コラム

 公開日: 2012-02-28  最終更新日: 2014-07-04

弁護士・江さんの何でも法律相談「交通事故、弁護士に依頼した場合の事例」

2012/2/27(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。
今回のテーマは、
「交通事故、弁護士に依頼した場合の事例」について
交通事故 保険金

■交通事故、弁護士に依頼した場合の事例
 相談者 62歳/女性

Q: 今月は、交通事故でのトラブルについてお話をしていますが、このようなおたよりがきました。

 「交通事故に遭った場合、その後の保障についてのトラブルに応じてくれる専門家は、保険会社だと思っていましたが、この番組を聴いていると、その際の専門家は、弁護士など、法律関係のプロ…という印象を受けました。実際、交通事故のトラブルで弁護士に相談するメリットについて、詳しく教えてください」ということです。

 先週は、交通事故の相談をするのは、行政書士か弁護士か?というお話から、弁護士に依頼することのメリットを紹介してきました。
 今日はもう一歩踏み込んで、お話を聞かせていただきます。

 さて、江さん、まずは「交通事故で生じた問題について弁護士に相談するメリット」を、もう一度、簡単に教えてください。

A: はい。
 簡単に申しますと、「交通事故の賠償金額・保険金額については、弁護士に依頼することによって、保険会社からの提示より、賠償金が多くなることがほとんどであり、弁護士報酬を差し引いても、ほとんどがプラスになる。」ということでしょうか。

Q: 「適正な賠償を受けることができる」ということですよね。

A: そうですね。
 正確に言えば、そういうことです。

Q: ということで、交通事故相談・依頼で実際にあった解決事例を、今日は紹介していただきたいと思います。

A: はい。
 では、相談時から「8ヶ月前、タクシー乗車中に交通事故にあった女性のケース」をご紹介しましょう。

 この女性は、交通事故で怪我をし、腕の一部に神経症状が残りました。
 治療を続けていましたが、ある日、病院でこれ以上治療をしても、この傷は完治しないとの診断を受けます。
 いわゆる「後遺症」が残ってしまったということです。
 この場合、「局部に神経症状を残すもの」として、後遺障害第14級の認定を受けました。

 そんな中、加害者が入っている保険会社から、「症状も落ち着き治療費の支払いも終わりました。既に支払っている金額が310万円なのであと200万円で、合計510万円の示談成立とさせてください」という電話がかかってきたというのです。

Q: 治療費は、加害者側が保険を使って、支払っていたということですね。
 この他にあと200万円で示談にしましょう。といわれても、それが妥当な金額なのかどうか、一般的にはわかりませんよね。
 しかも、後遺障害が残るとなると、なおさらそれが分からなくなってきます。

A: そうなんです。
 このような場合の金額の判断はとても難しく、悩んでいるうちに、結局、加害者側の保険会社がこれで終わらせてしまう、という流れが多いのが現状です。

Q: なるほど。
 流れのままに、納得いかないままに事務的に終わらせてしまうのは悔しいですね。
 こういうときにこそ、弁護士に相談するといいのでしょうね。

A: はい。
 この女性も、提案された示談金が適正なのか判断がつかず、当事務所を訪れました。

 話を聞いていくと、保険会社が、随分簡単に示談にしようとする意向が見えました。
 保険会社から提示された合計510万円の賠償金額ですが、これは保険会社が算定した「任意保険基準」に基づく金額提示です。
 これに対して私たち弁護士は、「裁判基準」に基づいて損害金を計算します。

Q: 「任意保険基準」というのは、各保険会社で、まちまちなのでしょうか。

A: はい、そうです。
 私が、裁判基準に基づいて損害額を計算したところ、そこで出た金額は約1,000万円でした。

Q: え、先ほどの510万円の金額と比べて、約2倍ですか?

A: はい。
 これは、いわゆる「赤い本」に基づくものです。

Q: 「赤い本」とは、交通事故の時に弁護士の方が見られる本でしたね。

A: そうです。
 「赤い本」は裁判例を参考にして作られたもので、裁判になると、通常この「赤い本」に基づいて、賠償金が計算されるということです。

Q: 「任意保険基準」で算定すると510万円だったものが、「裁判基準」で算定すると1,000万円にまで増えるのは、なぜなのですか?

