障害のことを言います。

Q: 「認知障害」と「人格変性」ですか…。
 この旦那様は記憶力が低下しているようなことはなさそうですから、認知障害という部分にはあてはまらないのでは?と思うのですが…。

A: 「認知障害」というのは、具体的に説明すると、記憶がなくなってしまう記憶障害、物事に集中できない集中力障害、思い通りに行動できない遂行機能障害、そして判断力の低下や自分に障害があることを認識できない病識欠落が含まれます。

Q: 記憶の低下が奥様には見受けられないだけで、その他の障害は当てはまるものがありますね。
 ちなみに、高次脳機能障害の中の「人格変性」についても、詳しく説明いただけますか?

A: 「人格変性」というのは、具体的に言うと感情がコロコロと変わってしまう感情易変、不機嫌、攻撃性、暴言、暴力、幼稚性、多弁、自発性低下、病的嫉妬、被害妄想などを指します。

Q: やはり旦那様は「高次脳機能障害」の症状が出ているといえそうですね。
 しかし、このように症状が表に出ているにも係らず、CTやMRIで脳の異常が確認できないのはどうしてなのでしょうかね?

A: 脳の表面が傷つくと、画像に写るのですが、高次脳機能障害というのは、脳の表面に傷がつかない代わりに、脳内の深い部分の神経軸索が切れた状態なんです。
 これを「びまん性軸索損傷」と言います。
 神経軸策が切れてしまうことにより、大脳表面にある人格や言語などを構成する脳機能と、記憶や各種基本的要求を司る脳幹部との連絡が絶たれ、人間としての合理的活動ができなくなります。
 脳の深い部分が損傷するから、検査では発見できないことが多いのです。

Q: では、相談者の旦那様が「高次脳機能障害」と認められるためには、どうしたらいいのでしょう?

A: 「高次脳機能障害」と認定されるための要件というものが5つありますので、紹介しましょう。
 1つ目は、頭部に外傷を生じる事故であること。
 2つ目は、頭部外傷を受けた結果、意識障害が生じること。
 3つ目に、意識が回復すること。
 4つ目に、意識回復後に、認知障害や人格変性が認められること。
 そして5つ目は、側脳室や第3脳室の拡大と脳の全体的な萎縮が認められること。
 これは、専門医の判断が必要となります。

Q: 私のような医学の素人が判断する目安を教えてください。

A: 例えば交通事故で頭を強く打ち、一時的に意識障害を生じて、その後回復したけれども、交通事故前と比べると、人が変わったような言動を取るようになっていれば、まず「高次脳機能障害」を疑うべきですね。
 そして、弁護士などの専門家に相談していただくのがよろしいかと。

Q: 「高次脳機能障害」は、いつかは治り、元通りになるのでしょうか?

A: 一度失われた脳細胞は、皮膚のように再生することは極めて難しいようですから…元通りになるとは言い切れません。

Q: それは辛いですね。
 一生の問題ですから、せめても、損害賠償金を、納得のいく内容で受け取りたいものですね。
 「高次脳機能障害」と認定されると、賠償金はどのようになりますか?

A: 程度によって、自賠責保険に定められた1級から9級のどれかに該当し、その等級に応じた損害賠償金を取得することができます。
 原則として、どの等級に認定されるかにより、後遺障害慰謝料の金額や労働能力喪失に伴う逸失利益の金額などが決定されることになります。

Q: 先週もお話いただきましたが、やはりこのような場合にも、弁護士に依頼するべきなのでしょうか?

A: もちろんです。
 この後遺障害に伴う慰謝料や労働能力喪失に伴う逸失利益、その金額の算定の仕方には、保険会社の基準と裁判所の基準の2つがあります。
 すなわち、二重基準となっているのです。
 再三申し上げているように、裁判所基準の方が金額が相当高く、場合によっては1000万円以上も違うことがあります。
 ですから、交通事故に遭われたら、保険会社から提示された金額で示談に応じるのではなく、弁護士に相談していただきたいと思います。

Q: 弁護士に依頼した場合、弁護士報酬を差し引いても、プラスの賠償金を受け取ることが可能ということでしたよね。

A: 正確に言えば、そういう場合がほとんどということです。

Q: しかも、江先生の事務所では、交通事故の相談料や着手金は無料でしたね。

A: はい。
 当事務所では、被害者救済の観点から、交通事故の相談については無料とし、着手金も無料としています。
 困ったことがあれば、いつでもご相談ください。

Q: それではここで、山下江法律事務所フリーダイヤルをお伝えしておきます。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 今日は、「交通事故による高次脳機能障害」について、お話しいただきました。
 江さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ
「後遺障害等級に不満があるのですが」について
2016/1/25 15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

