コラム

 公開日: 2016-08-16 

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「マンションの上階の子どもの足音がうるさい」

2016/8/15(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「マンションの上階の子どもの足音がうるさい」

騒音トラブル 広島 相談 弁護士

マンションの上階の子どもの足音がうるさい

Q: 今月は、皆様からいただいた「身近に起こったトラブル」について、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は26歳の女性からのご相談です。
 「私は社会人になり3年が経った今年の春、念願の一人暮らしを始めました。
 両親は、私が一人娘なので結婚するまでは一緒に暮らしたいと言っていましたが、社会人になっても門限はある、なにかにつけ口を出されるのもしんどくなり、自立したいと説得し、親の援助を受けないことを約束して家を出ました。
 マンションの敷金礼金も、これまで貯めてきたお金を解約して自分で払いました。
 夢にまでみた一人暮らし、楽しかったのは住み始めてわずか1ヶ月くらいでした。
 夏休みが始まった頃、私の部屋の上の階にお母さんと子ども2人の家族が引っ越してきました。
 なんでも離婚をしたらしく、3人で家を出てきたというのです。
 はじめは気の毒に…と思うところもあり、大目にみていたのですが、なにせ、この子どもたちのドタバタと走り回る足音がうるさくてたまりません。
 一度は私も仕事でストレスが溜まっていたので、直接注意をしようと上の階まで上がってみましたが、お母さんはずっと働きに出ているようで、会話もできませんでした。
 子どもたちに当たるわけにもいかず…、その場を後にしましたが、部屋に戻るといつもの走り回る足音が…これでは家にいてくつろぐどころか、さらにストレスが溜まってノイローゼになりそうです。
 引越しも考えましたがもう、お金も残っていません。
 両親の反対を押し切って家を出た手前、親にも相談できず、困っています。
 このような問題も弁護士に相談できると聞いたので、思い切ってメールをしてみました。
 解決の糸口をアドバイスしてください。」

と言う内容です。
 思い描いた夢の一人暮らしが一転、癒しの場所ではなくなってしまったようですね。 
 江さん、以前も近隣の騒音に悩まされている…といったご相談がありましたが、騒音トラブルというのは、結構身近な問題なんですかね?

A: そうですね。
 ピアノの音がうるさい、とか、子どもの声が騒がしいとか、今回のご相談のように、上の階の足音がうるさくて眠れないとか…
近隣の騒音問題は全国でみてもトラブルになる原因の上位を占めています。

Q: そんな事実があるのですね。
 たしかに、引越しを考えている時には、物件の立地や間取りなどを気にしますが、近隣住民のことまではよほどのことが無い限り、調べたりしませんよね。

A: それに、理想の条件で生活を始めたと思っていても、今回のご相談のように、後から引っ越してきた住民によって、騒音トラブルに巻き込まれる…というケースもありますからね。

Q: そう考えると、人ごとではないですよね。

A: 今年の5月には、兵庫県で騒音トラブルが原因で殺人事件にまで発展した、痛ましい事件も起こっています。
 これはまさに、子どもたちの足音に腹を立てていたことが発端となっています。

Q: 騒音で殺人事件にまで発展するとは…簡単に考えられない問題なんですね。

A: 殺人事件というのは極端な例ですが、でも、騒音というのは、聞きたくない音を聞かせられる…ということですから、相手にとっては一種の暴力やいやがらせを受けているのと同じ。と考えられます。

Q: 相談者がノイローゼになりそう…と言う気持ちも、だんだんとわかってきました。
 さぁ、江先生、この問題を解決するには、どうしたらいいのでしょう?
 騒音に関しての規制法みたいなものは、存在するんでしたっけ?

A: 騒音規制法という法律は存在します。
 しかしこの法律の対象となるのは工場から発生する騒音や自動車の走行によって発せられる音などを規制するもので、今回のご相談のような生活騒音には適用されません。

Q: たしかに、生活音というのは、一方的に誰かが発しているというものではなく、誰もがある程度の音を出しているわけですからね。
 お互い様…という考えがあるのでしょうか?

A: 丸子さんのおっしゃるとおりなんです。
 生活の中から発せられる多少の騒音は、お互い様で我慢しながら、当事者間で解決する…という考えが根底にあると思ってください。
 しかし、そうは言っても、直接当事者同士が話しをして、和解できるものばかりではありません。
 逆に、関係が悪化して違うタイプの近隣トラブルに発展するケースもありますから…

Q: そうですよね。
 その場合、どうすればいいのでしょう?