A: はい。
 交通事故における被害の賠償金額を計算するときの基準ですが、自賠責基準、任意保険基準、裁判基準の3つがあります。
 これは金額の少ない順に、自賠責基準、任意保険基準、裁判基準となります。
 「自賠責基準」とは、国が決めたものです。
 「任意保険」は、各保険会社が決めたものです。
 「裁判基準」は、実際の裁判の例に基づいて決められたものです。
 ここでは、任意保険基準と裁判基準が問題となっているわけです。
 「裁判基準」は、一般的に「任意保険の基準」より相当高額なのです。

 保険会社から示談で提示される保険金は、「任意保険の基準」に基づいて計算されますから、それに対して私たち弁護士は、「裁判所の基準」に基づいて計算するということになるんです。

 「保険会社の人が言うからそうなのだろう」と考えたり「早く終わらせたい」という気持ちはよくわかりますが、本来受けられるはずの損害賠償金が受け取れないということに繋がりかねません。

Q: そうですね。
 お金が欲しいということではなく、ご自分が納得できる保障が受けられるかどうか、納得できるかどうか、が大切ですよね。
 それで、この女性、最終的にはどのようになられたのですか?

A: そうですね。
 何度か面談をさせていただいた後、当事務所で示談交渉を進めて欲しいとのことでしたので、弁護士が(私ですが)代理人となり、保険会社と交渉をしました。

 その結果、私が「裁判基準」で計算したところ、約1,000万円くらいの賠償金が算出されました。

 ですので、保険会社から提示された510万円は納得いかないので、現段階で310万円もらっていて、残りはあと200万円というのは、いくらなんでも少ないでしょう、と交渉を進めていきました。

 「裁判基準」でお話しするならば、あと700万はほしいところですが、今回は裁判ではなく、示談のため、その後も交渉を進めた結果、保険会社から「あと200万で示談に」と言われていた部分が、「あと500万で」というところで示談が成立しました。

 すなわち300万円の増額となりました。
 ちなみに、当事務所では、この件の弁護士報酬は、増額分300万円の20%(=60万)プラス10万円に消費税を加えて、73.5万円となります。
 この弁護士報酬を増額分の300万円から差し引くと、226.5万円となり、この方は、弁護士に依頼することにより、226.5万円の利益を得たことになります。

Q: わあ、すごいですね。
 何もないところから226.5万円になるとは、やはり、相談して正解でしたね。

A: そうですね。
 ですので、事故に遭ったら、まず、弁護士に相談するべき、ということだと思います。

Q: 改めて、今日はそのように思いました。


■次回のテーマ
「離婚したいが、どのような理由が必要ですか?」について
2012/3/5(月)15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

■賠償金額の比較 ↓↓↓
 http://www.hiroshima-jiko.com/117/
 
■バックナンバー
・「交通事故の相談は、誰にすべきか?」 2012/2/20OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/4065/
・「交通事故の責任は自分にあるが、賠償金をもらえるか」 2012/2/13OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/4006/
・「従業員が交通事故でけが、会社に損害が出たが…」 2012/2/6OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3955/
・「江さんに、質問!」 2012/1/30OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3912/
・「家を守りながら借金を整理したい」 2012/1/23OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3852/
・「法テラスの利用法」 2012/1/16OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3810/
・「完済後でも消費者金融からお金を取り戻せますか?」 2012/1/9OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3751/
・「過払いについて」 2012/1/5OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3733/
・「預金通帳が盗まれたときの対処は」 2011/12/26OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3667/
・「公園の遊具で子どもが大ケガ」 2011/12/19OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3641/
・「共有物の分割の仕方は?」 2011/12/12OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3600/
・「借家明け渡しの際、敷金を返してもらえない」 2011/12/5OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3558/
・「支払延期を求められたらどうすべきか?」 2011/11/28OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3526/
・「取引先から突然の「破産申立通知」が…」 2011/11/21OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3496/
・「契約解除はどのような場合にできますか?」 2011/11/14OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3463/
・「印鑑の押していない契約書は有効ですか?」 2011/11/7OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3429/
・「胎児は相続できますか?」 2011/10/31OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3346/
・「遺留分を放棄させることは可能?」 2011/10/24OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3290/
・「弟から遺留分の請求が…」 2011/10/17OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3243/
・「死亡した父の借金取り立てが来た」 2011/10/10OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3205/ 
・「夫が別の女性との間でつくった子に相続させたくないが…」 2011/10/3OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3116/
・「離婚したら夫の年金の半分がもらえる?」 2011/9/26OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3086/
・『娘が「婚約を破棄したい」と言っているのですが…』 2011/9/19OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/3008/
・「離婚後、子と同じ氏にしたい」 2011/9/12OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/2926/
・「偽装離婚は有効でしょうか?」 2011/9/5OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/2847/ 
・「バイクに乗せてもらった娘が事故で大けがを…」 2011/8/29OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/2776/
・「病院の駐車場で当て逃げされた」 2011/8/22OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/2681/
・「息子が私の車を無断運転で事故。私の責任は?」 2011/8/15OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/2611/
・「保険金請求権の時効は」 2011/8/8OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/2550/
・「自損交通事故に保険は出ますか」 2011/8/1OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/2491/
・「弁護士と司法書士って何がちがうの?」 2011/7/25OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/2422/
・「認知症になった父が女性に金を・・・」 2011/7/18OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/2365
・「愛犬が他人の飼い犬にかみついた」 2011/7/11OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/2308
・「契約書なしで貸した金は返してもらえるか」 2011/7/4OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/2241
・「スーパーの床が濡れていて滑って右腕を骨折した」 2011/6/27OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/2177
・「入したマンションに雨漏り」 2011/6/20OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/2082
・「消費者金融からお金を取り戻せますか」 2011/6/13OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/2016
・「裁判をせずに早期解決したい」 2011/6/6OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1961
・「請求書発送と時効の中断」 2011/5/30OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1908
・「契約書の必要性」 2011/5/23OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1811
・「再建か倒産か」 2011/5/16OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1779
・「出資金の返還」 2011/5/9OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1739
・「残業代の不払い」 2011/5/2OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1717
・「子どもがいない夫婦の相続はどうなるの?」 2011/4/25OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1602
・「放蕩息子に相続させたくない」 2011/4/18OA
 http://mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1457
・「家業手伝いと療養看護…相続はどうなる」 2011/4/11OA
 http://pro.mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1397
・「内縁の妻は相続できる?」 2011/4/4OA
 http://pro.mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1308
・「夫の同棲相手への損害賠償は出来ますか?」 2011/3/28OA
 http://pro.mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1205
・「養育費の支払いを減額できないか…」 2011/3/21OA
 http://pro.mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1170
・「未婚の息子に子どもができたのですが…」 2011/3/14OA
 http://pro.mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1211
・「離婚に伴う子どもの親権とは?」 2011/3/7OA
 http://pro.mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1213
・「会社を倒産して、夜逃げをしようと考えています」 2011/2/28OA
 http://pro.mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1229