■交通事故専門サイト「高次機能障害とは」

■バックナンバー(交通事故)
「本当に弁護士に頼むと保険金が増額するのですか?」 2016/1/11OA
「交通事故に強い弁護士とは?」 2016/1/4OA
「交通事故後、妻に笑い発作が…」 2015/7/28OA
「交通事故を弁護士に依頼すると保険金が増額できるのはなぜ」 2015/7/21OA
「弁護士費用特約をつけるべきか」 2015/7/14OA
「自転車交通違反の罰則強化とは」 2015/7/7OA
「認定された後遺障害に納得できない」 2015/1/19OA
「自分に過失がない時は保険が使えない?」 2015/1/19A
「交通事故チームがあると聞いたのですが」 2015/1/13A
「自転車事故に備える保険はあるのですか」  2015/1/5OA
「交通事故、保険金請求はいつまで可能?」 2014/7/28OA
「交通事故、弁護士と行政書士の違い」 2014/7/21OA
「交通事故、【赤い本】とは何ですか。」 2014/7/14OA
「交通事故、弁護士に依頼すると裁判になるのでは」 2014/7/7OA
「弁護士費用特約を使うと翌年保険料が上がる?」 2014/1/27OA
「交通事故で請求できる損害について教えて」  2014/1/20OA
「高次脳機能障害とはなんですか?」  2014/1/13OA
「交通事故の保険金、弁護士に頼むと増額出来る?」  2014/1/6OA
「交通事故、弁護士に依頼した時の費用は?」 2013/7/29OA 
「相手の保険会社と交渉したくない場合」 2013/7/22OA
「後遺障害認定に異議がある時はどうすればいい?」 2013/7/15OA
「交通事故紛争処理センターについて」 2013/7/9OA  
「交通事故保険金の計算方法に二重基準がある?」 2013/7/2OA  
「整骨院での治療費は認められるか」 2013/4/29OA
「元々持病があった場合の損害減額」 2013/4/22OA
「顔に傷が残った場合の損害(後遺症)」 2013/4/15OA 
「後遺障害における逸失利益の計算方法」 2013/4/8OA
「後遺障害の認定手続き」 2013/4/1OA
「便利な弁護士費用特約」 2012/10/29OA 
「事故後、夫がいらいらして怒りっぽくなったのですが。」 2012/10/22OA
「新車がぶつけられた。買換費用を請求できるか。」 2012/10/15OA
「交通事故の相談手続き その②」 2012/10/8OA
「交通事故の相談手続き その①」 2012/10/1OA
「交通事故、弁護士に依頼した場合の事例」 2012/2/27OA 
「交通事故の相談は、誰にすべきか?」 2012/2/20OA
「交通事故の責任は自分にあるが、賠償金をもらえるか」 2012/2/13OA
「従業員が交通事故でけが、会社に損害が出たが…」 2012/2/6OA
「バイクに乗せてもらった娘が事故で大けがを…」 2011/8/29OA
「病院の駐車場で当て逃げされた」 2011/8/22OA
「息子が私の車を無断運転で事故。私の責任は?」 2011/8/15OA
「保険金請求権の時効は」 2011/8/8OA
「自損交通事故に保険は出ますか」 2011/8/1OA

この記事を書いたプロ

山下江法律事務所 [ホームページ]

弁護士 山下江

広島県広島市中区上八丁堀4-27 上八丁堀ビル703 [地図]
TEL:0120-7834-09

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
お客様の声

交通事故の解決事例をマンガで紹介しています山下江法律事務所 交通事故専門サイトトップページ ↓↓↓http://www.hiroshima-jiko.com/■その他の事例もご参照くだ...

相談料

無料相談について、詳しくはこちら↓をご覧下さい。■交通事故専門サイト■借金問題専門サイト相談予約専用フリーダイヤル0120-783409 (なやみよま...

 
このプロの紹介記事
山下江 やましたこう

依頼者に笑顔になってもらうために、全力を尽くします。(1/3)

 ドアを開けると、ずらりとスタッフの並ぶカウンター。案内された部屋で待っていたのは穏やかに微笑む山下江さん。まるで大病院の受付みたいですねと感想を伝えると、「そうですか? ハハハハ」と楽しげに笑う山下さん。山下江事務所は、弁護士15人・秘...

山下江プロに相談してみよう!

中国新聞社 マイベストプロ

「親切な相談」「適切な解決」これが私たちのモットーです。

事務所名 : 山下江法律事務所
住所 : 広島県広島市中区上八丁堀4-27 上八丁堀ビル703 [地図]
TEL : 0120-7834-09

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

0120-7834-09

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

山下江(やましたこう)

山下江法律事務所

アクセスマップ

プロのおすすめコラム
広島の弁護士・江さんのお知らせ「空き家、相続・贈与税対策 無料セミナー」
イメージ

専門家が教える<不動産>のアレコレが満載!マエダハウジング不動産と山下江法律事務所が共同開催する、今年...

[ お知らせ ]

広島の弁護士・江さんの『「卍(まんじ)じゃね」 ?!?!』ほか
イメージ

 「卍(まんじ)じゃね」 ?!?! 昨日(30日)朝の「めざましテレビ」(フジテレビ)で、女子高生流行語...

[ ブログ ]

相続アドバイザーの「平成27事務年度における相続税の調査の状況」ほか
イメージ

 弾丸トラベル国内篇 こんにちは。相続アドバイザーブログ、月曜日担当の山口亜由美です。先週末は、大移動...

[ 相続アドバイザー ]

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「個人再生なら家を残せますか?」
イメージ

2016/11/28(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、OA内容をお...

[ 法律相談 ]

広島の弁護士・江さんの『企業法務セミナーで「金コイン」プレゼント(堤田貴金属工業株式会社様』ほか
イメージ

 企業法務セミナーで「金コイン」プレゼント(堤田貴金属工業株式会社様提 11月25日(金)夜、当事務所横...

[ ブログ ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