コラム

 公開日: 2013-11-10  最終更新日: 2014-07-04

弁護士・江さんの何でも法律相談「遺言書があるかどうか調べたい」

山下江法律事務所
2013/11/4(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「遺言書があるかどうか調べたい」
遺言書 相談

■遺言書があるかどうか調べたい

Q: 今月は、相続についての相談を取り上げています。
 そんな中、このようなメールが来ましたので紹介します。

 「約2か月前に父が82歳にて死亡しました。
 母はすでに死亡しており、いません。
 父母には私を含めて、子どもたちが3人おります。
 他の兄弟より、49日も終わったということで、父が残した財産について遺産分割の話し合いをしようという提案が出ております。
 ただ父は生前、私に『お前にはよく面倒をみてもらったので、遺言を書いて、お前にたくさんの財産が行くようにしておくからね』と言っておりました。
 ですから、おそらく遺言があると思うのです。
 しかし、その遺言、本当にあるのか、あるとして、どのような内容かがまったく私には分かりません。
 何か調べる方法はあるのでしょうか?」

という内容です。
 どうもこの方、父の遺言があると聞いていたが、それがあるのかどうか、どうしたらそれを見つけることができるのか、というご質問のようです。
 江さん、どうしたら良いのでしょうか。
 今日もよろしくお願いします。

A: はい、遺言書はあるらしいが、どこにあるのか分からないということですね。
 結論から言いますと、その遺言がどういう方式で作成されたかによります。
 公正証書遺言か秘密証書遺言であれば、公証人役場に問い合わせることにより、その存否及び内容が確認できると思います。
 両者は、公証人役場の公証人が介在して作られる遺言ですので、その遺言についての存否を調べることができるのです。
 昭和64年以降に作成された遺言について検索してもらうことが可能です。
 しかし、自筆証書遺言の場合は、父の関係者か誰かに聞いて、あるいは、家をくまなく探して見つけるほかありません。
 見つからなければ、ないということになってしまいます。

Q: いま出てきたのは・・・・公正証書遺言、秘密証書遺言、自筆証書遺言ですかね。
 この3つの種類の遺言について、もう少し詳しく教えてください。

A: そうですね。
 その説明の前に・・・、この3つの遺言のことを普通方式というのですが、それ以外に、余り使いませんが、特別方式というものがあるので、それを先に、簡単に説明しましょう。

Q: 特別方式ですか。

A: はい、遺言の方式としては、大きく2つありまして、普通方式及び特別方式です。
 特別方式というのは、死亡危篤者遺言、船舶遭難者遺言、伝染病隔離者遺言、在船者遺言の4つですが、命の危険が迫っている緊急の時や遠隔地の場合の遺言であり、特別な場合のものです。
 いずれも通常は問題にならないので、詳しい説明は行いません。
 通常問題となるのは、最初に私が述べた3つの種類がある普通方式の方です。

Q: では、その普通方式の3つを詳しく教えてください。

A: はい。
 まず、自筆証書遺言ですが、遺言者が自ら、自筆で、その文章の全文を書き、日付と氏名も自ら書いて、押印することにより効力を持ちます。
 これらの要件の一つでも欠けると、遺言としては無効となります。
 これは簡単にできますし、費用もかかりません。
 また、内容を誰にも知られないようにできるというメリットもあります。
 しかし、方式の不備により無効となったり、遺言書が偽造されたり、隠されたりすることがありますので、確実性という点では、問題があるものです。
 また、遺言者が死亡したときは、家庭裁判所に遺言書を提出して、検認という手続を受けなければなりません。

Q: なるほど、自筆証書遺言は、ただでできるが、確実性に欠け、また、家庭裁判所の手続が必要と言うことですね。

A: はい、そうです。
 次に、公正証書遺言です。
 これは遺言者が伝えた内容を公証人が筆記し、これでよいかと読み上げて確認し、遺言者と2名以上の証人が署名・押印し、最後に公証人が署名・押印してできあがるものです。

Q: 公証人や証人がキチンと内容を確認するのですね。

A: はい、ですから偽造や隠匿のおそれはなく、また、法律上の不備が生じる可能性もないと言えるので、確実性の高い方法と言えます。
 また、家庭裁判所での検認手続きも必要ではありません。
 ただし、公証人の費用が若干かかります。

Q: 公正証書遺言は、費用がかかるが、確実性が高いと言うことですね。

A: はい、そうです。
 最後に、秘密証書遺言についてですが、これは、遺言者が自ら遺言書を作成・封印し、公証人及び証人が遺言者の遺言であることを証明するというものです。
 これによると、遺言書の存在自身は、公証人や証人に知られますが、その内容については秘密にできるというメリットがあります。
 ただ、遺言書の内容については遺言者しか知らないので、不備が生じやすいとも言えます。
 また、家庭裁判所の検認手続きが必要ですし、公証人への費用もかかります。

Q: いろいろとあるのですね。
 江さんがオススメするのはどの方法ですか?

A: はい、そうですね。
 遺言書作成で何を重視するかやその方の考え方がどうかにもよりますが、やはり、一番のオススメは、公正証書遺言でしょうかね。
 遺言者の思いを確実に相続人や関係者に伝えることができますからね。
 また、今回の相談者のご質問のように、遺言があるのかどうか分からない場合には、公証人役場に問い合わせてその存否を検索してもらえます。

Q: 江さんのオススメは公正証書遺言ということですね。
 自筆証書遺言で、何かトラブルが生じた例をご存知ですか。

A: はい、その遺言書の筆跡が果たして遺言者のものかどうかが裁判で争われ、筆跡鑑定などをしたことがあります。
 また、これは裁判にはならなかったのですが、死亡した父は、家業を次男に引き継がそうという趣旨で、遺言を作成し、次男にもそのことを言っていたのですが、父死亡後に、長男をかわいそうと思った母が、その遺言自体を処分してしまって、遺言者である父の思いが実現せず、相続人間でのトラブルに発展したという例もありました。

Q: なるほど、自筆証書遺言では、それを保管している人に処分されたら、どうしようもなくなるのですね。

A: そういうことです。
 ですから、遺言者として自分の意思を確実に相続人らに伝えようと思えば、やはり、公正証書遺言を作成することですね。

Q: 公正証書遺言作成のためには、どこに行けば良いのでしょうか。

A: 広島市では、旧日本銀行広島支店の南にある三栄ビル9階に公証人役場があります。
 ただし、遺言の内容の検討や文案の作成などは、当事務所においても行っております。
 当事務所に来ていただければ、立会に必要な証人の準備やその他公証人役場での手続すべてを行うことができます。

Q: 江さんの事務所には、確か「相続アドバイザー」もいらっしゃいましたよね。

A: はい、相続アドバイザーが3名おります。
 法律のみならず税務や不動産など様々な問題がからむ相続です。
 相続アドバイザーはそうした問題の概略をマスターしており、各専門家とのパイプ役を果たします。
 遺言のご相談なども行っております。
 相続アドバイザーの相談は、電話にても受けたまっており30分程度無料で受けております。
 是非、ご利用いただければと思います。


■次回のテーマ
「遺言書通り分けないといけない?」について
2013/11/11(月)15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

■相続問題「公正証書遺言の作成方法」についてはコチラ↓↓↓
 http://www.hiroshima-sozoku.com/810/81020/

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 http://pro.mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1308

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