コラム

2014-02-25

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「夫の同性愛は不貞行為になりますか」

広島 山下江法律事務所
2014/2/24(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「夫の同性愛は不貞行為になりますか」
不貞行為 相談 広島

■夫の同性愛は不貞行為になりますか

Q: 今月は、離婚・男女トラブルについての相談を取り上げています。
 そんな中、このようなメールが来ましたので紹介します。

 「6歳年上の夫と結婚して3年になります。
 私との間では、ほとんどセックスレスと言ってよい状況です。
 それに、最近、夫の不審な行動をときどき感じることがあるので、浮気をしているのではないかと思い、探偵社に調べてもらいました。
 探偵社からの報告によれば、確かに浮気をしているようなのです。
 が、その相手は女性ではなく男性であることが分かりました。
 夫が男性と性的関係を持っていることを想像すると、ゾッとしてしまいます。
 以前、この番組で、不貞行為が離婚原因になると聞いたことがありますが、夫のような同性との性的関係も不貞行為となるのでしょうか?
 江さん、教えて下さい。」

という内容です。
 江さん、同性愛が不貞行為になるのかというご質問のようです。
 今日も、よろしくお願いします。

A: よろしくお願いします。
 さっそく、ご質問の件ですが。結論から申し上げますと、同性愛は不貞行為にはなりません。

Q: えっ、不貞行為ではないのですか?
 でも、もし私の夫がそうだったら、私は気持ち悪いし、耐えられるかどうか・・

A: まず、「不貞行為」の定義から説明しましょう。
 「不貞行為」とは、配偶者のあるものが自由な意思に基づいて、配偶者以外の異性と性的関係を持つことです。
 もう少し説明すると、日本の現在の婚姻制度は、一夫一婦制をとっております。
 すなわち、結婚は、1人の男性と1人の女性との性的結合による人格的な共同生活関係とされており、ここからお互いに貞操を守る義務があるとされているわけです。
 そして、その貞操は異性との関係が想定されているのです。
 ですから、貞操義務に違反する不貞行為は、あくまで異性との関係ということになり、同性愛というのは、異性との関係ではないので、「不貞行為」にはならない、ということになります。

Q: では、夫が同性愛に走ったとしても、不貞行為にはならないから、離婚することはできない、ということでしょうか?

A: そこは、ちょっと違うのですね。

Q: はあ、どういうことでしょう。

A: 前の番組でも紹介しましたように、法律の定める離婚原因は、全部で5つありましたよね。
 第1が不貞行為ですが、第2に悪意の遺棄、第3が3年以上の生死不明、第4が強度の精神病、そして、第5がその他婚姻を継続しがたい重大な事由です。
 このうち、夫の同性との性的関係は、第5の「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」となる可能性があるということです。

Q: なるほど、配偶者の同性愛は「不貞行為」にはならないが、「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当する可能性はあるということですね。
 この理由で離婚できる可能性もあるということですね。安心しました。

A: はい、結婚や性的な関係についての考え方は、人それぞれであり、当事者同士がとくに問題が無ければ、それで良いわけです。
 また、法的な判断も、時代の価値観の変化と共に変わっていく可能性もあります。
 たとえば、アメリカの一部の州や西欧の一部の国においては、すでに、同性婚が認められています。
 そうすると、結婚とは必ずしも男女間のことと限られないことになります。

Q: そうでしたよね。
 結婚の定義、男女間の性的結合云々という定義、が根本的に変わってきますよね。

A: はい、そうですね。
 性に対する考え方は、人それぞれで、どれが正しくてどれが間違っているというようなものではないと思うのですね。
 男性が男性を好きになり、女性が女性を好きになるということは、あり得ることだし、お互い(またその関係者が)がそれで良ければそれで良いではないかと、こういう性的嗜好・傾向については各自、自由だと思うんですね。
 むしろ、問題は、そうした少数派が偏見の目で見られて、差別的扱いを受けることではないかとぼくは思っています。
 ですから、ぼくとしては、アメリカなどで同性婚の制度が認められたことはそれなりに評価しています。

Q: 私は、息子と娘がいるんですが、やっぱり息子には女性と、娘には男性と結婚してもらいたいです。 保守的でしょうか。

A: それと、もう一つ、一夫一婦制の問題ですが、・・・
 ご承知のように、一夫一婦制以外の結婚制度を採用している国や民族もあります。
 イスラム教では、一夫多妻制、確か奥さんは原則4人まででしたか・・・ネパールの一部では、一妻多夫制が採用されているところもあります。
 社会人類学者のG.P.マードックが書いた「社会構造」という本があります。
 50年前くらいに世界の婚姻制度を調査した結果が記載されています。
 全世界から集めた社会のサンプル中、一夫一婦制が18%、一夫多妻制が81%、一妻多夫制が1%だったということです。

Q: そんなに、一夫一婦制はたったの18%ですか。そんなに少ないのですか。

A: そうなんですよね。
 ぼくも本を読んで、びっくりしました。
 そして、よく考えてみると、日本も・・・・
 現在は一夫一婦制ですが、そのような法律が出来たのは、明治 31年民法によってであり、それまでは、天皇には正室と側室があり、また、昔、民間では正妻といわゆる妾というような関係が一般的でした。

Q: 確かに、そうですね。
 日本の一夫一婦制の歴史もまだ100年ちょっとなのですね。

A: 今日は、ちょっと法律相談の問題から横道に逸れてしまいましたが、結婚制度の問題や男女の性関係の問題は、現在も世界各地において様々な価値観があり、また、時代の変化と共に、人々の価値観も変化していくものだと言うことです。
 ここで、もう一つ付け加えておきたいのは、不貞行為を恨んでカッとなり殺人事件へというような痛ましい事件も起こっています。
 それなりの感情的な問題はあるのでしょうが、もっと大局的に、歴史的な考え方ができれば、そのような悲惨な結果までは起こらないのではないかと思います。

Q: そうですね。

A: もちろん、現在の日本の結婚制度は、男女間での一夫一婦制であり、異性との不貞行為は離婚原因になり得ますので、くれぐれもご注意下さい。
 また、ご質問の配偶者の同性との性行為は、不貞行為にはなりませんが、他方の配偶者にとって「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当すると裁判所が判断した場合には、離婚原因になり得ますので、ご確認ください。


■次回のテーマ
「兄弟姉妹の孫は相続人になりますか?」について
2014/3/3 15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

■離婚問題「不貞行為」についてはコチラ↓↓↓
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