コラム

2011-12-13

弁護士・江さんの何でも法律相談「共有物の分割の仕方は?」

2011/12/12(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。
今回のテーマは、
「共有物の分割の仕方は?」について
法律事務所

■共有物の分割の仕方は?
 相談者 53歳/男性

Q: 5年程前に、友人2人とともに、600坪の土地を購入し、その土地は3人の共有、持分1/3ずつ、となっています。
 当時は関係が良かった友人とも、時が経つにつれ意見が合わなくなりました。
 今後の不安もあるので、この際、土地を分割して自分単独の、自由にできる土地が欲しいと思っています。
 どのような手続きをすればいいのか、教えてください。

A: せっかく仲が良かったお友達なのに…残念ですね。
 ただ確かに、意見が合わない人と土地を共有するということは、これから先が心配だという気持ちはよくわかりますね。

 共有物は、いつでもその分割を請求することができると民法で定められております。
 ただし、5年を超えない期間内は分割できない!というような契約をしていた場合は、5年間は、請求できません。

Q: 最初にそういう契約をしていた場合ですか。

A: そうですね。民法は、5年間を超えない期間について分割できないとする契約を認めています。もちろん更新もできます。

 相談の内容を見る限りでは、契約に期間がありそうな感じは見受けられないので、きっと、大丈夫なのでしょうが、まずその確認をしておくと良いでしょうね。
 契約期間がない、あるいは、その期間を過ぎているということになれば、この相談者の方は他の2人に対して分割請求をすることができる、ということになります。

Q: まずは、共有物に関して、分割できないとする契約がないかを確認すること、そのチェックが必要ですね。
 そして、それが問題ないとして、すなわち、分割請求ができるとして、その仕方について、教えてください。

A: はい。分割の仕方は、まずは当然のことですが、3人で話し合うことですね。
 そこで相談者の方が、自分の考え…こういうふうに分けたいよ、という分割案を他の2人に伝えます。
 3人の共有者が話し合いの結果、これでいいでしょうという合意に達すれば、その土地をどのように分けるも自由です。

 分割の方法としては、通常考えるのは次の3つほどあります。

 1つは、土地を現物で分割する、例えば、600坪のこの土地を200坪ずつ3つに分ける方法。

 2つめは、共有者のひとりである自分が共有物全部を取得して、他の共有者に金銭を支払う方法。
 この土地の価額の3分の2を、他の2人に支払うことになります。

 3つめは、相談者の方がもう土地の取得にこだわらない、お金さえもらえればいい、という場合に、例えば共有物を売却して代金を分割し、売却代金を3分の1ずつに分けることになります。

Q: 3人で買ったわけですから、3人で相談をして合意をする、というのは当然のことだと思います。
 分割の方法について、3つの方法があるということが分かりました。

 しかし、この話し合いがまとまらなかった場合は、どうすれば良いのでしょうか。
 どうも相談者と他の2人とは、感情的な問題もあって、意見が一致しない可能性もあるようです。
 分割そのものに反対する人もいるかも知れない、ということのようですが…。

A: そのように意見が一致しない場合は、裁判所で共有物分割請求という訴訟にならざるをえないですね。それで解決するしかありません。
 民法には分割請求できる権利とその手続について定められています。

Q: なるほど、こうなるとちょっと大変なことになりそうですね。

A: 裁判所では、共有者それぞれから分割方法についての主張をしてもらい、共有者に公平になるように、分割方法を判決で言い渡すことになります。

Q: 先ほど、教えていただいたものには、様々な分割の方法がありましたが、裁判所が判決するものは、共有者の間で話し合って、土地を公平に分割する、というカタチになるのですか?

A: 現物での分割、ということですね。これはですね、先ほど3つの分割方法について言いましたが、裁判所もおおよそ同じようにこの3つの方法を判断することになり、必ずしも現物で分けるとは限りません。
 裁判例ではこのように言っています。共有物の性質等の事情を総合的に判断して、現物分割ではなく、共有者のひとりに単独で取得させ、そのひとりに対して、他の共有者に対する価格賠償をさせる方法を結論とすることもできる、と。

A: 金銭で他の人に支払う方法ですね。

Q: そうですね。
 また、現物分割とする場合に、著しく価格を損なう恐れがある場合は、裁判所は競売を命ずることもできます。
 これは、物を分割した場合には価値が極端に下がるので、物自身は分割をしないで、物を売ってお金で分けなさい、という命令です。
 今回の場合は比較的広い土地ですので、現物を分割してもそれぞれ利用はできますが、例えば共有地が10坪程度の狭い土地の場合などは、これを分けるとそれぞれの土地の利用は困難となります。

Q: そうですね。10坪の1/3をもらっても…。

A: 分割すると土地の価額が著しく損なわれますし、使いようがないから誰も買う人がいなくなりますよね。
 このような場合は、裁判所は土地を競売で売却し、その代金を分割しなさいという判決となることもあります。
 ただですね、競売というのは、任意で売買する場合と比べて、売却代金が2、3割程度安くなります。

Q: それは損ですね。

A: そうなんです。ですから裁判中でも、当事者、今回の場合は3人が、裁判で競売になりそうなら、もう売ってしまおう、と、任意で売って代金を分けよう、というような和解が成立することもあります。

 ですから、裁判を起こしても、土地を必ず現物で取得できない場合もあることは知っておく必要があります。

Q: なるほど、話し合いが行われて、裁判所に判断をゆだねたとしても、ご本人の思い通りにはならないこともあるんですね。
 同じ考えで共有して取得しよう!というのが、もともとのスタートだったんでしょうからね。
 3人で買いましょう!となったのですから、分けましょう!という時も、本来であれば、その3人の話し合いで解決できることが一番良いですよね。

A: そうですね。なかなか難しい問題ですが、感情が先に立って、結果、誰かに不服が残るようなことはなるべく避けたいものですね。
 スムーズに解決できないときこそ、私たち弁護士に相談していただければと思います。


■次回のテーマ
「公園の遊具で子どもが大ケガ」について
2011/12/19(月)15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

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