コラム

2015-11-10

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「会社破産すると社長も破産が必要か」

2015/11/9(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「会社破産すると社長も破産が必要か」

会社破産 相談 広島 弁護士

会社破産すると社長も破産が必要か

Q: 今月は、借金や過払いをテーマに、みなさまから番組に寄せられました手紙やメールによるご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は、58歳女性からのご相談です。
 メールを読み上げます。
 「私の主人は約30年間にわたって貨物運送会社を経営してきました。
 調子の良いときは利益もかなり出ており、現在住んでいる家も手に入れることができました。
 しかし、近年は赤字が続いているようです。
 銀行からの追加借り入れも断られたようで、本人は相当悩んでいます。
 主人の苦労を見ていると私も大変つらくなり、会社を整理した方が良いのではと考えるようになりました。
 主人も会社の破産手続をすることも検討しているようです。
 その場合には、主人自身も自己破産の手続をすることが必要なのでしょうか?」

 江さん、会社の経営に行き詰まり相当深刻な状況になっていらっしゃるようですよ。
 会社の破産と社長個人の破産の関係はどうなるのかというご質問のようです。

A: 確かに、深刻なご相談ですね。
 銀行からの追加借入を断られたということは、会社の信用がかなり低下しており、倒産の危機にあると言っていいと思います。
 場合によっては、会社破産の手続をとられた方がよろしいかと思います。

Q: その場合に社長も自己破産する必要があるのかということのようですが・・・

A: そうですね。
 現実は、会社破産の多くの場合には同社の社長も自己破産手続をしていますが、会社破産なら、当然に社長も自己破産というものではありません。

Q: と言いますと・・

A: はい、会社破産というのは、会社が債務超過などにより、銀行からの借入返済や買掛金などの支払いができなくなってしまうなかでの、会社整理の手続の一つです。
 そして、社長の自己破産というのは、社長個人が借金を返済ができなくなる状態のなかでとられる手続です。
 ですから、会社破産と社長自己破産は直接結びつくものではありません。
 しかし、現実的には、会社が銀行から借り入れをするときに、社長個人が連帯保証人になるのが通常です。
 ですから、会社が銀行借入を支払えなくなったときは、社長個人が支払をしなければなりません。
 この段階では、社長個人は会社の経営維持のために個人の持てる資産をつぎ込んでいるのが通常です。
 ですから、会社が支払困難となったときは、通常社長も支払ができなくなっていることを意味します。
 そうなると、現実は、会社破産は同時に社長個人の破産ともなるということになります。

Q: なるほど、会社の破産と社長個人の破産は、直接的には別々だけども、現実的には、同時に行われることが通常ということですかね。
 江さん、会社は破産したが、社長個人は破産しないですむのはどのような場合でしょうか。

A: そうですね。
 現実的には余りありませんが、会社は銀行からの借り入に対し支払困難となったが、社長はその借入に対して連帯保証をしていない場合です。
 何らかの不祥事を契機とした大企業の倒産の場合にはこうした事態はあり得ることです。
 大企業においては、会社の借入に対して社長個人が連帯保証をすることはないのが一般的ですから。
 また、最近では、中小企業であっても、優良企業については必ずしも社長の連帯保証は必要ではないという金融機関も現れているようです。

Q: 大企業では、社長が連帯保証しないこともあるんですね。
 ところで、会社が倒産したときに、社長は責任をとって自己破産しなければならないというようなことはないのですか。
 倒産の責任は会社の代表である社長にあると思うので、そのくらいのことがあっても良いかなと思ったりしますので・・

A: なるほど。
 でも、そういう法律はありません。
 すなわち、社長が会社の倒産の責任をとって自己破産しなければならないというような法律はありません。

Q: では、社長は、会社を倒産させても会社の債務を連帯保証していないかぎり、責任を問われることはないということですか?

A: 原則は、そのようになります。
 すなわち、会社が倒産したからと言って、社長が法律的な責任を負うことは原則としてありません。
 道義的責任は十分あると思いますが・・
 ただし、ですね・・・。
 社長をはじめ会社の取締役(役員)には、会社の経営を善良な管理者の注意をもって行うという「善管注意義務」があります。
 ですから、こうした善管注意義務に違反したような行為により会社が倒産した場合は、社長(役員)は、会社に対し損害賠償責任を負うことがあります。

Q: 「善管注意義務」ですか・・・

A: はい、善良な管理者であれば通常持っているようなレベルの注意義務です・・

Q: その善管注意義務違反の具体的な例としてはどんなものがあるのでしょうか。

A: そうですね。
 例えば、社長を頂点とした組織的な食品偽装があり、それが発覚したことが原因で、その会社に対する社会的な非難が集中し、その会社が倒産したような場合には、社長には善管注意義務違反があったとされると思います。

Q: なるほど、こうした場合は、社長の責任は大きいですよね。

A: そのとおりです。

Q: ところで、江さん。
 この社長さん、会社の経営状況が良いときにご自宅を購入されたということですが、この自宅も手放さなくてはならなくなるのでしょうか。

A: その場合が多いでしょうね。
 いくつかのケースを想定してお答えしましょう。
 一番ありうるケースは、ご主人がご自宅を購入するときに購入資金の一部を銀行から借り入れしたので、銀行の抵当権が設定されている。
 そして、会社の銀行からの借入のための担保として自宅を提供したので、次順位の抵当権が設定されている。
 この場合は、抵当権実行もしくは任意売却により、家が他の人の手に渡ることが多いです。
 次のケースは、自宅は現金で購入したので抵当権は設定されていない。
 この場合でも、ご主人が連帯保証をしているならば、保証債務履行の方法として、その家を売却してその代金を支払わざるを得なくなり、家は他人の手に渡ることになるでしょう。
 しかし、他方で、こんなケースもあります。自宅は、奥さん名義にて購入されていた。奥さんは会社に対しては何も連帯保証していなかった。
 また、自宅には会社の借入のための抵当権の設定はなされていなかった。この場合には、奥さんは、会社の負債については何も責任を負いませんので、家を売却しなければならないことはない、ということになります。

Q: なるほど、いろんなケースが考えられるのですね。

A: はい、会社経営者の中には、将来の倒産のリスクを避けるため、あえて自宅などを妻名義にしておく人もいるようです。

Q: なるほど・・・
 今日は、会社が破産したときに、社長も破産手続が必要なのかについて、江さんに聞きました。
 借金や会社経営など、お悩みの方は、地元広島の山下江法律事務所に、まずはお電話されてみてはいかがでしょうか?
 フリーダイヤルをお伝えしておきます。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは 0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 江さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ
「家を残して借金整理する方法は?」について
2015/11/16 15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

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山下江法律事務所 [ホームページ]

弁護士 山下江

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TEL:0120-7834-09

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