コラム

 公開日: 2015-04-28 

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「未払い残業代はいつまで請求できますか?」

2015/4/27(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「未払い残業代はいつまで請求できますか?」
残業代請求 弁護士 相談 広島

■未払い残業代はいつまで請求できますか?

Q: 今月は、「企業法務」をテーマに、みなさまから番組に寄せられました手紙やメールによるご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は、50歳男性からのご相談です。

 「私は半年前、50歳を目前に会社を辞めました。
 というのも、業務がかなりハードで、残業はあたりまえ、休日も返上で仕事をするありさま。
 もちろんそれは全てサービス残業、サービス出勤でした。
 家族との時間も取れず、それゆえに妻や子どもも不満がたまってきているように思えました。
 このままでは、自分の体もついていかない、家庭も崩壊してしまうのではないか…と考えた結果の選択でした。
 そのような勤務状況だったので、退職することに対して、家族は誰も反対しませんでした。
 しかし、男50歳、次の就職先はといえば、すぐに見つかるわけでもなく、給料も入ってこない…、欲を出さずに早いうちに仕事をみつけようとは頑張っているのですが、なかなかうまくいきません。
 そんな中、妻が先日、ラジオで山下先生が、未払いの残業代を退職後に請求できた話をされていた。と教えてくれました。
 内容をしっかり覚えていないようなのですが、これが本当なら、支払って欲しい!と思い、今回メールを送った次第です。
 ちなみに残業がひどくなったのは約8年前ころからです。
 未払いの残業代を退職後でも請求できるのでしょうか?」

という内容です。
 残業代が支払われていないケースは、よくありそうな話ですね。

A: そうですね。
 最近では、私どもの事務所でも、このような未払いとなっている残業代の請求についてご相談に来られる方が、随分増えてきたように感じますね。

Q: この相談者の方も書いていらっしゃいましたが、サービス残業、サービス出勤…というものは、そもそも、どのくらいの残業や勤務のことを指すのでしょうか?

A: あ~丸子さん、いいところに気づきましたね。
 このサービスという言葉はよく使われていますが、これは間違った表現方法なんですよ。
 これを知らない方、結構いるんですよね。

Q: あっと、そうでしたね。
 サービス残業って言葉はあり得ないんでした。
 その理由、江さん、もう一度、詳しく教えてください。

A: 要は、残業も労働の一環ですから、サービスで行うということはあり得ません。
 使用者はきちんと、残業に見合った賃金を支払わなくてはならないということです。
 法律で定められた法定労働時間というものがあります。
 それは、一日8時間以内、一週間40時間以内と定められていて、これを超える労働のことを「法定外労働」と言います。
 残業は、この「法定外労働」に該当するというわけです。
 そして、労働者が法定外労働をした場合には、使用者は25%以上の割増賃金を支払う必要があるんです。
 ですから、無償で行う残業は「サービス残業」ではなく違法労働ということになります。

Q: そのようにきちんと法で決められているんでしたよね。
 思い出しました。
 ちょっと、繰り返しておきますね。
 労働者が残業をした場合は、使用者は25%以上の割り増しをつけて、賃金の支払いをしなくてはならないということでしたね。

A: はい、そういうことです。
 ちなみに、割増率の話をしておきましょうね。
 時間外労働、通常の残業は、先ほどお話したように25%以上、休日労働は35%以上、夜10時から早朝5時の時間は深夜労働となり、25%以上の割り増しとなります。
 残業として深夜労働をした場合は、合計して50%以上の割増しとなります。
 さらに平成22年4月以降は、1ヶ月の時間外労働の時間数が60時間を超えた部分については、割増率が50%以上に引き上げられています。

Q: 結構な割増率ですよね。
 残業が日々のことになると、月々の残業代だけでも、相当な額になりそうですね。

A: そうですね。
 当事務所が扱った事件ですが、過去にあった残業代の請求例を挙げてみましょうかね。
 この方は、あるスーパーの店長をされていたのですが、労働基準法において「管理監督者」は、残業代を支払わなくても良いことになっており、スーパーの店長はこれに該当するものとして、残業代が支払われていませんでした。
 しかし、実際は、店長には「管理監督者」に当たるような事情はなく、裁判では約600万円の残業代の支払いが命じられました。

Q: 残業代だけで600万円ですか?
 かなりの年数分の残業代だったのでしょうね。

A: いいえ、この方、スーパーを退職した後に請求をしましたから、2年分の残業代未払い分を請求したということになります。

Q: 2年分だけですか?それは何か理由があるのでしょうか?

A: 残業代の請求は、賃金の請求と言うことです。
 ですから給料債権の時効消滅期間同様、2年の時効にかかるわけです。
 よって、遡って2年分しか請求できないというわけです。

Q: では今回、相談をくださった方も、半年前に退職されているということですから、残業がひどくなったのは8年前頃から…とありましたが、2年から半年を差し引いた1年半分しか請求できないということになりますか?

A: そういうことになりますね。
 すでに半年経っているようですから、早めに請求をされることをおすすめしますね。

Q: しかし、時効があるからとはいえ、8年分のうちの一年半分の請求しかできないなんて、なんだか気の毒ですね。

A: 在職中には、なかなか話しづらいとして、退職をしてから、元会社に請求ができないか?と相談に来られる方が多いのですが、やはりそこは、在職中に勇気を持って、会社にキチンと話をすることが大事だと思います。

Q: ただ、ただ…会社を相手に残業代を支払って欲しい!と言うのは、なかなか難しいかもしれませんね。
 それ以降もその会社で働かなければならないわけですから…躊躇される方も少なくないはずです。
 何か、良い手立てはありませんかね?

A: そんな時は、労働基準監督署に申し出て、使用者に対しては匿名にして欲しいことを告げればいいのです。
 そうすれば、労働基準監督署は、申請者に迷惑にならない方法で、会社への調査を行い、是正勧告を行ってくれるはずです。

Q: それなら安心ですね。
 ひとつ確認なんですが、会社に調査が入り、在職中の方が残業代を支払ってもらえることになった場合も、先ほどの退職をした方同様、過去2年分のみということですよね?

A: そうです。
 時効の期限は同じです。
 ただ、会社側にしてみれば、調査が入ることによって、今後の対応も考え直さざるを得なくなるはずですから、過去2年分しか…と考えるのではなく、前向きに捕らえていただきたいと思います。

Q: そうですね。
 勇気を持って、行動していただきたいですね。
 今日は、未払いの残業代請求について、山下江弁護士に話を聞きました。
 この番組を聴いて、私も!と思った方、一度、山下江法律事務所に、相談されてみてはいかがでしょうか?
 フリーダイヤルをお伝えしておきます。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは 0120-7834-09 0120-7834-09
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 江さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ
「自己破産と個人民事再生の違い」について
2015/5/4 15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

■山下江法律事務所HP「残業代請求」について

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弁護士 山下江

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TEL:0120-7834-09

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