コラム

 公開日: 2017-07-07 

弁護士コラムvol.154「相続放棄はいつでもできるか?」 柴橋 修

相続放棄はいつでもできるか?


山下江法律事務所 弁護士 柴橋修
 例えば,親が亡くなり,自分が相続人になっているが,被相続人である親に多額の借金がある場合,どうすればいいでしょうか?
 このような場合,相続放棄という手続きをすれば,相続人ではなかったことになり,債務を免れることができます。
 ただ,この相続放棄は,家庭裁判所に対して申述し,受理されてはじめて効果が生じるので,注意が必要です。
 また,相続放棄は相続の開始を知ったときから3か月以内にしなければなりません。これを「熟慮期間」といいいます。
 では,先ほどのケースで,親が亡くなったときは債務はないと思っていたが,1年ほど経ってから被相続人である親に多額の借金があることが分かった場合はどうでしょうか?
 被相続人が亡くなってから1年経過しているので,熟慮期間はもう過ぎているといえます。しかし,相続人としては,はじめから被相続人に多額の債務があることが分かっていたら,その時点で相続を放棄していたはずなので,この場合も相続放棄を認めてほしいところです。
 この点,最高裁昭和59年4月27日判決は,被相続人に相続財産が全く存在しないと信じ,かつそのように信じることに相当の理由がある場合,熟慮期間については相続財産の存在を知った時から起算することが相当と述べました。
 このように,熟慮期間による制限には例外が認められているため,本件でも相続放棄が認められる可能性はあります。ただし,あくまで例外ですから,例外に当たる事情が認められることをきちんと裁判所に説明する必要があります。
 この相続放棄の手続きについても,弁護士が代理人として行うことができます。上記のように相続開始から3か月が経過してしまってお悩みであれば,当事務所までご相談ください。


 執筆者:山下江法律事務所 弁護士 柴橋 修   (広島弁護士会所属)

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