この記事を書いたプロ

山下江法律事務所 [ホームページ]

弁護士 山下江

広島県広島市中区上八丁堀4-27 上八丁堀ビル703 [地図]
TEL:0120-7834-09

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
お客様の声

交通事故の解決事例をマンガで紹介しています山下江法律事務所 交通事故専門サイトトップページ ↓↓↓http://www.hiroshima-jiko.com/■その他の事例もご参照くだ...

相談料

無料相談について、詳しくはこちら↓をご覧下さい。■交通事故専門サイト■借金問題専門サイト相談予約専用フリーダイヤル0120-783409 (なやみよま...

 
このプロの紹介記事
山下江 やましたこう

依頼者に笑顔になってもらうために、全力を尽くします。(1/3)

 ドアを開けると、ずらりとスタッフの並ぶカウンター。案内された部屋で待っていたのは穏やかに微笑む山下江さん。まるで大病院の受付みたいですねと感想を伝えると、「そうですか? ハハハハ」と楽しげに笑う山下さん。山下江事務所は、弁護士15人・秘...

山下江プロに相談してみよう!

中国新聞社 マイベストプロ

「親切な相談」「適切な解決」これが私たちのモットーです。

事務所名 : 山下江法律事務所
住所 : 広島県広島市中区上八丁堀4-27 上八丁堀ビル703 [地図]
TEL : 0120-7834-09

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

0120-7834-09

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

山下江(やましたこう)

山下江法律事務所

アクセスマップ

プロのおすすめコラム
広島の弁護士・江さんのお知らせ「空き家、相続・贈与税対策 無料セミナー」
イメージ

専門家が教える<不動産>のアレコレが満載!マエダハウジング不動産と山下江法律事務所が共同開催する、今年...

[ お知らせ ]

広島の弁護士・江さんの『「卍(まんじ)じゃね」 ?!?!』ほか
イメージ

 「卍(まんじ)じゃね」 ?!?! 昨日(30日)朝の「めざましテレビ」(フジテレビ)で、女子高生流行語...

[ ブログ ]

相続アドバイザーの「平成27事務年度における相続税の調査の状況」ほか
イメージ

 弾丸トラベル国内篇 こんにちは。相続アドバイザーブログ、月曜日担当の山口亜由美です。先週末は、大移動...

[ 相続アドバイザー ]

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「個人再生なら家を残せますか?」
イメージ

2016/11/28(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、OA内容をお...

[ 法律相談 ]

広島の弁護士・江さんの『企業法務セミナーで「金コイン」プレゼント(堤田貴金属工業株式会社様』ほか
イメージ

 企業法務セミナーで「金コイン」プレゼント(堤田貴金属工業株式会社様提 11月25日(金)夜、当事務所横...

[ ブログ ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