コラム

 公開日: 2014-09-02 

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「袋地(ふくろち)への通行を妨害されている」

2014/9/1(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「袋地(ふくろち)への通行を妨害されている」
FMちゅーピー 山下江

■袋地(ふくろち)への通行を妨害されている

Q: 今日も番組に寄せられましたお手紙やメールによるご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 63歳男性の方から、このようなメールが来ましたので紹介します。

 「私は、十年くらい前に、広島市内に土地を購入しました。
 その土地はぐるりと周囲を他人の土地に囲まれ、公道に通じていない、いわゆる「袋地」と言われる土地で、その敷地から外へ出るためには、必ずその土地を売ってくれた先の方の土地を通らなければ、敷地の外に出られません。
 最近、相手の所有するその土地内の通路にいろんなものが置かれるようになり、通行の邪魔になっています。
 何とかならないでしょうか?」

という内容です。
 四方をぐるりと他人の土地に囲まれているということは、どうしても外へ出ていくためには他人の土地を通らなければならないですからね。
 その通路にしているところにいろんなものを置かれると、通ることができないですよね。
 そもそもこの土地を売買するときお互いに判っていたのではないでしょうか。
 江さん、こういうケースでは法律で助けていただくことはできるのでしょうか?

A: そうですね。
 丸子さんの言うように相談の男性も、土地の持ち主も、この土地の売買が成立した時には、当然この土地がいわゆる「袋地」であることを理解した上での売買だったわけですからね。
 ただ10年という歳月がたって、なぜか問題が生じてしまったわけですね。
 法律では、四方を他の土地に囲まれて公道に通じてない、いわゆる「袋地」の所有者には、その土地を囲んでいる他の所有者の土地、これを囲繞地(いにょうち)といいますが、そこを通行する権利を認めています。
 民法210条第1項に定める『囲繞地通行権』です。

Q: 『囲繞地(いにょうち)通行権』ですか。
 難しい言葉が出ましたが・・・。

A: そうですね。
 囲繞地という用語が不動産業界の専門用語で、ラジオをお聞きの皆さんには耳慣れない言葉だと思うのですが、まあ言い換えれば「その土地を囲んでいる他の土地」ということでしょうか。
 すなわち『囲繞地通行権』とは、周囲をぐるりと囲まれた土地から、公道に出るために「その土地を囲んでいるほかの土地」を通行する権利で、これが法律的に認められているということですね。

Q: なるほど、よくわかりました。
 では、この相談の方は、権利として他人の土地であっても、そこを通って公道に出ることができるんですね。

A: そうですね。
 囲繞地の所有者が、通行を許可するか否かにかかわらず、認められている権利です。
 但し、権利があるから囲繞地のどこでも通っていいのかということではありません。
 民法211条第1項には、「通行の場所及び方法は通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない」としています。
 例えば、囲繞地のうち他人の家の敷地部分を横切った方が早く公道に出ることができたとしても、他の使用されてない土地を通れば、公道に出ることができるのならば、そこを通ることになるでしょうね。

Q: 公道に出るための通路を、あらかじめ決めて作っておくこともできるのですか?

A: はい、通路を開設することも民法は認めています。
 但し、民法212条には、その囲繞地を通行することで所有者に対して与える損害に対して償金を支払わなければならないとしています。
 分かりやすく言えば原則として「通行料」を支払う必要があるということです。

Q: なるほど、他人の土地を通行するのだから通行料が必要というわけですね。

A: はい、そういうことです。

Q: ところで、通路を開設できるとしたら、どの程度の幅の通路を作ることができるのでしょうか?

A: そうですね。
 この点について、法律は明確に規定しておりませんが、まあ当然人が歩いて通ることのできる1メートル程度の幅は認められるでしょう。

Q: この相談者の方の場合は、そもそも土地を購入するときに、土地登記簿に通行できるという権利をきちんと明記しておくことができなかったんでしょうか?

A: そうですね。
 ご相談のメールを見る限りでは、詳しいことはわかりませんが、土地の購入時に通路として使う土地に対し、『通行地役権(つうこうちえきけん)』の設定登記をしておけばよかったですね。

Q: 『通行地役権』ですか?

A: はい、公道に出るための通行すべき土地の「地役権(ちえきけん)」、すなわち土地を通行用に使う権利ですが、こうした権利を使用料を明記して設定するということです。
 そうすることで、もし仮に今の周囲の土地を持っている所有者が、第三者に土地を売却したとしても、今までと同様に、新しい所有者にも「通行地役権」を主張することができるのです。

Q: なるほど確かにそうされていれば、今回のトラブルはなかったでしょうね。
 相談の方は今更「通行地役権」の設定は出来ないのでしょうか?

A: 先ほどもありましたが、そもそも、この土地売買の時に、相手方の土地の一部を土地の購入者が公道へ出るために通行することは、売買する土地の区画を設定するときに当然前提となっているはずです。
 ですから、敢えて土地売買の時に明確な契約をしなくても、そのような契約があったとみるのが、当事者の合理的な意思だと考えられます。
 裁判例でもこうした場合には「黙示の合意」、すなわち明確な文章は残されていないが、お互いが承知していたものとして地役権設定の登記を認めています。
 このご相談のケースでもまず相手方に「通行地役権」の設定を求め、もし相手方がそれに応じてくれない場合には、裁判を提起し、判決に基づいて登記をすることになりますね。

Q: なるほど。よくわかりました。
 どうぞ、ひとりで悩まず、地元広島の山下江法律事務所に、まずはご相談されてみてはいかがでしょうか?
 フリーダイヤルをお伝えしておきます。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは 0120-7834-09 0120-7834-09
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 今日は、「袋地の通行が妨害されている」というお悩みの方からの質問について、法律の専門家のお立場から詳しく教えていただきました。
 江さん、ありがとうございました。


■次回のテーマ
「未成年者の後見人はどのように決める?」について
2014/9/8 15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

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この記事を書いたプロ

山下江法律事務所 [ホームページ]

弁護士 山下江

広島県広島市中区上八丁堀4-27 上八丁堀ビル703 [地図]
TEL:0120-7834-09

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