コラム

 公開日: 2015-02-10 

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「隣の家からの落雪に迷惑している」

2015/2/2(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「隣の家からの落雪に迷惑している」
損害賠償 相談 広島 弁護士

■隣の家からの落雪に迷惑している

Q: 今月は、特に分野を限らず様々な法律問題について、みなさまから番組に寄せられましたお手紙やメールによるご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今週は、36歳女性の方からのご相談に答えていただきます。

 「私の住んでいる団地は、広島市の北にあたり、先般の雪の際には、見渡す限り真っ白な世界が広がるほどの積雪でした。
 雪が積もると、東側のお隣りのカーポートに積もった雪が我が家の庭に落ちてきて困っています。
 雪が落ちるポイントは家の横になるのでスペースが狭く、エアコンの室外機や倉庫、ゴミ箱を置いている場所。
 日当たりがよくなく、降り積もった雪が解けない上に、カーポートからまとまった雪が大量に落ちてくるので、雪の山ができてしまいます。
 普段使わないスペースなら我慢もできますが、倉庫は開かない、ごみを捨てる時にも、わざわざ雪を掻き退けなければ捨てることもできない状況になります。
 …とここまでは、腹立たしい中にも、いつかは溶けるから…と我慢もできるのですが、先日は子どもがその庭の雪を触っていた時に大量の雪がザザザザーっとすごい音をたてて落ちてきて、もう少しで子どもに命中するところでした。
 この光景を目の当たりにしてから、このまま放っておくわけにはいかないと思い、意を決してお隣の奥さまにそれとなく話をしてみました。
 しかし、「雪ごときでなんでそんなに必死になっているの」とか「雪はそのうち溶けるから」という言葉が出てくるだけ。
 いくら説明してもぬかに釘状態でした。
 確かに、そのうち溶けるものですが、もし子どもがケガをしたら…と考えると、なんとかしておいてもらいたのです。
 ただ、あまりしつこく言ってお隣との仲が悪くなってしまうのは、イヤなのです。
 江先生、このような場合に揉めずに解決できる良い案はないでしょうか?」

というご相談です。
 この冬は、広島市内でも本当によく雪が降りましたからね。
 このようなご近所トラブルも、少なくないかもしれません。

A: そうですね。
 積もった雪が落ちてくるときには、ある程度固まっていることが多いので、直接あたると、ケガをすることもあるでしょうし、モノに当たると壊れてしまう可能性だってあります。
 しかも、このようなトラブルは、多くの場合、今回のご相談のように、ご近所同士で発生しますから、円満に解決できなければ、深刻な問題へと発展してしまいますね。

Q: そうですね、ご相談のメールにもあったように、原因は雪、自然のものですから、どうしようもない、そのうち溶けるから…とつき返されると、それ以上、なかなか意見することも難しいですね。

A: 丸子さん、そこを納得してしまうと、問題は解決しません。
 よく聞く話ですが、「原因が雪だから、損害賠償責任はない」と考えている方も多いようです。
 しかし、必ずしも、そうとは限りません。

Q: というと?

A: 民法717条では、「土地の工作物の設置または保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対して、その損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。」としています。
 一定の物の占有者または所有者は、その物から生じる損害について、特別の責任を負うべきであるという考え方に基づく法律です。

Q: なるほど、この民法が定めている土地の工作物というのに、建物も該当するということですね。

A: そうです。
 この建物の設置、及び保存に瑕疵があり、これによって損害が生じた時は、その建物の占有者、または所有者は、その損害を賠償する義務を負わなければなりません。
 そして、この義務の有無は、本人に過失があったか、故意があったかとは別に、客観的に瑕疵があったか否かで決まると理解されています。

Q: 瑕疵というのは、欠陥という意味でしたよね。

A: はい、そうです。
 今回の場合には、「通常予想される危険に対し、通常備えるべき安全性を欠いていること」をいいます。

Q: わかりやすくなりました。
 ありがとうございます。

A: では、通常予想される危険とは何か、通常備えるべき安全性とは何か、今回の相談内容の、カーポートからの落雪を例にみてみましょう。
 カーポートからの落雪事故で、そのカーポートに瑕疵があったか否かは、その事故が起きた地域やカーポートの材質、屋根部分の角度、カーポートの下に落雪スペースが確保されていたか否か等の要素によって異なります。
 これに伴い、損害賠償義務の有無も異なってくるのが通常です。
 これは雪がよく降る地域とめったに降らない地域で比べると、結果に雲泥の差がでます。
 例えば、周りの家はどこも雪止めをつけていたのに、自分の家は付けていなかったという場合は損害賠償義務を負うケースが多いでしょうね。
 逆に、雪があまり降らず、積もって落ちるということが殆ど想定できない場合などは、損害賠償義務は認められない可能性が高いと言えます。

Q: なるほど、物の瑕疵による損害賠償義務は、その地域の特色や状態により認められたり、認められなかったりするのですね。
 これは一概に言えないので、難しい問題ですね。

A: そうなんですよ。
 なかなか一筋縄ではいかないものなので、デリケートな問題なんです。

Q: では、今回のご相談を解決する場合、今後どのような行動を起こせばいいのでしょう?

A: これまでお話してきたことを踏まえていただいて、とりあえずはお隣さんと話し合いができればいいですね。
 一方的に「困るからなんとかして」というよりも、「こんなことで困っていて、何かあった時には損害賠償義務が発生するかもしれない…。例えば、こんなことができないか。」など、ただクレームを言っている、と感じさせないように、話を持ちかける際にある程度のことは調べてきた。という印象を与えて、和解策を打ち出すのも効果的です。
 しかし、それが難しいという場合には、弁護士に頼ってみていただくのもいいかもしれません。

Q: 江さん、このようなご近所トラブルのような案件も、弁護士に相談することができるのですか?

A: もちろんです。
 弁護士は大きな事件や事故、裁判にかかるような案件でないと相談できない…というイメージがあるかもしれませんが、そうではないんですよ。
 身近に起きた小さな困りごとでも、きちんと向き合い、解決していく仕事なんです。
 ですから、一人で悩まず、気軽に相談していただきたいですね。

Q: これは安心ですね。
 ご近所トラブルは、一度こじれると、その後生活がしにくくなったりしますから、自分ひとりで抱え込まず、まずは弁護士に相談してみるというのも、良い方法かもしれませんね。
 ここで山下江法律事務所のフリーダイヤルをお伝えしておきましょう。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは 0120-7834-09 0120-7834-09 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 今週は、「隣の家からの落雪に迷惑している…」というお悩みについて、江さんに伺いました。
 江さん、ありがとうございました。


■次回のテーマ
「買ったまま登記していなかった土地を別の人に売られてしまった」について
2015/2/16 15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

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