コラム

 公開日: 2013-11-30  最終更新日: 2014-07-04

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「相続人がいないと財産はどうなる」

広島 山下江法律事務所
2013/11/25(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「相続人がいないと財産はどうなる」
相続 相談 広島

■相続人がいないと財産はどうなる

Q: 今月は、相続をテーマに、皆様からの悩みに答えています。
今日は70代、女性からの相談です。

 「江さん、丸子さん、月曜日のこの番組をいつも楽しみに拝聴しております。
 私は70代後半の女性です。
 今まで病気ひとつなく暮らしてきました。
 主人を7年前に亡くしてから一人暮らし、子どももおりませんし、気楽な生活ですが、もし私に万が一のことがあった場合の相続はどうなるのかと思いご相談します。
 亡くなった主人も私も一人っ子。
 子もなく、両方の親とももう亡くなっています。
 私には主人から受け継いだ財産が少しありますが、これらはどうなってしまうのでしょうか?」

というご相談です。
 江さん、今日もよろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。
 この方は、一人っ子、結婚した配偶者も一人っ子だった、そしてお子さんがいないということなんですね。
 少子化の中、これからはそういうケースが増えてくるかもしれませんね。
 さて、相続が発生したときに、相続人がいないというということを法律的に考えてみると、亡くなった人に、配偶者・子(直系卑属)・親(直系尊属)・兄弟姉妹(甥姪を含む)がいない場合を言います。
 すなわち、おおざっぱに申し上げますと、相続人になりうるのは、今申し上げた配偶者、子、親、兄弟姉妹ということですので、これらがいらっしゃらない場合を相続人がいない場合といいます。
 そして戸籍上で相続人がいない場合であっても、直ちに相続人がいないとは断定されません。
 例えば、内縁の妻との間に子どもが生まれている場合、この場合の子(「非嫡出子」と言います)には相続権があります。
 ただ、相手側(内縁の妻)の戸籍に出生が届けられていた場合には、いくら被相続人の出生からの戸籍を揃えても見つけることはできません。
 このように、まず本当に相続人がいないのか捜索することになります。

Q: なるほど、では手続きには時間がかかるんですね。

A: そうですね。
 結構時間がかかる場合もあります。

Q: その調査の結果、相続人がいないと一応判断された場合には、どういう手続がとられるのでしょうか?

A: まず相続における利害関係者や検察官等は、相続財産管理人の選任の申し立てをします。
 相続財産管理人は、家庭裁判所の審判によって選任され、相続財産の管理と調査・換価などを行う者で、通常は地域の弁護士が就任します。
 家庭裁判所は、その申立てを受け、相続財産管理人が選任されたことを2か月公告し、相続人が名乗り出るよう促します。
 本当に相続人が他にいないかの捜索です。
 2か月経っても相続人が誰も名乗り出なかった場合には、その後さらに2か月間以上の期間を定めて、債権者や受遺者(遺言により財産を受け取る人)に対して請求するよう第2回目の公告を行います。
 こうして4か月間以上の期間内に相続人が誰も名乗り出なかった場合には、相続財産管理人や検察官の請求によって、家庭裁判所が、さらに6か月以上の期間を定めて相続人の捜索の公告をします。
 第3回目の公告ですね。
 そうして、この6か月以上の定められた期間内に相続人が誰も名乗り出なかった場合には、「相続人不存在」が確定します。

Q: 合計10か月以上経ってやっと相続人がいないということが、法律的に確定するわけですね。

A: そういうことです。

Q: 相続人がいないということが確定した後はどのようになるのでしょうか?

A: 「相続人不存在」が確定したのちには、「特別縁故者」からの申し立てを受け付けます。

Q: 「特別縁故者」ですか。

A: そうです。
 「特別縁故者」とは、被相続人と生計を同一にしていた者や被相続人の療養看護に努めた者など被相続人と特別の関係があった者で、相続人が存在しない場合に、請求により相続財産の分与を受けることができる人をいいます。
 この「特別縁故者」の請求により、家庭裁判所は清算残余の相続財産を特別縁故者に分配することが出来ます。(民法958条の3)
 ただし、この請求は第3回目の公告の満了後3か月以内にしなければなりません。

Q: その「特別縁故者」ですが、具体的な例を教えてもらえませんか。

A: はい、いくつか挙げましょう。 
 ・20年以上生活を共にした内縁の妻
 ・20年以上にわたって家事一切の世話などを行いかつその療養看護に尽くした事実上の養親
 ・報酬を得て療養看護に当たった者でも、特別縁故者たりうるとされています。
 ・法人も特別縁故者となりうる。
とされています。

Q: 特別縁故者には、被相続人の財産のすべてを取得することになるのですか?

A: そうとは限りません。
 実質的に相続人と同様に考えるべきという場合は全部になることもありますが、その縁故の強さにより、分配の程度も決定されることになります。

Q: 例えば、こうした手続の過程で相続人がいることが判明した場合には、その相続人は相続財産を請求することができるのでしょうか?

A: 残念ながら、先ほど述べた「相続人不存在」が確定した後は、真実は相続人がいたとしても、相続人としての権利はないことになります。
 キチンとして長期に渡る手続の結果「相続人不存在」と確定したわけだし、それを認めると、法的安定性を欠くことになりますから。

Q: そうでしょうね。
 特別縁故者が現れなかったり、特別縁故者に分与されなかった財産は、どうなるのですか?

A: それでもなお処分されない相続財産は国庫に帰属することとなります。

Q: 国庫に帰属するということは、国のお金になるんですね。

A: はい、そういうことです。

Q: 今月は相続について、江さんにいろいろ教わってきましたが、相続の問題はとっても複雑で難しい問題だということがよくわかりました。
 こういうケースでは、法律の専門家である弁護士の先生に相談することがよろしいのではないでしょうか。

A: どうぞお気軽に地元広島の山下江法律事務所へご相談ください。


■次回のテーマ
「過払い金返還請求には時効があるのですか?」について
2013/12/2(月)15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

■山下江法律事務所「相続アドバイザー」についてはコチラ↓↓↓
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