コラム

2015-04-14

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「従業員のメンタル面への会社の責任」

2015/4/13(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「従業員のメンタル面への会社の責任」
労務問題 広島 弁護士 相談

■従業員のメンタル面への会社の責任

Q: 今月は、「企業法務」をテーマに、みなさまから番組に寄せられました手紙やメールによるご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は、49歳女性からのご相談です。

 「私の主人は10年前に起業し、現在20名程の従業員をかかえる会社の社長をしています。
 ようやくここまで大きくなりましたが、当初は本当に小さな会社でしたので、妻である私も総務・経理担当として手伝っています。
 創業当初はとにかく波にのるまで…と、従業員みんなで力を合わせて頑張ってきました。
 そのおかげで、年々少しずつですが仕事も増え、ここ数年は、新入社員も採用できるようになりました。
 この春も2名、新しい仲間が増えます。
 ただ、ひとつ不安なことがあり、是非、弁護士である江先生のアドバイスをいただければと思い、メールを差し上げました。
 というのも、昨年入社した社員が、年末あたりから出社してこなくなるという出来事がありました。
 本人に話しを聞くと、気分が乗らず、体も動かない… どうしても出社できない。とのこと。
 すぐさま、心療内科を受診するように勧めました。
 病院に行った結果、パニック障害と診断されたということでした。
 社員がこのようなメンタル障害を訴えたのは初めてだったので、私も総務担当として、どのように対応すればよいのか、手探り状態のまま対応をしてきました。
 それまでの担当を外し、他の部署への配属をしてみたり、休みを取らせてみたり…。
 年が明け、何事もなかったかのように出社してきたので安心していたら、数日後にはまた、出社してこなくなり、そのまま2月に退職してしまいました。
 最近は、うつ病やメンタル面での病気で休業する人が増えていると聞きますが、会社としては、このような従業員のメンタル面を、どこまで管理するべきなのでしょうか?
 弊社のような小さな会社だと、一人、休まれるだけでも仕事が回らず、かといって、休業中の従業員の代わりを雇うわけにもいかず、本当に困ってしまいます。
 新入社員も増え、また同じことが起こらないか、とても不安です。」

という内容のご相談です。
 最近は本当に心の病で仕事を休んでいるという話をよく聞きますね。
 江さん、どうなんでしょう?
 このようなメンタル面についても、会社が管理しなければならないのでしょうか?

A: 確かに最近は、このようなご相談も増えてきましたね。
 従業員のメンタル面の健康状態、これをメンタルヘルスといいますが、このメンタルヘルスケア対策を積極的に取る会社も年々、増えていますね。

Q: メンタルヘルスケア…ですか?

A: はい。
 このような対策は比較的新しいものですから、今回のご相談者のように、どのように対応するべきかがわからず、非常にエネルギーを使うということになっています。

Q: 従業員の健康管理は、会社として必要不可欠なものだと思いますが、メンタル面まで管理しないといけないものなのでしょうか?

A: そうなんです。
 会社は従業員の健康に配慮することが義務付けられています。
 これを「安全配慮義務」といい、平成20年3月に施行された労働契約法第5条では、「使用者は労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と明文化しています。
 これには、メンタルヘルスも当然含まれていますから、メンタル面の健康も確保・管理しなければならないわけです。

Q: はぁ…会社も大変ですね~。
 心の病気への対応と考えると、タッチしにくい面もあるでしょうから…。

A: 確かにそうですね。
 でも、ひとりの従業員が調子を崩してしまうと、周りに影響したり、お客さまへの接客にも影響して、会社の評価を落としてしまったり、ブランドイメージが傷ついてしまうこともかんがえられます。
 社員の健康だけでなく、いろんなところに波及して影響を及ぼすことがあるんです。
 ですから会社は、組織としてもメンタルヘルスの問題をしっかりと考えていかなくてはならないということです。

Q: なるほど~様々なところに影響を及ぼすことになるんですね。
 では、具体的には、どのように管理すればいいのでしょうか?

