コラム

2012-02-03

弁護士コラムvol.17 「クーリング・オフについて」 柴橋修

山下江法律事務所 弁護士 柴橋修
 山下江法律事務所所属の弁護士の柴橋です。
 今回はクーリング・オフについてお話ししたいと思います。
 クーリング・オフとは,民法上の法定解除および約定解除の原因がなくても,無条件に契約を解除することができる制度をいいます。
 契約は一旦成立してしまうと,後で後悔して解約しようとしても相手方の同意がなければ簡単にはいきません。民法には詐欺や強迫があった場合に意思表示を取り消すことができることが規定されてはいますが,詐欺や強迫を立証するのは実際には大変です。
 この点,クーリング・オフの権利が認められていれば,理由もなく当然に解除できるので,便利な制度といえます。
 この権利が認められている主なものとしては,訪問販売(キャッチセールスを含む)が挙げられます。この制度の趣旨は,心理的に無防備な状態でセールスマンの売り込み攻撃を受け,心ならずも申込みや契約をしてしまった消費者に,冷静に再考する期間を保障することにあります。
 ただ,どのような契約にもクーリング・オフが認められているわけではありません。特定商取引法などの特別法によって一定の類型の取引に導入されています。
 もっとも,クーリング・オフの権利を行使できる期間は決まっており,例えば訪問販売では8日間となっています。
 それでは,迷っているうちにこの期間を過ぎてしまえば,もはやクーリング・オフを主張することはできないのでしょうか?
 これについては,クーリング・オフを主張できる場合もあります。
 すなわち,特定商取引法の条文が,契約書面などの法定の書面を受領してから8日を経過したときはクーリング・オフできなくなる,という規定の仕方をしています。
 そうすると,販売業者等がそもそも契約書面などの法定の書面を交付していなければ,まだクーリング・オフの起算日は進行しないことになります。 
 また,書面が交付されていても,重要な事項が記載されていない場合も,法定の書面とはいえず,やはりクーリング・オフの起算日は進行しないと考えられます。
 重要事項とは①契約条件(権利義務)に関わる事項②事業者の特定に関わる事項③クーリング・オフの告知④契約日付などと考えられます。
 以上のように一見クーリング・オフの期間が過ぎている場合でも,なお権利を行使できる場合があります。
 もし,キャッチセールスなどの被害に遭って,契約を解除したいとお悩みであれば,当事務所までご相談ください。

 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 柴橋修 (広島弁護士会所属)


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