コラム

2015-06-16

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「内縁の妻に家を残してやりたい…」

2015/6/15(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「内縁の妻に家を残してやりたい…」
内縁の妻 相続 遺言書

■内縁の妻に家を残してやりたい…

Q: 今月は、「相続や遺言」をテーマに、みなさまから番組に寄せられました手紙やメールによるご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は、53歳男性からのご相談です。

 「私は一緒に生活をして10年になる内縁の妻がいます。
 周りからは結婚をすればいいのに…と言われますが、子どもの頃のトラウマがあり、どうしても結婚という行為に踏み切れず、ずるずると10年が経ちました。
 彼女は、生活を共にし始めた当初は、子どもが欲しかったこともあり、籍を入れたいと言っていました。
 もし、子どもができたらその時は籍を入れるから、それまでは事実婚を認めて欲しいと説得し、彼女もそれを承諾してくれました。
 結局、子どもは授からず、そのまま籍を入れることなく、今に至ります。
 私と彼女は変わらず仲良くやっていますし、なんら不自由はありません。
 このまま事実婚でお互い年をとった後も、仲良く生活していくつもりでいます。
 ただひとつ気がかりなのが、私が先に死んだ時、私の所有する相続財産を、内縁の妻は受け取ることができない。ということです。
 この話は同僚に聞き、未だ半信半疑なのですが、本当にそうなのでしょうか?
 財産といっても恥ずかしいくらいしか所有していませんが、せめて家だけでも、彼女に残してやりたいなと考えています。
 内縁の妻が相続人にならない場合、生前にしておくと良いなんらかの手立てをアドバイスいただきたく、メールを送りました。
 是非、教えてください。」

という内容のご相談です。
 そんなに気になるなら、籍を入れたら…と思ったりもしますが、相談者のこの男性は、何か大きなトラウマを持たれているようですね。
 まずは、確認しておきましょう。
 内縁の夫妻…すなわち事実婚といわれる関係では、どちらかが亡くなった時、その相手は相続人にならないというのは、本当ですか?という質問です。
 江さん、これは、イエスでしたよね。

A: その通りです。
 内縁の夫婦に相続権はありません。
 実質的には夫婦と同じ生活をしていても、婚姻届を出しているか否かで、大きな違いが生じます。
 もう少し、詳しく説明しておきましょうかね。
 婚姻関係にないといっても、二人で協力して生活を営んでいるという点では、婚姻届を提出した夫婦と変わりはありません。
 ですから、内縁の夫婦であっても、夫婦の共同生活に係る権利義務については婚姻の届出をした夫婦と同様の権利義務を有するとされています。

Q: 夫婦の共同生活に係る権利義務…、それは具体的にはどのようなものですか?

A: 同居・扶養の義務、婚姻費用の分担義務、そして関係を解消した場合の財産分与や慰謝料請求などですかね。
 すなわち、不貞行為に伴う損害賠償や内縁破綻に関する慰謝料・財産分与などは、結婚の場合と同様に扱われることになるというわけです。

Q: それなのに、相続の場合だけ、権利が認められないのですか?

A: そうなんです。
 不公平かと思われるかもしれませんが、現在の法律では、相続に関しては戸籍上の入籍の有無を重要視しているわけです。
 ですから、内縁配偶者には、相続権が認められていないのです。

Q: では相談者が先に亡くなった場合、内縁の妻は、家を出て行かなければならないのでしょうか?

A: いえいえ、その必要はありません。
 裁判所では、内縁の妻の立場の方については、相続は出来ないが、今まで住んでいた家屋に居住することはできるとしています。

Q: では、住むところもなく、路頭に迷うなどという事態には陥らないですみますね。
 しかし、ここまで出来るのに、相続ができないなんて不思議ですね。
 江さん、そうは言っても、何か相続できる手段があったりしませんか?

A: う~ん、相続となると難しいですね…
 ただ…もし、相談者に相続人がいない場合、たとえばご両親がすでに死亡されている、また兄弟がいない、という場合には、内縁の妻は、家庭裁判所に申し立てをすることにより「特別縁故者」として、相談者の遺産の全部、または一部の分与を受け取ることができる可能性があります。

Q: 特別縁故者といいますと?

A: 特別縁故者とは、「被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者、その他、被相続人と特別の縁故関係があった者」と定義づけられています。
 亡くなった人に法定相続人がいない場合は、原則としてその財産は国に帰属することになります。
 しかし、特別な縁故関係がある場合には、国ではなく、その特別縁故者に相続財産を取得させる方が好ましいと、法は考えたんですね。

Q: なるほど、でもこれは、被相続人に法定相続人が1人もいなかった時にしか有効にならないのですよね?

A: そうなんです。
 被相続人に、子ども、親兄弟などの法定相続人が一人でもいる場合には認められないため、適用可能なケースが非常に少なく、また、特別縁故者として認めるかどうかの判断は裁判所が行いますから、法定相続人がいなかったとしても、確実に特別縁故者になれるかどうかはわかりません。

Q: あくまでも、可能性がある…という程度なんですね。
 やはり、内縁の関係であると、相続については難しいということがわかりました。
 がしかし、ここで引き下がらないのが、この番組の特徴でして…。
 江さん、せめて、相談者の言うように、現在お住まいになっている家だけでも内縁の妻が所有できるための手立てはないのですか?

A: そうですね…。
 あとは、遺言を残しておくということですかね。

Q: 例えば、今回の相談者が遺言を残すとしたら、どのような内容になりますか?

A: そうですね、例えばですが、内縁の妻○○に以下の財産を遺贈する。と書き、その下に、所有させたい家屋・土地の内容を明記します。
 もし法定相続人がいる場合には、遺留分を考えて、その相続人への相続内容も明記しておくと、後々、争いに発展しにくくなるでしょう。
 また、付言事項として、相続人以外に財産を遺す理由を書いておくことをお勧めします。
今回の相談者なら、
 「私の意志を貫き、○○とは事実婚のままでした。
 事実婚では○○に相続権がないため、この遺言書を書くことにしました。
 私がいなくなった後、○○に居場所がなくなると申し訳ないので、せめて家だけは遺してやりたいのです。
 理解してください。」
などと書いておけば、相続人に納得してもらえる可能性は高まるはずです。

Q: なるほど、法定相続人以外の特定の相手に財産を遺す場合の遺言書、これは目からうろこでした。
 やはり、弁護士に相談してみるべきですね。
 ここで、山下江法律事務所のフリーダイヤルをお伝えしておきます。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは 0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 今日は、内縁の妻に財産を残す場合について答えていただきました。
 現在、山下江法律事務所では相続・遺言について無料相談実施中です。
 江さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ
「借金も相続されるって本当ですか?」について
2015/6/22 15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

■山下江法律事務所 相続問題専門サイト 「遺産分割でお困りの方」について

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TEL:0120-7834-09

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