A: まずは、労働安全衛生法に基づいて、従業員の健康診断を実施します。
 さらに会社の規模や業種に応じて、安全衛生管理体制を整備する必要もあります。
 具体的に言うと、安全管理者や産業医などのスタッフを整備します。
 そして、大切なことのひとつに、労働時間の管理があります。
 長時間労働が原因でうつ病などの病気を発症することもありますからね。
 気をつけなければなりません。
 ちなみに、労働基準法では、原則として1日8時間、1週間で40時間という法定労働時間が定められています。
 小さな会社になるほど、従業員も少なく、その分、労働時間が超過する傾向にもありますから、そのあたりも気をつけていただきたいですね。

Q: なるほど。
 会社側も気をつけなければならないことが、たくさんありますね。
 それだけ気をつけていたとしても、もし、従業員がメンタル面での不調を訴えて、遅刻や欠勤を繰り返す場合は、会社としてはどのような対応を取るべきなのでしょうか?

A: 本当にメンタル面の不調が原因であれば、ムリに出勤させるわけにはいきません。
 体調が悪化しないように、可能なレベルで配置転換や仕事の軽減を検討する他、ないでしょうね。
 本人の意向と医師の意見を参考に、対応策を練ることになります。

Q: 極論の質問をしますが、例えば、会社として、休ませる、仕事内容を軽減させるなど、努力をしても、不調を訴え続ける場合は、会社側はその従業員を解雇してもいいものなんですか?

A: う~ん、これは難しい問題ですね。
 このような場合は、まずは休職させることを検討します。
 その次の段階で解雇を検討することになりますが、メンタル面の不調が仕事に起因する場合には、解雇権の濫用として、解雇が認められない場合もあります。
 慎重に対応することが必要です。

Q: 仕事が原因でメンタル面の不調が出た場合には、そのことを理由に、簡単に解雇できないということですね。
 ただ、人はそれぞれ、悩みや不安を抱えていますよね。
 それは仕事だけでなく、人間関係だとか、プライベートなこととか…内面のことですから、何が原因で不調になったのか、判断にこまりますね。

A: そうですね。
 ここはなかなか答えを導きだせない部分でもあります。
 そのため、厚労省は、労災規定に「心理的負荷による精神障害の労災認定基準」を定めました。
 これによると精神障害が業務上の疾病と認められる要件として、
①発病前おおむね6ヶ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること。
② また業務以外の心理負荷や個体側要因、すなわち、該当する従業員固有の事情により発病したとは認められないことが証明されること。
をあげています。

Q: 精神面では、個々に強い人もいれば、弱い人もいますから、同じように仕事をしていても不調を訴える人、そうでない人と別れますよね。
 なかなか難しい問題ですが、もし仕事が原因でメンタル面の病気になり、仕事ができなくなってしまったら…会社はどのような責任を負うことになりますか?

A: 慰謝料などの損害賠償責任を会社が負うこともあると思います。
 従業員に気を使ってばかり…と思うかもしれませんが、会社を支えてくれているのは従業員でもあります。
 そう考えると、メンタル面の配慮も必要だと感じられるはずです。

Q: そうですね。
 ただ、事例があまりないだけに、対応するのに困ることも多々あると思います。
 そんな時は、一人で対応するのではなく、弁護士に相談してみるのもいいかもしれませんね。
 地元広島の山下江法律事務所でも、相談可能です。
 フリーダイヤルをお伝えしておきます。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは 0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 今日は、従業員のメンタル面の会社の責任について、答えていただきました。
 江さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ
「契約は口約束でも大丈夫?」について
2015/4/20 15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

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この記事を書いたプロ

山下江法律事務所 [ホームページ]

弁護士 山下江

広島県広島市中区上八丁堀4-27 上八丁堀ビル703 [地図]
TEL:0120-7834-09

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