コラム

 公開日: 2011-03-01  最終更新日: 2011-03-29

弁護士・江さんの何でも法律相談「会社を倒産して、夜逃げをしようと考えています」


■2011/2/28(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。
今回のテーマは、
「会社を倒産して、夜逃げをしようと考えています」について


■会社を倒産して、夜逃げをしようと考えています
相談者 58歳(男性)

Q 私は8人の従業員を抱えて建築関係の会社を経営しているのですが、このところの不況で倒産するしかない状況となっております。
 一家そろって夜逃げしようと思っているのですが。

A 夜逃げはするべきではありません。夜逃げをしても借金がなくなるわけではありません。いつまでも逃げ続けることができるわけでもありません。
 会社が倒産したようなときでも、キチンと生活を続けていけるように法律が整備されていますので、その手続きをとることをお勧めします。
 財産が残るわけではありませんが、借金をゼロにして、再出発できる方法があります。

Q どのような手続きがありますか。

A 裁判所を通す方法です。基本的にはこの方法に依るべきだと思います。
 裁判所を通す方法は、大きく3つないし4つあります。
  ・自己破産
  ・特別清算
  ・民事再生と会社更生

 「自己破産」は、債務会社自らが裁判所に破産の申し立てをします。通常は弁護士に依頼して、弁護士が調査を基に書類を作成して裁判所に破産の申し立てをします。
 弁護士が申し立てをすると、裁判所は破産管財人を選びます。破産管財人には別の弁護士が選ばれます。破産管財人は会社を管理してプラス財産を回収し、それを債権者に法律に基づいて公平にわけます。

 「特別清算」は会社法のなかに規定されています。解散した株式会社が債務超過であるときに申し立てる制度です。「特別清算」は、あまり使われていません。

 「自己破産」と「特別清算」いずれも事業を廃止しますので、会社はなくなります。
 それに対して、「民事再生」と「会社更生」は、借金を大幅に減らすけれども会社を継続していくときに使われます。

 「民事再生」は、債務の大幅カットを含めた「再生計画案」がつくられます。再生計画案には、債権者・債権額の過半数の同意が必要になります。その会社が将来的に再生できるかどうかが明確に判断されないと認可が難しく、結局は破産に移行するというケースも多いです。
 「民事再生」を使った例としては、広島では、アーバンコーポレーションやキョウエイ産業があります。

 「会社更生」は、その会社が倒産して事業廃止となると、あまりに社会的影響が大きい場合に採用されます。
 多数の従業員・多数の取引先がある会社、例えば、昨年1月に申請したJAL(日本航空)については「会社更生」の方法で手続きが進められています。

Q 裁判所を通さない方法もあるのですか。

A これら以外には、任意整理という方法もあります。
 裁判所に申し立てるには、管財人の費用となる予納金が必要です。予納金は原則100万円以上ですが、管財人が特にやるべきことがほとんどないときは30万まで減額もあり得ます。
 こうしたお金が会社に残っていないときには、やむを得ない手段として弁護士に依頼して、債権者とのやりとりの一切を委ね、事業を廃止するという方法もあります。

Q 家族はどうなりますか?

A 社長はたいてい会社の借金について連帯保証しています。場合によっては社長の奥さんも連帯保証しています。 こういう場合、社長また社長の奥さんは、裁判所に自己破産の手続きをとるべきです。この手続きは、「破産法」という法律に規定があります。
 「破産法」は、憲法25条の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という「生存権」の精神に基づいています。
 一生借金に追われるような状況では、決して基本的人権が保障された生活とは言えません。借金をして事業を始めても、病気になったり突然その業種が不況になったり、思わぬことが起こります。そういう時のために基本的人権を守る権利として、「破産法」の手続きを利用することが認められています。
 夜逃げなど考える前に、まずは弁護士に相談して法律を利用し、新たにイチからやり直していただきたいです。

Q 弁護士の費用はどうなるのでしょう。

A 債務の金額や債権者数に応じて異なりますが、最低でも50万円+消費税、一般的には100万円以上かかる場合が多いです。
 先ほど申しましたように、裁判所に申し立てる場合には予納金が必要になります。
 会社に一銭もなくなる前に、早めに、弁護士に相談すべきです。


■次回のテーマ
「離婚に伴う子どもの親権とは?」について
2011/3/7(月)15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)

この記事を書いたプロ

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TEL:0120-7834-09

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