コラム

2014-02-04

弁護士・江さんの何でも法律相談「暴力と浪費の夫と離婚したいが」

広島 山下江法律事務所
2014/2/3(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「暴力と浪費の夫と離婚したいが」
DV 相談 広島

■暴力と浪費の夫と離婚したいが

Q: 今月は、「離婚・男女トラブル」をテーマにご相談を受け付けております。
 相談のメールをご紹介します。
 今日は40歳、女性の方からのご相談です。

 「夫は世間体を気にする人間で、外面はいいのですが、家では子どもや私に暴言を吐いたり、暴力をふるったり、借金をするので困っています。
 不景気で給料が減っているにもかかわらず、自分の好きな時計や洋服を勝手にクレジット払いで購入します。
 夫の年収は500万円程度です。
 私もパートで働いていますが、年収は税込みで100万円以内です。
 住宅ローンの返済もあり、子どもが春から高校に進学するためお金がかかるので節約しようと言っても聞き入れず、貯金も使い果たしてしまいました。
 私が「もっと節約しないと」と言うと、「お前の切り盛りがわるいせいだ。わしに粗末なものを食わせるな」と逆切れされ暴力をふるいます。
 先日は、背中を痣ができるほどなぐられました。
 私だけでなく娘の顔を殴り、1週間ぐらいアザが消えなかったこともあります。
 本当はすぐにでも離婚して実家に帰りたいのです。
 でも周りからみれば、外面の良い夫ですので、実家の親に相談しても、もう少し我慢してみたらなどと諭されました。
 私は、このまま我慢していくしかないのでしょうか?
 夫と離婚したいのですが、どのような理由があれば、離婚できるでしょうか。」

というご相談です。
 江さん、これは深刻なご相談ですね。

A: そうですね。
 この相談内容を見る限り、すぐにでも行動に移したほうがよいのかもしれませんね。
 「離婚」についてはこの番組でも何度も取り上げましたが、そもそも離婚出来るかということになると、夫婦が離婚に同意すれば、離婚する理由なんて要りません。
 お互いが離婚届に署名、押印し、成人の証人2名の署名、押印をもらい、役所に提出すればそれで離婚成立ということになります。

Q: そうでしたよね。
 お互いが納得していれば、離婚は問題なく成立する、ということですね。

A: はい、そうです。
 問題は、この相談者のように、妻は離婚したいが、夫が離婚に応じないであろうというケースとか、夫は離婚には同意しているが、その条件、例えば、財産分与、慰謝料、子どもの親権等で合意できない場合です。
 一方が離婚に同意しない場合に、どういう理由であれば、離婚が成立するかということが民法に書かれています。

Q: 法律ではどういう理由が書かれているのでしょうか?

A: 民法770条は、裁判上の離婚について書かれていますが、その1項には離婚原因、すなわち、離婚を可能にする理由が5つ定められています。
 ①不貞行為、②悪意の遺棄、③3年以上の生死不明、④強度の精神病、⑤その他婚姻を継続しがたい重大事由との5つです。

Q: 5つの理由ですか。
 難しい言葉も出てきましたが、具体的に説明してくださいますか。

A: はい、一つずつ具体的に説明していきましょう。
 1つめの「不貞行為」というのは、夫婦の一方が、配偶者以外の異性と性的交渉を行うことです。
 俗に言う「浮気」ですね。

Q: なるほど「浮気」ですか。
 もちろん良いことではありませんが、一回でも「不貞行為」すなわち「浮気」があれば、離婚は成立するのですか?

A: 先程からお話している民法770条について、1項で5つの離婚原因について書かれているというお話をしましたが、2項においては、そのうちの最初から4つまでの離婚原因について、裁判所の裁量で、「一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる」と定めております。

Q: 一度の過ちでも、充分に反省がある場合は許される場合もあるということですか?

