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コラム
公開日: 2017-04-18
広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「遺言は自分一人でもできるのですか」
2017/4/17(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「遺言は自分一人でもできるのですか」
遺言は自分一人でもできるのですか
Q: 今月は、「相続・遺言」をテーマに、番組に寄せられましたお悩みについてお答えしています。
今日は、40歳・女性の方からメールが届いております。
江さん、今日もよろしくお願いします。
A: はい、よろしくお願いします。
Q: 早速ご紹介しましょう。
「山下江弁護士にお願いがあります!
遺言書の書き方について番組で詳しく教えてください。
遺言書にもいろいろと方式があるらしく、どのような遺言書を作成するのがベストなのかよくわかりません。
また、自分自身で作成して封をすれば完了となるのでしょうか?」
というご相談です。
自分が死んだ後、家族に迷惑をかけないように、また、自身の思いを伝えるために、遺言書を残す方も増えているようですが、効力のある遺言書をきちんと作っておかないと、逆にトラブルとなったり、迷惑をかけてしまうということもあるようですね。
A: その通りです。
安易に遺言書を作成してしまうとトラブルの元になることも考えられます。
ご相談の最後にあるように、自分ひとりで遺言書を作成すると、遺言書の内容が独りよがりになる可能性もあり、残された遺族が望む形で無い場合、争いに発展することも考えられるため、気をつけなければなりません。
Q: 遺言書を残しておけばいい。というものではないのですね。
遺言書の書き方については、番組でも何回かお話していますが、今日はもう一度、効力のある遺言書の作成方法について教えていただけますか?
A: わかりました。
相談者も言われていたように、遺言書の作成方法にはいくつかの方法があります。
まず、遺言書には大きく分けて「普通方式の遺言」と「特別方式の遺言」があります。
Q: 「普通方式の遺言」が、一般的な遺言書といわれるものでしたよね?
A: そうですね。
この「普通方式の遺言」の中にも3種類の作成方法がありました。説明しましょう。
まず、自筆で書く「自筆証書遺言」
公証人に作成してもらう「公正証書遺言」
遺言内容を誰に対しても秘密にできる「秘密証書遺言」
の3種類です。
ただ、よく利用されているのは、自筆証書遺言と公正証書遺言ですので、この2つを説明しましょう。
Q: そうでした、そうでした。
記憶が蘇ってきました(笑)
「自筆証書遺言」は、自分で考えた通りを自由に書け、証人もいらないので費用もほとんどかからないという手軽なものでしたね。
A: そうです。
自筆証書遺言は一人で作れます。
しかし一方で、紛失をしたり古くなって読めなかったり、隠していて、見つけられなかったりという可能性が高いという弱点もあります。
また、遺言書として法的効力をもつための要件を満たしていないと無効な遺言書となる可能性もあります。
その要件ですが、遺言の全文や作成日付、自分の名前を自書し、押印することが必要です。
そして、遺言者が死亡した後で、家庭裁判所での検認が必要となります。
Q: 自筆証書遺言は、手軽に作れるけれど、その分、無効になる可能性もあるということですね。
これは、開封してみないとわからないということもあり、確実性が高い遺言書とはいいにくいですね。
A: その通りです。
そこで、最も確実と言われている遺言書が「公正証書遺言」となります。
Q: きちんとした遺言書を作成したいと考えるなら、「公正証書遺言」を選択するべきということですか?
A: はい。
もし私に尋ねられたとしたら、私は迷わず、この「公正証書遺言」をお勧めします。
「公正証書遺言」はいろいろある遺言書の中でも、最も優れている遺言書といっても過言ではありません。
Q: では「公正証書遺言」について、詳しく説明していただけますか?
A: まず第一に、「公正証書遺言」は「自筆証書遺言」のように自分で遺言書を書くというものではありません。
作成時には公証人など、専門家が関与しますので、形式の不備等で無効になる心配がないという点もメリットと言えます。
Q: 要するに、形式上の不備はないということですね。
A: そういうことです。
次に、遺言の内容に関してですが、誰にどの財産を与えるかということだけでなく、相続が実行される際に、手続きがしやすい文面を考えてもらうことができます。
確実な遺言の作成が可能になるということです。
さらに遺言書の原本は公証人役場に保存されますので、遺言書が無くなったり、書き換えられたりする危険もありません。
そして、遺言書に記載する内容を実行する際にも、裁判所の検認の手続きが不要なので、相続人も、費用や手間の負担が軽減されます。
最後に、遺言者が病気などで読み書きできない状態でも、遺言書の作成ができるというのも、「公正証書遺言」のメリットと言えます。
Q: 「公正証書遺言」には、多くのメリットがあるのですね。
デメリットは、ないのですか?
A: デメリットですか…強いて挙げるなら、遺言書の作成時に費用がかかるということと、遺言書の存在や内容が完全には秘密にならないということくらいでしょうか。
というのも、「公正証書遺言」は、証人が2人必要になりますから、この証人から内容が漏れてしまう可能性はゼロではありません。
Q: なるほど…しかし、安全で確実な遺言書が作成できるということであれば、それらのデメリットは思うほど重要ではない気もしますね。
A: そういうことです。
遺言書は、ご自分の思いを形にできる大切なものです。
もちろん、方法にとらわれず、ご自身の思いのままに書き綴る遺言書でも効力がないわけではありません。
ただ、あとあと問題やトラブルに発展するのを極力避けようとするなら、やはり、確実な遺言書を残される方がいいと思います。
Q: 要するに、「自筆証書遺言」ではなく「公正証書遺言」が望ましいという結論ですね。
A: はい。
そういうことです。
遺言を残しておこうと思われたら、ご自身で作成されることも可能ですが、万が一のことを考えて、弁護士などの専門家に一度相談されることをお勧めします。
4月22日土曜日には、我々、山下江法律事務所がイオンモール広島府中において、相続に関する無料相談会を開催します。
このような機会をご利用いただくのもいいかもしれません。
Q: そうですね。
では私の方でまとめてお知らせしましょう。
今週の22日土曜日午前10時から夜10時まで、イオンモール広島府中の2階スポーツオーソリティ前ブリッジにて、山下江法律事務所主催の無料相続相談会が開催されます。
当日は、山下江法律事務所所属の弁護士が直接相談に応じます。
相談時間は、おひとりおよそ30分程度で、事前予約が必要となります。
特典として、ご相談者様には、昨年、山下江法律事務所が発行した一般向け相続解説本「相続・遺言のポイント50」をプレゼントして頂けるとのことです。
相談予約のフリーダイヤルです。
山下江法律事務所フリーダイヤルは、0120-7834-09 0120-7834-09
この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
今日は、「遺言は自分一人でもできるのですか?」という質問に、答えていただきました。
江さん、今日もありがとうございました。
■次回のテーマ
「遺産分割で揉めた場合にどうすればいいか?」について
2017/4/24 13:30~13:40 FMちゅーピー(76.6MHz)
■山下江法律事務所HP「相続でお悩みの方へ」
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