コラム

2014-04-08

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「内定取消は違法ですか?」

広島 山下江法律事務所
2014/4/7(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「内定取消は違法ですか?」
内定取消 違法 相談 広島

■内定取消は違法ですか?

Q: 今月は、企業法務に関する経営者からの相談を取り上げています。
 そんな中、このようなメールが来ましたので紹介します。
 今日は58歳男性からのご相談です。

 「私は、20年にわたり電気工事関係の会社を営んでいます。
 従業員は約50人の中くらいの大きさの会社です。
 昨年10月、この4月採用予定で、高卒1名と大卒1名の新入社員の内定を決定していました。
 しかし、その後、大卒1名の内定者が、どうも粗暴だといううわさを聞きました。
 このような人にうちの会社に来てもらうと会社も迷惑なので、内定を取り消したい旨の電話を入れたところ、面接時の柔らかな対応とはまったく異なり、「なに~」「お前~」とか言ってきました。
 はやり、うわさは本当のようでした。
 内定を取り消したいのですが、その内定者は、それは法律違反だ約束違反だと言い張ります。
 こうした場合の内定取消は、違法になるのでしょうか」

という内容です。
 江さん、内定取消は違法かということですが、どうでしょうか。
 今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。
 う~ん、これは困ったことになりましたね。
 慎重な検討が必要となります。
 まず、内定とはどういうことかを説明しましょう。
 「内定」という言葉のニュアンス、すなわち、何となく内々の決定であり、まだ正式決定では無いので、企業側が割と自由に内定取消ができるかのようなイメージを受けるかも知れませんが、それはまったくの誤解です。
 「内定」は、企業と労働者(内定者)との間の正式な契約の成立を意味しています。

Q: え~、そうなんですか。
 内定だから、まだ正式決定では無いと思っていました。
 内定と言えど、正式な契約の成立ということですね。

A: はい、そういうことです。
 その契約の成立・・、ここでは、労働契約の成立ですが、そのことについて説明しましょう。
 契約というのは、申込みと承諾により意思が合致して成立します。
 内定の場合に、契約成立はどういうことでそうなるか、というと・・・・、学生の応募又は採用試験の受験が契約「申込み」となり、会社側からの内定通知が「承諾」になる。
 こうして申込みと承諾という意思が合致するので、それにより、労働契約が成立するということになるのです。
 ただし、この労働契約は、解約権留保付き、そして、就労始期付ということではありますが・・・

Q: うっん!?
 「解約権留保付き」「就労始期付き」ですか・・・

A: はい、まず説明が簡単な「就労始期付き」ですが、これは、例えば、来年の4月1日からというように、就労を開始する日が決められていることです。
 次に、「解約権留保付き」ですが、採用内定通知書または誓約書に記載されている内定取消事由が生じたときは、会社は内定を取り消すことができるということ。
 そういう解約する権利が会社に留保されている契約ということです。
 そして、ここにいう「内定取消事由」ですが、典型的なものとしては、内定者が予定通り卒業できないことですかね。
 内定取消の適法性の判断基準ですが、取消事由が「客観的に合理的で社会通念上相当」として是認出来るか否かということです。
 もっと分かりやすく言えば、内定取消は労働契約の解除となるわけですから、現に働いている労働者を解雇できるかという場合と、ほぼ同様の判断基準となるということです。
 注意しなければならないのは、入所誓約書記載の内定取消事由に該当しても、それが「客観的に合理的で社会通念上相当」でなければ、取消が適法とならない場合もありうる、ということです。

Q: 厳しいですね。
 内定取消事由が認められる場合というのは、どのような例がありますか。

A: 内定時に申告していた経歴や学歴の重要部分について虚偽があったことが判明した場合とか病気や怪我により正常な勤務ができなくなった場合、それから、これは会社側の事情ですが、内定時には予測できなかった不況の深刻化で会社が人員計画を大幅に変更せざるを得ず中高年の管理職にも辞めてもらわなければならなくなったような場合ですかね。

Q: なるほど、いろいろありますね。
 ところで、ご相談者の場合のように、内定後、内定者が粗暴であることが分かったような場合は、どうなるのでしょうか。

A: これは、微妙ですね。
 すなわち、「粗暴」ということの程度がどうかによると思います。
 例えば、暴力事件を起こしたりしたような場合だと内定取消は適法になる可能性が高いと思いますが、単に態度が粗暴というだけでは、内定取消は違法となる可能性があると思います。

Q: 単に粗暴ということで、内定取消はできないということですかね。

A: はい、そういうことですね。
 やはり、内定者には、就労、イコール、賃金、イコール、生活がかかっています。
 経営者の安易な判断によりそれを奪うことはできないということです。
 ですから、経営者としては、内定通知を出す際には、一旦通知を出すと容易には取消が出来なくなるので、慎重な判断をするように心がけることです。

Q: そうですね。
 慎重に検討した上で、内定通知を出す必要があるのですね。
 ところで、内定を受けた学生側は、内定後に内定辞退は出来ないのでしょうか。

A: 内定者側からは、原則として、2週間の予告期間をおくことにより自由に内定辞退ができます。
 民法627条1項には、雇用について、「解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する」と規定されているからです。
 ただ、突然の、信義則に反するような内定辞退により会社に損害を与えたようなときは、会社から損害賠償請求を受ける可能性がありますので、注意が必要です。

Q: まとめると・・・会社側は簡単には内定取消はできないが、学生、内定者の側は、2週間の予告期間をおけば自由に内定辞退ができる、ということですね。

A: はい、そういうことです。

Q: よく分かりました。
 どうぞ、ひとりで悩まず、地元広島の山下江法律事務所に、まずはご相談されてみてはいかがでしょうか?
 フリーダイヤルをお伝えしておきます。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは 0120-7834-09 0120-7834-09 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 今日は、内定取消、内定辞退について、江さんに教えていただきました。


■次回のテーマ
「従業員を解雇したいが。」について
2014/4/14 15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

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