A: 色々な状況はあると思いますが、そういうケースもあるかもしれませんね。
 さて、次に「悪意の遺棄」について説明します。
 民法752条には、「夫婦は同居し、お互いに協力、扶助し合わなければならない」とあります。
 片方が理由も無く同居を拒否し、扶養を拒否するような行為を「悪意の遺棄」と言います。
 3つめの「配偶者の生死が3年以上明らかでないとき」は言葉のとおりの意味ですよね。
 4つめの「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」これも言葉どおりですが、結局このような状態になると、夫婦共同生活を営むこと自身が困難ということで、離婚原因とされています。
 さて、5つ目の「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」ですが、私の事務所でも一番相談が多いのは、この5つ目の理由に関するものです。

Q: 「婚姻を継続しがたい重大な事由」とは抽象的ですね。
 具体的にはどんなことでしょうか。

A: 「婚姻を継続し難い重大な事由」とは、暴力沙汰を起こす・性的異常・両親親族との不和・嫁姑の問題・宗教上の対立・ギャンブルに生活できないほどお金を使う・罪を犯して服役している・家事や育児に協力しないというような場合があげられます。
 もちろんその程度にもよる場合もありますが。

Q: なるほど。
 今日のご質問の方のお話からすれば、暴力を振るう・浪費を行うなど、この原因にあたるのではないですか?

A: そうですね。
 具体的にお話を伺わないとハッキリしたことはわかりませんが、離婚原因に充分なりうると思います。

Q: 子育てを放棄する夫はどうでしょうか、離婚できますか。

A: 子育ては、夫婦共同の作業ですよね。
 だから夫の子育て放棄は夫婦共同生活における義務違反ということになると思います。
 ただ、そのことで、即離婚ということになるかというとそうではなくて、そのことで、「婚姻を継続しがたい」状態になっていることが必要と思われます。
 いずれにしましても、離婚できるかどうかは、相手方にも言い分があったりしますので、様々な事情をお聞きしないと、何とも判断できないことがほとんどです。
 簡単に離婚できる、できないとは言えません。
 いままでお話したことはあくまでも、一つの見解であり、絶対ではないことをご承知おきください。
 具体的には、法律の専門家である弁護士にお電話いただき、相談をしていただければと思います。

Q: 地元広島の法律事務所で相談できると身近で安心ですね。
 ひとりで悩まず、「山下江法律事務所」に、まずはご相談されてみてはいかがでしょうか?
 本日は、「夫と離婚できるのか」というご相談から、法律に定める離婚できる原因についても教えていただきました。


■次回のテーマ
「別居中の夫から生活費をもらいたいが・・・。」について
2014/2/10 15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

■離婚問題「裁判離婚の5つの離婚事由」についてはコチラ↓↓↓
http://www.hiroshima-rikon.com/120/12010/

■バックナンバー(離婚・男女トラブル)
・「熟年離婚,年金分割について知りたい…」  2013/9/30OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/7258/
・「宗教にはまった妻と離婚したい…」 2013/9/23OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/7238/
・「婚約不履行、どこまで損害賠償できる?」  2013/9/16OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/7234/
・「セクハラ被害で訴えたいが、恥ずかしくて行動に移せない」  2013/9/9OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/7192/
・「金遣いの荒さが原因で離婚できるか?」  2013/9/2OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/7181/
・「ストーカー行為の対処法について」 2013/2/25OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/6330/
・「25年前の夫の不倫に賠償請求はできる?」 2013/2/18OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/6293/
・「婚姻費用分担義務とは?」 2013/2/11OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/6274/
・「養育費の決め方」 2013/2/4OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/6205/
・「もう顔を見たくもない夫と離婚したいが…」 2012/7/30OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/5217/
・「セックスレスは離婚原因になるか?」 2012/7/23OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/5158/
・「再婚すると養育費はもらえなくなる?」 2012/7/16OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/5126/
・「離婚しようと思うが、子どもの親権は取れるか?」 2012/7/9OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/5084/
・「離婚をする際、弁護士に相談するメリットは?」 2012/7/2OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/5040/
・「子どもを取り戻したい」 2012/3/26OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/4344/
・「浮気相手の女性に対し慰謝料請求できるのですか?」 2012/3/19OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/4289/
・「離婚のための手続きを教えてください。」 2012/3/12OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/4236/
・「離婚したいが、どのような理由が必要ですか?」 2012/3/5OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/4172/
・「離婚したら夫の年金の半分がもらえる?」 2011/9/26OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3086/
・『娘が「婚約を破棄したい」と言っているのですが…』 2011/9/19OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3008/
・「離婚後、子と同じ氏にしたい」 2011/9/12OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/2926/
・「偽装離婚は有効でしょうか?」 2011/9/5OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/2847/ 
・「夫の同棲相手への損害賠償は出来ますか?」 2011/3/28OA
 http://pro.mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1205
・「養育費の支払いを減額できないか…」 2011/3/21OA
 http://pro.mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1170
・「未婚の息子に子どもができたのですが…」 2011/3/14OA
 http://pro.mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1211
・「離婚に伴う子どもの親権とは?」 2011/3/7OA
 http://pro.mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1213