A: 今回のご相談内容でアドバイスするならば、相談者の住居は、賃貸物件です。
 このような集合住宅の場合には、大家さんや、大家さんから管理を委託されている管理会社が存在するはずです。
 まずは、そこに相談されるといいですね。
 大家さんや管理会社には、義務として賃貸借契約に基づいて、入居者に対しての良好な居住空間を提供することという役目があります。
 ですから、その足音が平穏な住環境を乱す原因になっているとするならば、それを阻止する義務があるということです。

Q: なるほど、それなら、直接話しをすることもないので、相談者自身も負担が軽減されますね。
 管理会社も騒音を出している住人に対して注意をしやすいという利点もありますね。

A: さらに言うと、大家さんや管理会社から受けた注意を無視して騒音を出し続けた場合、貸主である大家さんは、賃貸借契約違反ということで、契約を解除し、退去の方法を取ることも可能となります。

Q: しかし、相手は子どもです。
 しかも、留守番をしている時間は、注意をする人もいないので、改善されるか…心配ですね。

A: とりあえずは、大家さんや管理会社から、事情を説明してもらい、子どもに注意をするということをしてもらわないといけませんね。
 過去には次のような判例があります。
 平成19年10月3日の東京地裁の判決は、マンションの上の階の部屋で子どもが廊下を走ったり跳んだり跳ねたりする音が、下の階の住民の受忍限度を超えるとして、子どもの親に慰謝料30万円の損害賠償責任を負わせるというものでした。
 判断の理由としては、問題の音が数値で見ても、かなり大きく聞こえるレベルで、長時間連続して聞こえるものであったことに加え、音を出す側としては、子どものしつけ等、住まい方を工夫すべきであった。
 しかし、苦情を訴えてきた下の階の住人に対して、誠意ある対応をとらなかったということが考慮され、受忍限度を超えるという判断に至ったようです。

Q: なるほど、子どものやったこととはいえ、そこは親のしつけなども含まれるわけですね。
 ところで、先ほど出てきた「受忍限度」と言う言葉ですが、これが騒音であるか否かを分ける基準になるものでしたね。

A: はい。
 「受忍限度」とは法律用語で、どこまで我慢すべきかという限界のことを指します。
 一般的には、我慢できる限度ないし、我慢すべき限度というような意味合いです。
 ですから、法律上騒音問題は、この「受忍限度」の問題として論じられることとなり、騒音を出す行為の性質と内容、地域環境、騒音を出す行為の開始とその後の継続の経過及び状況、その間にとられた被害防止措置の有無や内容・効果等の事情を考慮して、総合的に判断されることになります。

Q: たしか、この「受忍限度」を超える騒音については、裁判所は、騒音を出している人に対して損害賠償を命じるなどの判断を出すということでしたね。

A: 丸子さん、よく覚えていますね。
 その通りです。
 損害賠償を命じるだけでなく、音を出す行為をやめるように命じる判断を出すのも、裁判所の役割となります。

Q: しかし、裁判を起こすなどまで話がこじれると、もう個人で対応できる範囲を超えますね。
 泣き寝入りしてしまう…と言う人も実際いそうですが…

A: そうですね。
 確かに裁判となると、ちょっと身構えますよね。
 しかし、何かで解決させないと、ノイローゼになったり不眠症になったりと、良いことはありません。
 大家さんや管理会社に相談しても改善されない場合は、自分でなんとかしようとせず、是非、弁護士を頼ってください。
 被害の立証方法と共に、最善のアドバイスができるはずです。

Q: ご近所トラブルも、裁判などで解決するケースもあるというのが分かりました。
 何事も、多少の我慢は必要ですが、我慢のし過ぎはよくありません。
 しかも、その我慢がストレスになり、体調を崩すということになっては元も子もありません。
 まずは相談だけでも、という気持ちで弁護士を頼ってみるのもひとつの方法ですね。
 現在、山下江法律事務所では、様々な個人の相談については無料で対応をされています。
 いろいろな問題でお悩みの方は、ぜひお問い合わせください。
 それではここで山下江法律事務所の相談予約のフリーダイヤルをお伝えしておきましょう。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 今日は、「マンションの上階の子どもの足音がうるさい」というお悩みに、答えていただきました。
 江さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ 
「家の前の私道は自分たちのものだから通るなと言われた」について
2016/8/22 13:30~13:40 FMちゅーピー(76.6MHz)

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