コラム

2014-12-09

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「遺言は詐害行為とならないか?」

2014/12/8(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「遺言は詐害行為とならないか?」
遺言 詐害行為 相談 広島
■遺言は詐害行為とならないか?

Q: 今月は、「相続・遺言」をテーマに、番組に寄せられましたお手紙やメールによるご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今週もよろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: では早速、53歳 女性の方からのご相談を紹介しましょう。

 「江先生・丸子さん、こんにちは。
 先日、広島城周辺のおまつりで、初めて江先生を拝見しました。
 とてもやさしそうな雰囲気で、勝手に親しみを感じています。
 以前から、相続について気になっていたこともあったので、この機会に相談させてもらえたら…とメールを送りました。
 私の夫には、3つ違いの弟がいるのですが、この弟に借金があることが、先日判明しました。
 その金額が聞いてビックリの5千万。
 何にそんなに使ったのかわかりませんが、親族である限り、知らん振りはできず、嫁である義妹にこっそり話をしてみました。
 義妹曰く「借金はすぐには返せないかもしれないけど、いずれは遺産が入ってくるだろうし、そんなに切羽詰って心配はしていない。」とのこと。
 本人たちがそんな風なので、ますます私がやきもきし始めています。
 というのも、現在80歳の義父がいるのですが、義父の財産は、先祖代々引き継いできた自宅しかないと聞いています。
 時価としては8000万くらいだと。
 心配なのは、もし万が一、義父が亡くなり相続をすることになった時、義弟が相続財産の一部を取得すると、先祖代々の自宅を債権者に取られてしまうのではないかということです。
 せっかく父が守ってきた不動産を、借金返済の為に手放さなくてはいけなくなるのは我慢できないのです。
 私は嫁の立場である以上、遺産について自分から意見を言うのもいかがなものかと、躊躇しています。
 先生、義父が健在の今のうちに、何か手を打っておくことはできないものでしょうか?
 教えてください。」

というご相談です。
 あ~、嫁という立場だけに、自分から言い出せないこの方の気持ち、よくわかります!
 江さん、この借金を抱えている弟夫婦は、密かに遺産をあてにしていますね。

A: そうですね。
 遺産が預貯金であれば、相続人となる人数で分割してしまえばいいのですが、この方のように不動産しか遺産がないという場合には、簡単ではありませんね。
 不動産の場合のまま、分割しようとする場合、面積で仲良く半分ずつ…という分け方ではなく、「1/2ずつ共有する」という状態になります。
 ですからこの共有では、いざ、土地や建物を売却したりする場合に、全員の同意が必要になるなどの制限がかかってしまうのが現状です。

Q: そうなんですか。
 不動産の相続は、分割というよりも、共有という風に考えるんですね。
 ただ、共有していれば、半分しか権利を持っていない弟さんが、それを借金返済に充てようとしても、自分勝手にはできないということですよね。

A: いやいや、その権利、「共有持ち分」というのですが、これを第三者に売ってしまうということも考えられないことではありません。
 そしてそれを取得した第三者は、共有物分割の訴えを起こすことも考えられます。
 この場合、家を守ろうとすると、価額の半分を第三者に支払う必要も出てきます。
 また、債権者に対して、その持ち分に抵当権などを設定してしまうかも知れません。

Q: そうなるとやはり安心はできませんね。

A: そのとおりです。
 養父が亡くなられたときの不動産の相続は、遺産分割協議で誰か一人が相続することが望ましいと思います。
 共有のままで放置すると、いざ土地を活用しようとした時に思わぬトラブルに繋がっていくというケースも珍しくありません。

Q: とはいえ、相談者のように不動産しか遺産がないとなると…どうしたらいいのでしょう?

A: いろいろとやり方は考えられますが、例えばその中のひとつとして、お父様に遺言を書いていただくという方法があります。
 弟さんの状況をお話されて、まずは遺言に、相談者のだんなさんである長男が、お父様の全財産を取得するように書いてもらうのです。

Q: なるほど。
 しかし、後々になって、借金から逃れるための処置だったことがわかると訴えられたりしませんか?

A: 大丈夫です。
 お父様が遺言して財産の全てを、ひとりの相続人に取得させることが、債権者を害する行為、これを詐害行為といいますが、これに当たるのではないかと思われがちですが、親は、子の債権者とは、関係がありませんし、ご自分の財産を自由に処分できますから、詐害行為とはなりません。

Q: 詐害行為…ですか?
 これは、どんな行為のことを言うのですか?

A: 詐欺の詐という字に、被害の害と書いてさがいと読みますが、詐害行為とは、借金をした人が、故意に自己の財産を減少させ、債権者が十分な弁済を受けられないようにする行為のことを言います。
 今回の場合ですと、いつかは入ってくるだろう遺産を、入ってこないようにする…これが、詐害行為に当てはまるか?どうかということで問題となります。
 が、今回は債権者と無関係のお父様が、自分の財産をどのように処分するかという問題ですので、これは、詐害行為にならない。ということです。

Q: よくわかりました。
 しかし江さん、その場合、詐害行為には当たらないとしても、弟さんには最低限相続できる取り分、遺留分というものがありますよね?
 その遺留分について、債権者が返済を主張してくることはないのでしょうか?

A: 丸子さん、随分、法律に詳しくなりましたね。
 そう、その、遺言によって相続する財産がない相続人でも、血が繋がっているということだけで取得出来る権利があり、それを遺留分といいます。
 相続人には、民法で定められた一定の取り分を受け取る権利が発生します。
 しかし、これを行使するか否かは、弟さんの自由であり、債権者は、その意思決定に介入はできません。
 ですから、遺留分は、債権者が遺留分権利者に代わって取り戻すことはできません。

Q: この方法によれば、お父様の自宅が人の手に渡ることは避けられそうですね。
 ただ、こんなことは起こってはならないのですが、もし、遺言書ができる前にお父様が亡くなられた…場合は、どうすれば良いですか?

A: 弟さんには、相続放棄をしてもらえば良いと思います。
 そうすれば、とりあえず、お父様の全ての遺産は、長男に相続されますので、弟さんの手元に遺産が入ることはありません。
 ただ、相続放棄をする場合、原則としてお父様が亡くなられて3ヶ月以内に家庭裁判所へ申し立てなければなりませんので、期限に気をつけてください。

Q: 今回のご相談のように、相続に関する悩みや不安は、人それぞれ。
 どうぞ一人で悩まず、解決のプロに相談されることをお勧めします。
 地元広島の山下江法律事務所、フリーダイヤルをお伝えしておきましょうね。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは、0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 今日は、遺産を債権者に取られないアドバイスを、江さんにいただきました。
 江さん、ありがとうございました。


■次回のテーマ
「相続放棄後の債権回収方法は?」について
2014/12/15 15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

■山下江法律事務所HP「初めての相続」

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