この記事を書いたプロ

山下江法律事務所 [ホームページ]

弁護士 山下江

広島県広島市中区上八丁堀4-27 上八丁堀ビル703 [地図]
TEL:0120-7834-09

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

3

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
お客様の声

交通事故の解決事例をマンガで紹介しています山下江法律事務所 交通事故専門サイトトップページ ↓↓↓http://www.hiroshima-jiko.com/■その他の事例もご参照くだ...

相談料

無料相談について、詳しくはこちら↓をご覧下さい。■交通事故専門サイト■借金問題専門サイト相談予約専用フリーダイヤル0120-783409 (なやみよま...

 
このプロの紹介記事
山下江 やましたこう

依頼者に笑顔になってもらうために、全力を尽くします。(1/3)

 ドアを開けると、ずらりとスタッフの並ぶカウンター。案内された部屋で待っていたのは穏やかに微笑む山下江さん。まるで大病院の受付みたいですねと感想を伝えると、「そうですか? ハハハハ」と楽しげに笑う山下さん。山下江事務所は、弁護士15人・秘...

山下江プロに相談してみよう!

中国新聞社 マイベストプロ

「親切な相談」「適切な解決」これが私たちのモットーです。

事務所名 : 山下江法律事務所
住所 : 広島県広島市中区上八丁堀4-27 上八丁堀ビル703 [地図]
TEL : 0120-7834-09

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

0120-7834-09

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

山下江(やましたこう)

山下江法律事務所

アクセスマップ

プロのおすすめコラム
弁護士コラムvol.134 「インターネット上で誹謗中傷された時の対策」 久井 春樹
イメージ

 インターネット上で誹謗中傷された時の対策  不特定多数の人が閲覧できるインターネット上の掲示板に、自...

[ 弁護士コラム ]

広島の弁護士・江さんの「きらり創立5周年記念講演会」ほか
イメージ

 きらり創立5周年記念講演会  きらり(一般社団法人人生安心サポートセンターきらり)の創立5周年記念講演会...

[ ブログ ]

相続アドバイザーの『「超☆ドンブリ相続対策」のすすめ』ほか
イメージ

 事業承継士資格取得講座☆ 先週のブログ →弾丸☆インド旅行 でも少し触れたのですが東京滞在5泊6日で講習...

[ 相続アドバイザー ]

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「離婚したいと思っているのですが…」
イメージ

2016/9/26(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、OA内容をお届...

[ 法律相談 ]

広島の弁護士・江さんの「10月22日(土)三本松進先輩が最新ベンチャーを語る・・・」ほか
イメージ

 10月22日(土)三本松進先輩が最新ベンチャーを語る(第31回KKC交流会)  修道中高及び東大の2年先輩であり...

[ ブログ ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