コラム

 公開日: 2014-08-05 

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「議会でのセクハラ発言に法的追及はできるか」

2014/8/5(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「議会でのセクハラ発言に法的追及はできるか」
議会 セクハラ


■議会でのセクハラ発言に法的追及はできるか

Q: 今月は、「男女の問題・離婚について」などをテーマに、番組に寄せられましたお手紙やメールによるご相談に、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: そんな中、35歳男性の方から、次のようなメールが来ましたので紹介します。

 「山下江様
 いつもわかりやすくためになるお話を聴かせていただき、ありがとうございます。
 私自身の法律相談というわけではないのですが、最近の時事問題で気になることがあったのでメールしました。
 東京都の議会で大変ひどい内容のヤジをとばして問題になっていたニュースがありましたよね。
 僕は学生時代、先生から「議会での発言で議員が名誉毀損などに問われることはない」と教わったことがあるのですが、これは民事・刑事ともに法律的に正しい情報なのでしょうか?
 また、もしそれが正しいとしたらヤジについてはどうなのでしょうか?
 よろしくお願いします。」

という内容です。
 江さん、どのようになるのか、教えて下さい。

A: はい、相談者の方が先生から教わった内容は、いわゆる「議員の免責特権」の話しと思われます。
 まず、その議員の免責特権についてご説明しましょう。
 憲法51条にこのような条文があります。
 「両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問われない。」
 これは、衆議院・参議院の両院の国会議員については、議院での演説や討論などについて、院外で責任を問われない、すなわち、演説や討論が違法な内容であっても、民事上や刑事上の法的責任を問われることは無い。責任が免除される特権ですので、これを免責特権と言っているのです。
 例えば、ある議員が議会において他の議員の名誉を毀損するような発言を行ったとしても、名誉毀損罪で処罰されることはないということです。
 こうした免責特権は、公権力の介入により議員活動を萎縮させないことを目的としています。

Q: なるほど、「免責特権」ですか。よく分かりました。

A: ひとつ注意して言いますと、この免責特権は、あくまでも「院外で責任を問われない」ということであり、院内では責任が発生することがあります。
 国会法119条には「各議院において、無礼の言を用い、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。」とあり、これに該当した場合には、議院内において懲罰にかかることになります。

Q: なるほど、院外では責任を問われないが、院内では責任が発生することがあるのですね。
 国会議員の院内での発言・討論に関しての法律はわかりました。
 そうすると、国会議院の場合にはセクハラやじについては、院外での責任、すなわち、民事上刑事上の責任は問えないと言うことになるのですか?

A: これについては、問えるという見解と問えないという見解の両方がありますが、多数説は、やじ(不規則発言)は、憲法が規定する演説、討論には該当せず、免責特権の対象外だ、すなわち、民事上・刑事上の責任を問うことはできるというものです。

Q: そうですよね。
 セクハラやじは、いくら国会議員の院内での発言が自由と言っても政治的なまじめな議論とは無関係ですからね。

A: はい、そういうことだとぼくも思います。

Q: ご相談者の対象となっている都議会でのセクハラやじについても同様に考えて良いのでしょうか。

A: はい、その点について、説明しましょう。
 今回のセクハラやじの内容ですが、女性議員の発言中に、他の男性議員が「早く結婚しろ」「産めないのか?」などとやじを飛ばしたというものです。

Q: そうでしたね。
 どういうことになりますか。

A: まず、これは国会ではなく都議会という地方議会での話しです。
 地方議員についても国会議員と同様に免責特権が及ぶかというと、及ばないというのが多数説です。
 憲法はあくまでも国会議員について定めたものだからです。

Q: なるほど、国会議員と地方議員では違うのですね。

A: はい、そういうことです。 
 仮に、免責特権が地方議員に及ぶという少数説に立ったとしても、セクハラやじについては、免責特権の対象外ということになるように思います。

Q: では、今回の都議会の議員のセクハラやじについては、法的責任追及ができることになるのですね。

A: はい、そう思います。

Q: 法的責任の内容ですが、具体的には、どういうことになりますか?

A: はい、刑事責任としては、発言者を名誉毀損罪ないし侮辱罪で告訴することができることになります。
 民事責任としては、不法行為に基づく損害賠償請求権の行使が可能です。
 慰謝料請求ですね。

Q: いろいろできるのですね。
 江さんは、どうすべきと思われますか。

A: 私は、被害に遭われた議員に方には、キチンとこうした法的な対応をしてもらいたいと思いますね。
 都議会では他のヤジ発言者の特定やセクハラやじ議員の辞職を求める決議案も否決されたとのことですから。
 きちんと法的な対応をすることが女性差別やセクハラやじの根絶に繋がると思います。

Q: そうですね。
 女性の立場からも頑張ってもらいたいと思います。

A: こうしたセクハラやじがまかり通るようでは、女性の社会進出の推進、男女共同参画社会の実現は、ほど遠いこととなります。
 女性が働きながら育児が出来るような社会、男性も育児に積極的に参加する社会を作る必要があると思います。

Q: ところで、江さんは、広島県が進める「イクメン企業同盟ひろしま」に参加されていると聞いていますが・・・

A: はい、そうです。
 広島県においてイクメンの輪を広げ、女性が働きやすい職場を広げていこうということです。
 これは経営者の同盟ですが、この放送を聞かれている経営者がおりましたら、是非参加していただきたいですね。

