コラム

2012-01-09

弁護士・江さんの何でも法律相談「過払いについて」

2012/1/5(木)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。
今回のテーマは、
「過払いについて」について
FMちゅーピー なやみよまるく 過払い

■過払いについて
 相談者 30歳/男性

Q: 最近よく耳にする「過払い」と言う言葉。
 私は以前、消費者金融でお金を借りたことがありますが、その頃は「過払い」などという言葉は聞きませんでした。
 「過払い」とは、どんな状態のことを言うのでしょう?
 詳しく教えていただけませんか?

A: 確かにこの頃、よくその言葉を聞きますね。
 この「過払い」とは、消費者金融やクレジットカード会社からお金を借りる時、業者が利息を高くしている場合に、発生するものです。

Q: 利息は…たしか「利息制限法」というものがあって、貸付金額によって上限が決められているものではありませんでしたか?

A: その通りです。「利息制限法」では、金額に応じて年間利息の上限が15%~20%と定められています。
 すなわち、10万円未満が年20%、10万円以上100万円未満が年18%、100万円以上が年15%です。

 2010年6月18日に「貸金業法」が改正されました。
 その際、利息制限法とは別の「出資法」という法律の上限金利も見直され、それまで年29.2%だったものが年20%に引き下げられ、原則、利息制限法と同じようなものになりました。

 そして、ここがポイントなんですが、利息制限法上の上限が20%であるのに対し、改正前の出資法上の上限金利は29.2%。
 この、20~29.2%までの間ですが、29.2%を超えると刑事罰が科せられることになるけれども、それ以下であれば、20%を超えても、すなわち利息制限法上の上限金利である20%を超えた金利を設定しても、刑事罰を科せられることはなかったのです。
 そこで、多くの消費者金融は、上限29.2%ギリギリの利息で貸付を行っていたのです。

Q: なるほど、刑事罰はないことから、利息制限法には違反している利息の部分があったということですね。
 けっこうありますよね。一番大きいもので9.2%ほど差があったということですね。

A: そうです。この9.2%の部分が「灰色の金利」いわゆる「グレーゾーン」と呼ばれていた部分です。

Q: 貸金業者も、そのグレーゾーンを利用していたのですね。

A: そうですね。このグレーゾーンに関しては、民事上は無効にも関わらず、刑事罰はないのをいいことに、出資法の上限金利まで、ギリギリ貸付金利を引き伸ばしていたというのが事実です。
 それが、貸金業法(出資法)の改正によって、業者は20%を超えての金利を設定することができなくなりました。
 グレーゾーン金利が廃止されたということなんですね。

 ですから、改正の以前の問題ですが、そのグレーゾーンの金利で貸し付けていた金利はそもそも払い過ぎていた金利となるので、それを利息制限法の金利で引き直し計算をすると、返し過ぎた部分が発生することになり、そのことを「過払い金」と言っているのですね。

Q: ということは、貸金業法が改正された2010年6月よりも前に消費者金融やカードローンを利用された方は、過払い金が発生している可能性があるとまず疑った方がよさそうですね。

A: その通りです。本来支払うことのないお金だったわけですからね。
 「過払い」が生じていることがわかったら、「過払い金返還請求」を行って、過払い部分の金額を返してもらうことができます。

Q: この請求は、借りた本人…債務者本人がしなくてはいけないものですか?

A: もちろん本人で行うことは可能です。
 ただ、債務者本人の交渉には応じてもらえないケースもあります。
 貸金業者によっては、なにかと理由をつけて、返還を拒否したり、必ずしも債務者有利に交渉を進めることができるとは限りません。
 というのは債権者側…金融業者もプロの業者ですからね。

Q: となると、頼みの綱は、やはり弁護士でしょうか?

A: そうですね。一筋縄ではいかないことを想定するなら、やはり弁護士・司法書士に依頼をするのが無難でしょうね。
 過払い金の返還交渉や訴訟手続きを手掛けている弁護士・司法書士は、様々なケースを経験しているため、業者との交渉がスムーズであったり、金額や返還時期など、有利になることも期待できます。

Q: いろいろなケースがあるから、そうだと思います。
 弁護士と司法書士では、どのように違っているのでしょうか。

A: 弁護士と司法書士は、依頼者の代理として貸金業者と交渉や裁判などをします。
 弁護士は依頼者の代理人になるにあたり、金額的な制限はいっさいありません。
 これに対し、司法書士の場合は扱う金額(借金額、過払いなど)が140万円以下の場合に限定されるということになります。
 消費者金融が示談での過払い金返還請求に応じない場合は、訴訟とならざるを得ないのですが、司法書士では、140万円以下を扱う簡易裁判の訴訟代理権のみがみとめられています。
 簡易裁判所は140万円以下を扱う裁判所です。
 扱う金額が大きい場合は、そういう制限のない弁護士に最初から頼むべきでしょう。

Q: そうでしたね。140万円以下がボーダーラインでしたよね。
 弁護士と司法書士とで、依頼する費用に違いはあるのですか。

A: 弁護士の費用・司法書士の費用というのは、いまは完全に自由化されており、それぞれの事務所が決定します。
 弁護士であるか司法書士であるかで、過払い金返還請求や債務整理の費用が異なることは全くありません。
 ですから、司法書士に頼む方が安いのではないか…と思われるのではなく、自分の経済的利益がどの程度か、扱う金額がどの程度かということで考えた方がよいでしょう。
 例えば、過払い金返還請求をおこす際に、1つではなくいくつかをまとめておこすとなると、けっこうな金額になり、140万を超えることが割とあります。
 そういう場合は、最初から弁護士に依頼しておいた方が良いと思います。


■次回のテーマ
「完済後でも消費者金融からお金を取り戻せますか?」について
2012/1/9(月)15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

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