コラム

 公開日: 2015-09-08 

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「離婚後の子の姓と相続の関係」

2015/9/7(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「離婚後の子の姓と相続の関係」
離婚 子供の姓 広島 弁護士

離婚後の子の姓と相続の関係

Q: 今月は、離婚・男女トラブルについて、みなさまから番組に寄せられました手紙やメールによるご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は、45歳女性からのご相談です。
 メールを読み上げます。

 「私は、父が創業し成長させてきた飲食業の会社の社長をしています。
 父は同社の株式を100%所有していましたが、2年前に死亡し、私がその株式のすべてを相続しました。
 私には20歳過ぎの子どもが2人いるのですが、将来的には子どもに会社を引き継がそうと思っています。
 さて、問題なのは、私は現在夫と約7年間にわたり別居中です。
 夫に対して離婚を申し入れているのですが、夫は拒否しております。
 もし、この状態で私が夫より先に死亡したときは、会社の株式の半分は夫にとられてしまうと思います。
 夫に株式が行かないようにするためには、どうすれば良いでしょうか。
 離婚が成立すれば夫が取得することはないですか。
 もう一つ疑問があります。
 現在子どもは夫を筆頭者とする戸籍に入っています。
 離婚しても、子どもの戸籍は夫を筆頭者とする戸籍に残ったままになると聞いています。
 それは本当でしょうか。
 もし、そうであるならば、夫の戸籍に子どもが残ったままの状態でも、子どもが取得する株式について夫が権限を持つことはないでしょうか。
 会社の株式の行方が心配でなりません。
 江さん、良い方法を教えてもらえませんか。」

 江さん、相談者の方、会社の株式を夫にとられたくないということのようですが・・・

A: 今回のご相談は、離婚の問題もありますが、相続問題もからんでおりますね。
 順を追ってご説明しましょう。

Q: よろしくお願いします。

A: まず、相談者が死亡する前に離婚が成立すれば、夫に会社の株式をとられることはありません。
 会社の株式は相談者が父親からの相続により取得したものですので、離婚に際して分けなければならない財産分与の対象とはならないからです。
 離婚が成立したあとに相談者が死亡すれば、相談者のお子様お二人が相続人となりますので、このお二人が会社の株式の相続人となります。
 お二人の間でどう分けるか、すなわち、お二人が遺産分割をどのようにするか、という問題となります。

Q: 相談者は、お二人が株式を取得したとしても、離婚後もこのお二人のお子さんは、夫を筆頭者とする戸籍に入っているから、夫の権限が株式にも及ぶのではと心配されているようですが・・・

A: 確かに、離婚すると、子どもは、戸籍の筆頭者、この場合は夫ですが、その戸籍に入ったまま残り、相談者がこの戸籍から抜けることになります。
 しかし、戸籍の記載状況がどうであるかということと、戸籍に記載されている個人の財産に及ぶ権限の問題はまったく別の問題です。
 夫の戸籍に子どもが入ったままだからといって、子どもの財産、今回は株式ですが、これに夫の権限が及ぶことはありません。
 なお、子どもが未成年者の場合は親権者が財産管理権を有しますが、この場合でも戸籍の記載と親権者ないし財産管理権とは無関係です。

Q: 戸籍の筆頭者であることと、その戸籍に入っている人の財産管理権とはまったく関係が無いと言うことなのですね。

A: はい、そういうことです。

Q: ところで、筆頭者が夫になっている戸籍から子どもを抜く方法はあるのですか。

A: はい、あります。
 子どもたちが相談者(母)の戸籍に移りたい場合は、子本人(または子が15歳未満の時には親権者)が家庭裁判所に、子の氏の変更許可申立をすることになります。
 同裁判所が許可証を交付してくれますので、これを添付して役所に入籍届を提出すれば手続終了です。

Q: よく分かりました。
 さて、江さん、離婚が成立すれば相談者の悩みは解決することが分かりましたが、離婚成立前に相談者が死亡することもあり得ますよね。
 それに備えてはどうすれば良いのでしょうか。

A: 何もしなければ、相談者が死亡した場合の夫の相続分は2分の1ですから、相談者の株式の半分を、相続によって夫にとられてしまう可能性があります。
 これを避ける方法としては、2つ考えられます。
 一つは、子どもたちに会社の株式を生前贈与することです。
 相談者が死亡する前に会社の株式を子どもたちのものにしてしまうことです。

Q: なるほど、そうすれば相談者の夫に株式が行くことはないですね。

A: ただ、問題もあります。
 この場合には、会社の経営方針について子どもたちと相談者がもめた場合、子どもたちが株式を所有しているので、会社の経営方針は子どもたちの思いのままになってしまい、相談者は会社から排除されてしまうかも知れません。
 また、贈与税の問題もあります。
 これは、相続時精算課税制度の利用により解決する場合もあります。
 ただし、同制度の利用には要件があります。贈与する側(親)が65歳以上である必要があるので、相談者の場合には適用されません。

Q: 難しいですね。
 もう一つの方法は?

A: はい、相談者が遺言を書くことですね。
 会社の株式はすべて子どもたちが取得するという内容のものです。

Q: しかし、江さん。相談者の旦那さんには、「遺留分」という法律で定められた取り分があるのではないですか。

A: 丸子さん、大分法律に慣れてきましたね。
 そのとおりです。
 その遺留分も考慮した遺言書を作成する必要があるということになります。

Q: 具体的には、どうすれば良いのですか。

A: はい、夫の遺留分は、今回の場合は、相続分である2分の1の2分の1で、4分の1です。
 ですから、相談者は、遺言において全財産の4分の1を株式以外の財産にて夫が取得できるようにしておかねばなりません。
 そうすれば、離婚成立前に相談者が先に死亡したとしても、夫に株式を取得されることはありません。

Q: でも、別居している旦那さんに遺言で財産の一部であれ取得させることは、相談者は納得できないのでは・・・・

A: そこですよ問題は。
 私が先ほど述べた遺言のことは、最悪の場合でも株式の取得が大丈夫になるようにと思ってのことであり、やはり、一刻も早く離婚を成立させてしまうことですかね。
 やっぱり(笑)

Q: 今日は、離婚後の子の姓の問題や相続との関係などについて、江さんに聞きました。
 離婚や相続など、お悩みの方は、地元広島の山下江法律事務所に、まずはお電話されてみてはいかがでしょうか?
 現在、無料相談実施中です。
 相談予約のフリーダイヤルをお伝えしておきます。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 江さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ
「10年別居中、離婚できますか?」について
2015/9/14 15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

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TEL:0120-7834-09

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