コラム

 公開日: 2011-03-29  最終更新日: 2014-07-04

弁護士・江さんの何でも法律相談「夫の同棲相手への損害賠償は出来ますか?」

FMちゅーピー「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」
■2011/3/28(月)15:30頃~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。
今回のテーマは、
「夫の同棲相手への損害賠償は出来ますか?」について


■夫の同棲相手への損害賠償は出来ますか?
相談者 44歳(女性)

Q 私の夫は、6年前に家を出て、4年くらい前から別の女性と同棲しています。
 私と夫とは戸籍上は婚姻関係が続いております。このたび、夫から正式に離婚しようと言ってきました。私は、夫と同棲している女性に対し、慰謝料を請求したいのですが…。

A いろんな場合が想定できるので、一概にはいえません。必ず請求できるというものでもありません。その女性に慰謝料請求(損害賠償請求)できるかどうかは、夫とその女性(第三者)が男女関係に入ったときに、あなたと夫との婚姻関係が、すでに破綻していたか否かにかかります。
 最高裁の判例においては、「婚姻関係がすでに破綻していたときは、特段の事情が無い限り、第三者は、不法行為責任を負わない」とされています。
 ですから、その女性に対しては、女性が夫と男女関係になったときに、まだ婚姻関係が破綻していたといえない場合には、原則として、慰謝料請求ができます。

Q 「婚姻関係が破綻している」という言葉はとても微妙なニュアンスですが?

A 最高裁の判例では、「婚姻の本質は、両性が永続的な精神的及び肉体的結合を目的として真摯な意思をもつて共同生活を営むことにあるから、夫婦の一方又は双方が既に右の意思を確定的に喪失するとともに、夫婦としての共同生活の実体を欠くようになり、その回復の見込みが全くない状態に至った場合」とされています。
 ですから、その婚姻の本質の意思喪失は片方のみでも、「婚姻関係が破綻している」と言えます。しかしその意思は、「一時的」にではなく「確定的」に喪失していないといけません。

 慰謝料請求、すなわち、損害賠償請求できるためには、夫とその女性との男女関係があったことにより、あなたと旦那さんとの婚姻関係が破綻したと言えなければなりません。
 婚姻関係が破綻してから後に、旦那さんが別の女性と男女の関係になったとしても、その女性の存在は婚姻関係の破綻の原因となったとは言えないです。その場合はその女性に慰謝料請求はできません。

 逆に、その女性と旦那さんの関係により、旦那さんが家を出るなりし、夫婦関係が破綻するようになったという場合は、その女性に対し慰謝料請求ができることになります。

Q 慰謝料請求には時効があると聞いたことがあるのですが。

A 慰謝料請求が成り立つとしても、消滅時効が成立していた場合には、請求ができなくなります。民法上、慰謝料請求は不法行為に基づく損害賠償請求権になります。通常の損害賠償請求権の消滅時効は、不法行為のときから3年です。
 その消滅時効は、その女性の不貞行為(不法行為)を知ったときから進行します。

Q 夫に対する慰謝料請求も同じく、知ったときから3年でしょうか?

A これが別なんですね。あなたが夫に対して行う慰謝料請求は、離婚が成立するまでは時効が進行しません。婚姻期間中は、夫婦関係にありますから、やはり慰謝料請求は事実上できないことが多いからです。

Q その女性に請求できる慰謝料の金額はどのくらいとなるのでしょうか。

A これは一概には言えません。
不貞行為の程度・頻度や当該女性の不貞行為への関与の度合い(男性が主として誘った場合はその女性の責任は軽くなる)によります。判決では、100万円程度のものから300万円程度のものが多いようです。
 ただし、その女性が不貞行為により子どもを出産したような場合は、奥さんの精神的な打撃も大きいとして、金額が多額になる傾向があるようです。


■次回のテーマ
「内縁の妻は相続できる?」について
2011/4/4(月)15:30頃~ FMちゅーピー(76.6MHz)


■バックナンバー

・「養育費の支払いを減額できないか…」 2011/3/21OA
 http://pro.mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1170
・「未婚の息子に子どもができたのですが…」 2011/3/14OA
 http://pro.mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1211
・「離婚に伴う子どもの親権とは?」 2011/3/7OA
 http://pro.mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1213
・「会社を倒産して、夜逃げをしようと考えています」 2011/2/28OA
 http://pro.mbp-hiroshima.com/law-yamashita/column/1229

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