コラム

 公開日: 2012-07-06  最終更新日: 2014-07-04

弁護士コラムvol.28 「遺産相続でもめた場合には」 城昌志

山下江法律事務所 弁護士 城昌志
 遺産を相続する場合において、相続人間の紛争をできる限り避けるためには遺言書の作成が有効であることは過去の弁護士コラムで触れられているとおりです。今回は、そのような遺言書が作成されておらず、相続人が自分達で遺産を分割するケースについて少しお話してみようと思います。

 遺言書が作成されていなかった場合、遺産は相続人の間でどのように分けてもよいのですが、分け方の方法を大きく分類すると
①当事者間の話し合いにより分ける
②家庭裁判所の調停により分ける
③家庭裁判所の審判により分ける
という3つの方法のどれかを利用して遺産を分けることになります。

 ①と②は最終的に当事者の意思によって分けるという点では同じですが、②は家庭裁判所の調停委員という方が当事者の間に入り交互に話を聞いて解決策の提案をしてくれるため、当事者だけで話すよりは冷静に解決に向けた話し合いができるというメリットがあります。しかし、どちらの方法も、相続人間の対立が激しく、合意がまとまらないような場合にはそれ以上問題を解決することはできません。
 そこで、当事者間にどうしても合意が成立しない場合には、③の家庭裁判所による審判により遺産を分けることになります。これは家庭裁判所の裁判官が当事者の主張を聞き、証拠を見た上で妥当だと思われる遺産の分割方法を決める手続きです。この手続きは合意が成立しない場合でも遺産を分けることができるという非常に大きなメリットがありますが、裁判所が強制的に分割を行うため、当事者の納得できる分割方法となるかは必ずしも分からない部分があります。

 ①から③のいずれの方法により遺産を分ける場合であっても、遺産の分割には法定相続分という法律により画一的に決められた相続分だけではなく、『特別受益(民法第903条)』や『寄与分(民法第904条の2)』といった個別の事情により具体的な相続分を調整する規定があります(これらの規定の詳細については機会があればまたお話しします)。相手方や裁判所に対して、これらの規定を有効に活用して主張を行うためには専門家のアドバイスが不可欠です。
 相続が発生した場合には、ご自身の正当な権利を守るためにもぜひ専門家にご相談下さい。

 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 城昌志 (広島弁護士会所属)

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