コラム

 公開日: 2014-01-21  最終更新日: 2014-07-04

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「交通事故で請求できる損害について教えて」

広島 山下江法律事務所
2014/1/20(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「交通事故で請求できる損害について教えて」
交通事故 損害賠償 相談 広島

■交通事故で請求できる損害について教えて

Q: 今月は、交通事故についての相談を取り上げています。
 そんな中、このようなメールが来ましたので紹介します。

 「数か月前のことですが、夫が買い物から歩いて帰る途中に、車にはねられ大けがをしました。
 夫は横断歩道でないところで道路を横断しようとしていたところでしたが、車の加害者の方も前方不注意だったようです。
 交通事故に遭った場合に、相手方あるいは相手方の加入している保険会社に対して請求できる金額はどのようにして決められるのでしょうか。
 請求できる項目には何があるのでしょうか?教えてもらいたくてメールしました。」

 江さん、交通事故で請求できる賠償金額の項目は何があるかということ、そして、金額はどのように決められるのか、というご質問のようです。
 今日も、よろしくお願いします。

A: よろしくお願いします。
 で、ご質問の、交通事故の賠償金の仕組みについて、ご説明しましょう。
 まず、賠償金の項目は、大きく分けて、積極損害と消極損害、それと慰謝料ということになります。

Q: 積極損害と消極損害ですか。
 どういう意味ですか。

A: はい。
 積極損害とは、被害者が交通事故に遭うことにより実際に使ったお金のことです。
 そして、消極損害とは、被害者が交通事故に遭わなければ得ていたであろう利益のことです。
 積極的に出て行ったお金(これが積極損害ですが)と、お金が出てはいかなかったが本来得ることができたものを得られなかったという意味での消極的なお金(これが消極損害)、ということになります。

Q: なるほど、良く分かりました。
 その積極損害、消極損害には、それぞれどのような項目があるのでしょうか。

A: はい、まず積極損害ですが、治療関係費、付添費用、将来介護費、雑費、通院交通費、宿泊費等になります。
 また、死亡した場合は、葬儀関係費用も積極損害となります。
 さらに、相手方に損害賠償請求をする場合の弁護士費用などがあります。

Q: いろんな項目があるのですね。

A: はい、そのとおりです。
 積極損害というのは、要は、交通事故が原因で出費せざるを得なくなった金額です。
 被害者は上記項目について、自分に当てはまるものはないかどうかをチェックする必要があります。
 もちろん、弁護士に依頼していただければ、弁護士は漏れがないように、依頼者から事情をお聞きすることになると思います。

Q: 弁護士に頼んだ方がよろしいのでしょうかね。

A: まあ、そうかと思います。
 それはさておき、次に消極損害ですが、大きく分けて3つあります。
 その1は、休業損害です。
 すなわち、交通事故により仕事を休まざるを得なくなった。
 交通事故に遭わなければ仕事により得られていたであろう収入が損害となります。
 主婦などの家事従事者の場合は、女性労働者の全年齢平均賃金の賃金額を基礎として決められます。

Q: 無職の人はどうなるのですか?

A: はい、労働能力及び労働意欲があり、就労の蓋然性があるものは認められますが、平均賃金より低いのが一般的です。
 さて、消極損害のその2ですが、後遺症による逸失利益があります。

Q: 「逸失利益」ですか・・・

A: はい、逸失利益です。
 逸失利益とは、本来なら得られたであろう利益が得られなかった、すなわち、逸失した利益ということです。
 交通事故により後遺症が残ると、例えば、交通事故がなければ問題なく動いていた手足が、一部使えなくなるなどの問題が生じます。
 そうすると、その被害者の労働能力が低下することになります。
 労働能力の低下により、本来稼げた金額もその分稼げなくなったことになります。
 それが、後遺症による逸失利益です。

Q: 後遺症による逸失利益ですか・・・
 どうやって計算するのですか?

A: はい、計算の仕方が決まっています。
 計算式は、原則次のようになります。
 基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数 もう一回言いましょうか。
 基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

Q: なにやら、聞き慣れない言葉ですが。

A: そうですね。
 一つ一つ、説明しましょう。
 基礎収入額というのは、原則として事故前の収入額のことです。
 次に、労働能力喪失率ですが、厚生労働省が定めた「別表労働能力喪失率表」というものがあり、その表で、後遺障害等級別に労働能力喪失率が定められています。
 例えば、「1眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になったもの」は、後遺障害等級が第8級となり、労働能力喪失率は45%です。
 最後に、労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数ですが、労働能力喪失期間が何年かによってライプニッツ係数が決まっており、それは、「ライプニッツ係数およびホフマン係数表」を見れば分かります。
 なお、労働能力喪失期間は、67歳までが就労可能期間であることを前提として計算します。
 たとえば、50歳の人が事故のときは、67-50=17で17年間が労働能力喪失期間といくことになります。

Q: いろいろ用語が出てきましたが、計算方法がキチンと決められているのですね。

A: はい、そういうことです。
 逸失利益の最後に、死亡による逸失利益の計算の仕方です。
 これは、基礎収入額×(1-生活費控除率)×就労可能年齢に対応するライプニッツ係数ということになります。
 すなわち、死亡となると労働能力は100%なくなるから、「×1」となるのですが、その代わりに生活費がかからなくなります。
 そこでこれを控除することになるのです。
 生活費控除率は、女性の場合30%、男性の場合50%と決められています。
 女性の方が余り生活費を使わないということが前提となっています。
 現在は女性も結構生活費を使うと思うので、果たしてこれが、現在もあるいは将来妥当なのかは疑問ですね・・・

Q: はい、そうですね・・・

A: 次に、慰謝料の問題があります。
 物損のみだと慰謝料は原則認められませんが、人が怪我をしたり死亡したりすると慰謝料が発生します。
 慰謝料は、交通事故受傷に伴って発生する慰謝料と後遺障害に伴って発生する慰謝料の2つがあります。
 受傷に伴う慰謝料は、入院期間や通院期間に応じて決まっています。
 また、後遺障害慰謝料は、後遺障害の等級により決まっています。
 ただ、この決まり方に、各保険会社が内的に決めている金額と裁判になったときに裁判所が適用する金額には相当隔たりがあり、裁判所基準が相当高いのが一般的です。
 その他、交通事故の態様により、過失相殺の問題や他の給付があった場合の損益相殺の問題などがあります。

Q: 結構な数の項目があるのですね。

A: はい、そういうことです。
 特にぼくが言いたいのは、こうした損害の計算には、各保険会社が決めた基準と裁判所が決めた基準という二重基準があるということです。
 弁護士に依頼すれば、弁護士は、裁判所基準に基づいて、保険会社と交渉しますので、支払われる保険金額(賠償金額)が相当増額となる場合がほとんどです。
 そして、弁護士に支払う弁護士報酬を差し引いても、かなりの増額となると思います。
 ですから、交通事故に遭われた場合は、是非、弁護士に依頼をすることをお勧めしたいと思います。

Q: 今日は、交通事故の損害額の計算の仕方について、江さんにお話しを伺いました。


■次回のテーマ
「弁護士費用特約を使うと翌年保険料が上がる?」について
2014/1/27 15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

■交通事故問題「損害賠償額の計算方法」についてはコチラ↓↓↓
http://www.hiroshima-jiko.com/110/

■バックナンバー(交通事故)
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・「交通事故の保険金、弁護士に頼むと増額出来る?」  2014/1/6OA
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