コラム

 公開日: 2017-05-16 

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「従業員がしたセクハラの責任を会社も負うのか」

2017/5/15(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「従業員がしたセクハラの責任を会社も負うのか」

セクハラ 相談 広島 弁護士

従業員がしたセクハラの責任を会社も負うのか

Q: 今月は、「企業法務・労働」をテーマに、番組に寄せられましたご相談について、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は54歳、男性からのご相談です。
 「私は中区でデザイン会社を営んでいます。
 先日、デザイナーの女性が突然会社を辞めたいと言ってきました。
 私は彼女に社内で一番の期待をかけていたため、考え直すよう、説得しました。
 しかし、辞めたいとの一点張り…そんなにこの会社に不満があったのかと尋ねたところ、本当は…と切り出し、理由を教えてくれました。
 本当の理由、それは直属の上司からのセクハラが原因だったのです。
 思い起こせば、よく一緒に外出していたと、今になって感じる程度で全く気づきませんでした。
 セクハラ行為をしていたのは、私の右腕となって頑張ってくれているAという社員。
 彼はセンスのよいデザイナーで、実際、会社の売り上げの半分以上は、彼の仕事と言っても過言ではありません。
 セクハラをしていたことが本当か否か…女性のデザイナーからしか話を聞いていないため半信半疑なところもありますが、会社を辞めるとまで言っていることを考えると、少なからず、そのような行為はあったのかもしれません。
 会社としては、彼の存在は無くしたくないのが正直な気持ちですが、そのまま放っておくわけにもいかないのかなと思っています。
 山下弁護士にお聞きします。
 社員がセクハラ問題を起こした場合、会社はどのような対応をすればいいのでしょうか?
 やはり、会社として被害者である社員に対し、責任を負わなければならないのでしょうか?
 教えてください。」

というご相談です。
 出来のいい社員が、まさかの加害者というわけですね。
 さぁ、江さん、どうしましょうか?

A: 私も経営者なので、相談者の気持ちは、よくわかります。
 しかし、本当に社内でセクハラ行為が行われていたとしたら、いくら稼いでくれる社員だったとしても、やはりそれなりの対応・処分はしなければならないでしょうね。

Q: そうですね。
 では江さん、相談者がまず、取り掛からなければならないことから、順を追って教えていただけますか?

A: はい。
 会社として、まずしなければならないことは、この一件の関係者から事情を聴き、事実関係を確定することです。
 セクハラ問題は、当事者のいい分が異なることも多々ありますから、慎重に対応する必要があります。

Q: 2人の主張が異なる場合、どのようにして事実確認をするのですか?

A: 裏付けとなる客観的証拠の有無を確認し、事実を確定していくことになります。
 この時、いい加減な調査を行って、間違った処分をしてしまうと、被害者からも、加害者からも会社が訴えられてしまう恐れがありますから、慎重に行わなければなりません。

Q: 実際セクハラ行為が行われていた。ということになれば、誰にどのような責任が発生するのでしょうか?

A: 本当にこの上司が女性デザイナーに対してセクハラ行為をしていたという事実が確定したら、これはれっきとした不法行為となります。
 ですから上司である男性は女性デザイナーに対して損害賠償責任を負うことになります。

Q: 男性社員が損害賠償責任を負うということは、会社的には特に責任を負わされることはないのですね。

A: いいえ、そうとは限りません。
 上司が会社の業務に関連している状況で、セクハラ行為に至った場合、これは会社としても責任があると判断されます。
 例えば、仕事の打ち合わせとして一緒に出掛けた、その際にセクハラが行われたとします。
 これは、加害者であるこの上司と会社の関係が、被用者と使用者の関係にあることから、会社も関わっていたとみなされます。
 ですから会社は被害者である女性デザイナーに対して、損害賠償義務を負うことになります。
 他方で、業務と関係のない理由で飲み会などに参加して、その場でセクハラが行われた…というような場合には、私的な飲みだったと判断され、会社は無関係であり、責任は生じないということになります。

Q: なるほど~、この判断はなかなか微妙で難しいところですね。
 要するに、業務に関係しているかしていないかで変わってくるということですね。

A: そういうことです。
 こうした会社の責任のことを「使用者責任」といいます。
 会社は被用者を使って利益を得ているので、この被用者が第三者に損害を与えた場合には、会社も責任を負うべきだという考え方に基づいています。
 とはいえ、被用者のプライベートな部分で行った行為について会社が責任を負うというのは、酷であるという見解から、会社が責任を負うのは、あくまで業務の執行に関連して不法な行為を行った場合に限られています。

Q: 今回のご相談ではどのような状況でセクハラが行われたか、明確ではないため判断できかねますが、思い起こせばよく一緒に外出していた…という一文からみても、業務にかこつけて接触していた可能性はあるかもしれませんね。

A: はっきりとは言えませんが、社内でのセクハラ問題は、業務を理由にしてという場合が多いですから、今回の場合も、会社が責任を負わなければならない可能性もあるでしょうね。
 ともかく、会社としては、まずセクハラの有無について、事実確認をし、ひとつずつ丁寧に対応していくことが急がれます。
 この際にも、様々なデリケートな問題が発生することが予想されますので、できれば法的なアドバイスができる専門家に相談されることをお勧めします。

Q: 山下江法律事務所でも、セクハラ問題の相談を承っています。是非、一度、ドアをノックされてみてはいかがでしょうか。
 それでは相談予約のフリーダイヤルをお伝えしておきましょう。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 今日は、「従業員がしたセクハラの責任を会社も負うのか」という相談に、答えていただきました。
 江さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ 
「従業員のうつ病の責任を会社は負うのか」について
2017/5/22 13:30~13:40 FMちゅーピー(76.6MHz)

■山下江法律事務所HP「企業法務・労働でお悩みの方へ」

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TEL:0120-7834-09

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