コラム

2015-04-21

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「契約は口約束でも大丈夫?」

2015/4/20(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「契約は口約束でも大丈夫?」
契約トラブル 広島 相談 弁護士

■契約は口約束でも大丈夫?

Q: 今月は、「企業法務」をテーマに、みなさまから番組に寄せられました手紙やメールによるご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日のご相談は、23歳の男性からいただきました。

 「僕は、この春、社会人2年目を迎えました。
 印刷会社で働いています。
 実は今年の1月に人事異動があり、営業部配属になりました。
 1年目は、企画をしたりしていたので、いきなりの異動にビックリしましたが、もともと人と話すことは嫌いではないので、張り切って営業をしていました。
 そして初の仕事が取れた!まではよかったのですが、この仕事が今、大変なことになっていて、困っています。
 というのも、営業先の担当者から、販売する商品のリーフレットを作りたい…という相談を受け、何度も何度も通った結果、積極的に営業に来てくれるし…今回任せてみようかな。と仕事を任せてもらえることになりました。
 納期が3月末だったので、大急ぎで制作し、印刷をかけ、製本をしているタイミングで、営業先の別の担当者から「その作業を今すぐ止めて欲しい」と連絡が入りました。
 何が起こったのかわからないのですが、僕と話をしてくれていた担当者は既に会社を辞めていて、別の担当者からは、「今回の話はなかったことに」と言われました。
 とりあえず、「とりかかったものについての費用を補償して欲しい」と話したら、「契約書も交わしていない業務については、認められないから支払えない」と。
 このままだと、会社に損失を与えてしまうことに…。
 僕はどうしたらいいのでしょうか?
 この件があり、仕事に行くのも億劫になり、辞めたいとすら考えるようになりました。
 とはいえ、また就職活動をする意欲もなく。途方にくれています。
 何かアドバイスをください。」

という内容です。
 これは気の毒ですね。
 ようするに、仕事の請負は口約束で成立するか?ということですね。
 江さん、どうなんでしょう?

A: せっかく頑張って仕事を取ったのに…残念な展開になりましたね。
 さて、その「仕事の請負は口約束で成立するか?」という質問ですが、法律上では、成立する。というのが正解です。

Q: あら、よかった。
 契約書がなくても認められるんですね。

A: 民法上で契約というケースはいろいろな場面で登場します。
 会社と労働者との間で交わされる「労働契約」、お金を貸したり借りたりする「金銭消費貸借契約」や物を売ったり、買ったりする場合の「売買契約」。

Q: そうですね。
 パンひとつ買うのにも、100円で売ってください。
 いいですよ、売りましょう…
という風に買い手と売り手の間で契約が成立しているということでしたよね。

A: よく覚えていらっしゃいましたね。
 そう、私たちの生活の中にはいろいろな契約があります。
 この契約の中には、契約書などの書面を作成しなければ契約が成立しない「要式契約」と、契約書などなくても成立する「不要式契約」とがあります。
 原則は、不要式契約であり、両当事者の意思が合致すれば成立することになり、必ず契約書を取り交わす必要があるものではないのです。

Q: なるほど。
 口約束で契約は成立するものであれば、特に、契約書を作る必要もなかったということで、相談者には落度はなかったと判断していいのでしょうか?

A: いえいえ、必須ではないにしろ、契約書をキチンと作成することを、お勧めします。

Q: それはどうしてですか?
 私たちの放送の業界にも、実は契約書は存在しない場合が多いのですが…。

A: 何事もなく業務が終わり、請求し、支払ってもらえれば問題ないのですが、今回のように、仕事に取り掛かった途中でキャンセルなどになった場合は、言った、言わないの争いになり得ます。
 口約束で終わらせてしまうと、契約の成立自体を争われてしまうかもしれません。
 とりわけ、民事訴訟…いわゆる裁判を起こした場合を想定してお話しますと、裁判では、原則として権利を主張する者が、その権利の存在を証明する必要があるとされています。
 例えば、今回のご相談の場合は、制作物の請負金額を請求したい会社が、注文した会社との間で、いくらの請負金額で、どのような請負契約を締結したのかを証明しなければなりません。
 しかし、契約書がない場合は、あの時、こう言ったでしょとか、いやいやそんなことは言っていない…のような話になってしまうかもしれません。
 これでは裁判官に対して、請負契約の成立を証明することはできませんね。
 こうなると、請負代金を請求した会社、すなわち相談者の会社が敗訴してしまうおそれが高くなります。

Q: たしかにそうですね。
 裁判官には、その案件の経緯や人間関係などはわからないですからね。

A: それに、裁判にならずとも、契約書があれば、トラブルを未然に防ぐことにもなります。

Q: えっ、それはどうしてですか? 
 契約書さえあれば、争いにならないのですか?

A: 契約書が存在するということは、基本的に契約内容が証明されるので、契約違反をされにくくなるという利点があります。

Q: なるほど~。
 契約書がないからこそ、途中でストップだの急遽取り止めて、それまでの補償もしない…なんて話ができるのですね。

A: そういうことです。
 契約書には、細かい契約条件や特約などを明記しておくことが大切です。
 なぜならば、ビジネスは契約を取り付けるまでに、様々な約束事が重なっていく場合があります。
 その中の特にサービスの部分に関しては、どこまでが売り文句なのか、どこまでが確約された条件なのかについて、両者の意図にすれ違いが起こることがあります。
 これが、いずれ、クレームになったり代金未払いといったトラブルにつながる恐れもあります。
 ですから、細かな部分も、きちんと明記しておくことが大切なんです。

Q: よくわかりました。
 契約書って大事なんですね。
 契約書を作るに当たっては、よく、以前に使ったものに上書きをして作成するという人が多いように思いますが、これはいかがでしょう?

A: これも、怖いですね。
 契約書は、請負物件ひとつひとつについて、当事者間の約束事をきちんと反映させるべきだと思います。
 たまにあるのですが、相手方が契約書を作成して、記名・押印だけして返せばよいまでにしてくれていた…というケース。
 これも気をつけなければなりません。
 どうしてだか、丸子さん、わかりますか?

Q: え~っと、そうしてもらえると楽でいいなぁって、思ったんですけど…落とし穴があるんですか?

A: そうです、一見、楽だし、ありがたい!と思いがちですが、こうした場合には、契約内容が相手方に一方的に有利になっている場合があります。
 相手がやってくれたから…と安易に記名・押印せずに、きちんとチェックしてください。

Q: 契約書を作るのも、結構大変な作業だったりしますが、後々のトラブル回避を考えて、そのひと手間をおしまないようにしたいですね。
 そして、今回相談メールを送っていただいた方、きっと、契約書がなく、困っていらっしゃると思いますが、まずは会社に相談して、対応してもらえるといいですね。

A: 相談者も、会社の為を思って、一生懸命営業したのでしょうからね。
 会社を辞めるのは最後の選択肢にして、なんとか丸く納まることを祈っています。
 アドバイスはできますので、何かあれば、是非、弁護士も頼ってみてください。

Q: 心強いお言葉。
 企業法務についても、心配事がある場合には、地元広島の山下江法律事務所に、頼ってみてはいかがでしょうか?
 相談予約のフリーダイヤルをお伝えしておきます。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 今日は、「口約束でも契約は成立するか」について、お答えいただきました。
 江さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ
「未払い残業代はいつまで請求できる?」について
2015/4/27 15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

■企業法務専門サイト「契約書・契約トラブル」について

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山下江法律事務所 [ホームページ]

弁護士 山下江

広島県広島市中区上八丁堀4-27 上八丁堀ビル703 [地図]
TEL:0120-7834-09

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