コラム

2016-08-23

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「家の横の私道の通行を禁じられ、困っている」

2016/8/22(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「家の横の私道の通行を禁じられ、困っている」

私道トラブル 広島 相談 弁護士

家の横の私道の通行を禁じられ、困っている

Q: 今月は、皆様からいただいた「身近に起こったトラブル」について、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は、43歳の男性からいただいたメールに答えていただきます。
 「私の家は駐車場と玄関が離れている場所にあり、車を利用する時も、外出する時も、近道として隣の家の土地を通行してきました。
 隣の家の方とは、特に契約を交わしていたわけでもなく、その道路が私道だということもわかっていました。
 きっと、私たちが通るのを大目にみてくださっていたのだと思います。
 ところが、その隣の家の持ち主が、土地を売って引越しをすることに。
 その後、年配の夫婦が購入され、引越してこられました。
 私たちはいつもと変わらずそのお隣さんの土地である私道を利用していると、ある日、一枚の貼紙がしてあり、そこには「ここは私道なので、通行を禁ず」と書かれていました。
 そうは言ってもとても便利なので、その後は静かに邪魔にならないよう、そ~っと利用させてもらっていたら、なんと、大きな犬と犬小屋がその私道に置かれており、子どもたちも怖がって通ることができなくなりました。
 我が家はもう、この隣の土地を通ることができないのでしょうか?」

という内容です。
 なんだかちょっと、難しそうなご相談ですね。

A: このような問題は、よく耳にしますね。
 本来、よその人の土地だから利用する方が間違っているのですが、毎日の生活でわざわざ遠回りをしなければならないような環境にあると、つい、近道として利用したい…と思うことは誰しもあることですね。

Q: そうですよね。
 しかも、これまでは通っていても特に何も言われていなかったのですからね。

A: とはいえ、やはりそこは他人の所有する土地ですから、自分の思うようにはいきません。
 今回は私道ですが、その土地を所有している人が、利用してはいけないと言っているなら、基本的には通行することはできないと考えてください。
 ただ、例外として、この方の土地が、他人の所有する土地にぐるりと囲まれて公道、公の道ですね、この公道に通じない土地であるという場合には、その周りの他人の土地を通行することは可能です。
 いわゆる「袋地」と呼ばれる土地のことです。

Q: 四方が囲まれていると、外に出るためには、どうしても、どこかの土地を通らなければ出られませんからね。
 ただ、今回のご相談では、相談者のお宅は、このような袋地ではなさそうです。
 公道を利用すればいいのだけど、そうすると遠回りになる…ということですからね。
 やはり、通ってはダメ!という結論でしょうか?

A: う~ん、それで終わらせるわけにはいきませんよね?
 他人の土地を通行できる可能性を探って見ましょう。
 まず、先ほどご紹介した、「袋地」の場合以外に、例外的に「通行地役権」を時効取得している場合や隣の家の通行禁止行為が「権利の濫用」と評価される場合には、相談者は土地を通行できる場合があります。

Q: 「通行地役権」の時効取得と「権利の濫用」ですか?
 詳しく教えてください。

A: まず「地役権の時効取得」ですが、他人の土地と知って通行・利用した場合、「20年以上、平穏公然に通行が継続され、かつ外形上認識することができるものである」ことが要件となります
 この「継続」の要件を満たすためには、判例によると、通行していた土地に通路が開設されていて、その通路が、通路を利用することにより便利となる土地の所有者、今回の場合は相談者によって開設されたものであることが必要なんです。

Q: 20年以上継続して通行していても、この場合は、相談者が通路を開設したことが必要なんですね。
 継続されていればいいというものではないのですね。

A: そういうことです。
 万が一、通行地役権を時効取得できたとしても、今回のご相談のように、隣りの土地が譲渡された場合には、通行地役権の登記がされていない限り、原則として隣りの土地の所有者に対して、通行地役権を主張できないということになります。

Q: なるほど…難しいですね。
 では「権利の濫用」でなんとかならないですか?

A: 「権利の濫用」とは、長年土地の通行を許していたにも関わらず、何らかのトラブルが原因で、隣の家の住人が相談者に対して嫌がらせ目的で土地の通行を禁止する場合などを指します。
 これについても、どうしてもそこを通らなければならないわけでもないので、主張するのは難しいかもしれませんね。

Q: では、遠回りになるのを覚悟で、その道を通って生活するしかありませんかね?

A: う~ん、遠回りをすれば、なんの問題もないわけですからね。
 ただ、毎日のこととなると、負担になるでしょうし、これから年齢を重ねた時のことを考えるとそれこそ大変になってきますよね。
 やはり、ここは当事者間で契約を交わし、通行できる権利を得ることが望ましいと思いますね。

Q: 契約によって通行権を得るのですね。

A: そういうことです。
 私道について通行地役権を設定する契約をするのが一般的です。
 そして、相談者はその契約に基づいて通行料を支払うということになります。

Q: なるほど…お隣りの方も、何の断りも無く平然と自分の所有する土地を通っていたことに何かしらの不満があったのかもしれませんね。
 今後、長いお付き合いをすることになるわけですから、その私道を利用したい旨を伝えて、どうすれば通行できるのか…お話されることで解決できるかもしれませんね。
 しかし、江さん、弁護士に相談すると、最終的には裁判…とか、法律では…とかいう話になりそうですが、今回のように、当事者間で解決できる対策をアドバイスしてもらえることもあるんですね。

A: もちろんです。
 まぁ、当事者間で話をする場合にも、法的知識があれば、話しの展開もスムーズにできますし、解決に近づくための交渉の仕方なども、アドバイスできると思います。
 ですから、今回のような身近な問題も、まずは弁護士に相談してみる…という選択肢を持っていただきたいですね。
 現在、山下江法律事務所では、様々な個人の相談については無料で対応をしています。
 いろいろな問題でお悩みの方は、ぜひ問い合わせてみてください。

Q: 今日は、弁護士事務所の敷居がグッっと低くなった気がします。
 それではここで、お問い合わせ先です。
 山下江法律事務所への相談予約のフリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 今日は「家の横の私道の通行を禁じられ、困っている」という相談に答えていただきました。
 江さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ 
「隣の家と境界でもめている」について
2016/8/29 13:30~13:40 FMちゅーピー(76.6MHz)

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TEL:0120-7834-09

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