Q: それにしても、江さん、このセクハラやじやこの間の政務費不正疑惑の泣きじゃくる県会議員の記者会見といい、情けないですね。
 どう思われますか。

A: 議員の中にこのような方がいらっしゃることは本当に残念ですね。
 選挙によって選ばれる議員ですから、その政治的見解だけでなくその人柄などをよく観察して投票するようにしたいですね。

Q: 本当ですよね。
 選挙ではキチンとした人を議員に選びたいですね。
 今日は、セクハラやじと免責特権について、そして、男女共同参画社会などについて、江さんに伺いました。
 男女トラブル、離婚問題など、どうぞ、ひとりで悩まず、地元広島の山下江法律事務所に、まずはご相談されてみてはいかがでしょうか?
 フリーダイヤルをお伝えしておきます。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは 0120-7834-09 0120-7834-09 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 江さん、ありがとうございました。


■次回のテーマ
「家に金を入れない夫と離婚できるか」について
2014/8/11 15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

■山下江法律事務所 「事務所紹介」について

■バックナンバー(その他)
「身元保証人の責任は?」 2014/5/19OA
「高額の違約金を請求されている。」 2014/5/12OA
「内縁関係について」 2014/5/5OA
「内定取消は違法ですか?」 2014/4/7OA
「境界をはっきりさせたい」 2013/8/26OA
「頼まれて預かった子どもがケガ」 2013/8/19OA
「子どもが親のカードでネットショッピング」  2013/8/12OA
「教えて!裁判の傍聴の方法」 2013/1/28OA
「職場のタバコの煙…どうにかして欲しい」 2013/1/14OA
「連帯保証人を頼まれ、困っている」 2013/1/7OA
「自転車事故でもめている」 2013/1/4OA
「井戸端会議って、罪になる?」 2012/8/27OA
「家の修繕のため隣地を使用したいが…」 2012/8/20OA
「子どもがショッピングモールの遊び場でケガをした…」 2012/8/13OA
「いじめに対する学校の責任は?」 2012/8/6OA
「自宅前のゴミ集積場、何とかならない?」 2012/6/25OA
「車屋から高額の違約金を請求された」 2012/6/18OA
「画数が悪いので、子どもの名前を変えたい」 2012/6/11OA
「子どもが先生に殴られケガをした」 2012/6/4OA
「預金通帳が盗まれたときの対処は」 2011/12/26OA
「公園の遊具で子どもが大ケガ」 2011/12/19OA
「共有物の分割の仕方は?」 2011/12/12OA
「弁護士と司法書士って何がちがうの?」 2011/7/25OA
「認知症になった父が女性に金を・・・」 2011/7/18OA
「愛犬が他人の飼い犬にかみついた」 2011/7/11OA
「契約書なしで貸した金は返してもらえるか」 2011/7/4OA
「スーパーの床が濡れていて滑って右腕を骨折した」 2011/6/27OA
「裁判をせずに早期解決したい」 2011/6/6OA

この記事を書いたプロ

山下江法律事務所 [ホームページ]

弁護士 山下江

広島県広島市中区上八丁堀4-27 上八丁堀ビル703 [地図]
TEL:0120-7834-09

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

2

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
お客様の声

交通事故の解決事例をマンガで紹介しています山下江法律事務所 交通事故専門サイトトップページ ↓↓↓http://www.hiroshima-jiko.com/■その他の事例もご参照くだ...

相談料

無料相談について、詳しくはこちら↓をご覧下さい。■交通事故専門サイト■借金問題専門サイト相談予約専用フリーダイヤル0120-783409 (なやみよま...

 
このプロの紹介記事
山下江 やましたこう

依頼者に笑顔になってもらうために、全力を尽くします。(1/3)

 ドアを開けると、ずらりとスタッフの並ぶカウンター。案内された部屋で待っていたのは穏やかに微笑む山下江さん。まるで大病院の受付みたいですねと感想を伝えると、「そうですか? ハハハハ」と楽しげに笑う山下さん。山下江事務所は、弁護士15人・秘...

山下江プロに相談してみよう!

中国新聞社 マイベストプロ

「親切な相談」「適切な解決」これが私たちのモットーです。

事務所名 : 山下江法律事務所
住所 : 広島県広島市中区上八丁堀4-27 上八丁堀ビル703 [地図]
TEL : 0120-7834-09

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

0120-7834-09

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

山下江(やましたこう)

山下江法律事務所

アクセスマップ

プロのおすすめコラム
相続アドバイザーの「相続税対策だけが相続対策ではない理由」ほか
イメージ

 相続税対策だけが相続対策ではない理由 さて、今日のお話。相続対策って、特に相続税対策が必要な方は熱心...

[ 相続アドバイザー ]

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「カープ優勝で拒否しているのに胴上げされた」
イメージ

2016/12/5(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、OA内容をお届...

[ 法律相談 ]

広島の弁護士・江さんの『「karoshi」が国際共通語に。不名誉! 』ほか
イメージ

 「karoshi」が国際共通語に。不名誉!  11月29日付け中国新聞セレクト版によると、大変不名誉なこ...

[ ブログ ]

広島の弁護士・江さんのお知らせ「空き家、相続・贈与税対策 無料セミナー」
イメージ

専門家が教える<不動産>のアレコレが満載!マエダハウジング不動産と山下江法律事務所が共同開催する、今年...

[ お知らせ ]

広島の弁護士・江さんの『「卍(まんじ)じゃね」 ?!?!』ほか
イメージ

 「卍(まんじ)じゃね」 ?!?! 昨日(30日)朝の「めざましテレビ」(フジテレビ)で、女子高生流行語...

[ ブログ ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