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コラム
公開日: 2014-10-28
広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「自己破産するとブラックリストに載りますか?」
2014/10/20(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「自己破産するとブラックリストに載りますか?」
■自己破産するとブラックリストに載りますか?
Q: 今回も、番組に寄せられましたお手紙やメールによるご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
江さん、今日も、よろしくお願いします。
A: はい、よろしくお願いします。
Q: 今日は、30歳、男性からのご相談です。
「江さん、丸子さんはじめまして。
ブラックリストについてお尋ねします。
私は、学生の頃からギャンブルや、遊びに使うお金が足りないとカードローンを使っておりました。
当初は必要なとき借りて、仕送りや給料日の入金があるとすぐ返していましたが、段々返済が遅れるようになり、その返済にまた別のカードローンを使ったりして、気付けばかなりの額に借金が膨らんでしまいました。
友達から自己破産する方法があると聞きましたが、自己破産するとブラックリストに載るのではとの心配もあります。
どうしたらいいのでしょう?」
という相談が来ています。
江さん、ブラックリストというお話は私も聞いたことがありますね。
はっきりとはわからないですけど。
A: はい、「ブラックリスト」ということですが、「ブラックリスト」とは、一般的に『要注意人物を書いたリスト』として認識されています。
銀行や、ローン会社等がお金を貸す時に、個人信用情報機関でブラックリストをチェックする!そんなイメージがあるようです。
ただ、具体的にブラックリストというものがあるわけではなく、いわゆる民間の信用情報機関に登録されている債務者の借入・返済履歴のうち、「事故情報」と呼ばれる返済滞納などの記録に登録されることを「ブラックリストに載る」ということなのだろうと思います。
Q: ということは、ブラックリストというものはないと。
A: そういうことです。
ただ通称で、
・返済に滞りの無い通常の情報を「ホワイト情報」、
・返済が滞った事故情報を「ブラック情報」
と言うことから、ブラック情報が個人信用情報機関に登録されたことを、「ブラックリストに載った」という言い方をされているようですね。
ただ、ブラックリストはないですけど、いわゆる「事故情報」というものは記録されています。
Q: 「事故情報」ですか?
A: そうですね。
順を追って説明しましょうか。
例えば、ローンを組んだり、クレジットカードを作ったりすると、その顧客情報は「信用情報機関」に登録されます。
「信用情報機関」は、信用情報の収集及び加盟団体への情報提供を行っております。
銀行やクレジットカード会社、消費者金融等、銀行業や貸金業を営む会社は、例えば銀行の場合であれば、全国銀行協会というように各々業界団体を組織しています。
「信用情報機関」は、それらの業界団体が母体となって運営されているんです。
たとえば、あなたがクレジットカードA社と新規契約や取引をした際、A社は加盟している「信用情報機関」にあなたの名前などの個人情報、借入情報などの情報を登録します。
もし、あなたが情報登録に関して同意した覚えがなかったとしたら、クレジットやローンの申込書や契約書をもう一度確認してみてください。
個人情報に関する同意条項を記載した書類等があるはずです。
Q: 個人情報に関する同意条項を記載した書類ですか。
A: そうです。
その書類には、申込者(契約者)の金融取引に関する個人信用情報が、個人信用情報機関に登録されること。
登録された個人信用情報が、個人信用情報機関の加盟会員および当該機関と提携する個人信用情報機関の加盟会員によって、申込者(契約者)の支払能力に関する調査のために利用されること。などが記載されています。
Q: 要するに、カードなどを作ったときに、本人が同意して信用情報機関に情報が登録されているということですね。
その支払いが遅延した場合には、その情報も記録されているということなんでしょうか。
A: はい、それが先ほど申しました「事故情報」なんです。
個人信用情報機関によって、多少の情報の違いがありますが、いわゆる「事故情報」と言われるものとは、支払いが延滞した、遅れた時から、それがどうなったかという全ての情報を指します。
延滞発生から、その後どうなったか。
つまり、どれくらい長期に延滞したかとか、延滞後入金はいつあったかとか、延滞回収の有無などが記録されているわけです。
Q: それが、いわゆる「ブラックリストに載っている」という状況をさしているんですね。
A: ですから、自己破産をすれば当然「ブラックリストに載る」ということです。
しかし、いわゆる「ブラックリストに載る」状態になっても、普通に生活している分には全く影響はありません。
影響してくる点といえば、
「クレジットカードがしばらくの間、作れない」
「ローンがしばらくできなくなる」という2点です。
これを、つらいことと考えるのではなく、再び借金で苦しむことがない。と前向きに捉えていけば、むしろ、好都合なこととも言えます。
また、「ブラックリストに載る」といっても、その情報は一生続く訳ではありません。
返済の延滞などの事故のあった日から5年~7年以内の記録が載ることになっていますから、期間を過ぎると、記録は自動的に消去されます。
Q: 5年から7年すれば記録が消滅するのであれば、そんなに重大に考えなくてもいいのですか?
A: ただ、気をつけておかなければならないこともあります。
それは、闇金融などは、あえてブラックリストに載ったことのある個人を狙って、融資を持ちかけ、再び借金地獄に陥る…というケースも実際にはありますので、ブラック情報は、いつかは消滅するから、と安易に考えてはいけません。
Q: 自分の情報が、どのように掲載されているのか調べることは出来るのですか?
A: そうですね。
個人情報はそれぞれの情報機関に郵送で申し込めば回答を頂けます。
金融系の信用情報機関は大きく分けて5つほどあります。
銀行系の「全国銀行個人信用情報センター(全銀協)」、クレジット系の「CIC」、消費者金融系の「全国信用情報センター(全情連)」、業界横断型の「テラネット」、独立系の「CBC」の5つですが、そこへ直接問い合わせれば、郵送料金プラス500円から1000円ほどで、可能なようです。
いずれの信用情報機関も、申し込みの際は、本人確認のための身分証提示と申込書の提出が必要になりますが、一度自分の信用情報を閲覧してみるといいかもしれませんね。
余計な不安を払拭できますし、登録に誤りがあれば修正を求めることも出来ます。
ブラックリストに載ることを恐れるのではなく、借金を整理、清算して、新たな経済生活のスタートを切ることをおすすめします。
Q:なるほど。
よくわかりました。
債務整理でお困りになったときは、一人で悩まず 法律の専門家である弁護士に相談したほうがよろしいですよね。
地元広島の山下江法律事務所に、まずはご相談されてみてはいかがでしょうか?
フリーダイヤルをお伝えしておきます。
山下江法律事務所フリーダイヤルは 0120-7834-09 0120-7834-09 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
今日は、「自己破産するとブラックリストに載りますか」というお問い合わせについて、法律の専門家のお立場から詳しく教えていただきました。
江さん、今日もありがとうございました。
■次回のテーマ
「アパートの部屋の一部損壊と家賃」について
2014/11/3 15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)
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