コラム

 公開日: 2016-08-09 

広島の弁護士・江さんの何でも法律相談「請求書を出し続けていれば時効にかからないか?」

2016/8/8(月)13:30~FMちゅーピー(76.6MHz)
「なやみよまるく~江さんの何でも法律相談」での、
OA内容をお届けします。(※内容を要約しております)
今回のテーマは、
「請求書を出し続けていれば時効にかからないか?」

消滅時効 相談 広島 弁護士

請求書を出し続けていれば時効にかからないか?

Q: 今月は、皆様からいただいた「身近に起こったトラブル」について、法律の専門家であるお立場からお答えをいただきます。
 江さん、今日も、よろしくお願いします。

A: はい、よろしくお願いします。

Q: 今日は、39歳 女性の方からのご相談です。
 「江先生、丸子さん、こんにちは。
 今日は、アドバイスをいただきたいことがあり、メールを送らせてもらいます。
 私は約10年前に会社の後輩であった男性にお金を貸しました。
 私は彼の教育係として、仕事中はほぼ一緒にいました。
 仕事だけでなく、プライベートの話等もするようになり、次第に悩みや相談などを持ちかけられるようになりました。
 その相談の延長で40万円を貸してしまいました。
 もちろん、彼のことを信じていたので、返してもらえると思い、とった行動です。
 しかし、彼はお金を貸して半年ほど経った時、会社を辞めてしまいました。
 その後、連絡先は変わっていなかったので、何度か会って少しずつ、返済してもらっていました。
 しかし、次第に連絡をしても電話に出ないことも増えてきて…。
 今では、請求書を出し続けることで時効になるのを防いでいます。
 しかし、友人から「請求書を出し続けるだけでは、時効を防ぐことにはならないよ」と聞きました。
 これって本当ですか。」

という内容です。
 さぁ江さん、この番組でも以前、請求の時効についてお話したことがありましたね。 
 確か、請求をし続けていても時効は免れないということだったように記憶していますが…。

A: そうですね。
 以前お話した内容は、請求してもなかなか支払いに応じてもらえない、しかし、請求書を出し続けているから、時効にかかることはないだろう。というもの対しての解答をしたと思います。
 その際にもお話しましたが、請求書を出し続けているだけでは、時効は止まりません。

Q: もう記憶が薄れてしまっています(笑)
 今日はもう一度、そのあたりを詳しく教えていただけますか?

A: はい、分かりました。
 まず、時効についてお話しましょうね。
 民法における時効という制度には、消滅時効と取得時効があります。
 そのうち、今回のご相談のように、支払いが滞る案件は消滅時効に属します。
 消滅時効とは、権利があっても行使せずに一定の期間を経過すれば、その権利が消滅するという制度です。

Q: ようするに、お金を貸した側が持っている、返還せよという権利を何もせず一定の期間過ぎてしまうと、返してもらう権利が無くなってしまう。ということですよね。

A: おおざっぱにいうとそういうことです。
 正確には、消滅時効が完成した場合に、相手方に時効を主張されると当方の権利の実現ができなくなるということです。
 消滅時効は、何もしないで権利の上に眠る者は法律は保護しないという趣旨です。

Q: ただ、それであれば請求書を出したり、督促したりという意思表示をしていれば、時効は止められる。と判断してしまうのも否めませんね。

A: そう、ここを勘違いしてしまう人が多いのです。
 請求書を送り続けている。督促をし続けている…だけでは、時効の進行を止めることにはならないのです。

Q: ここは大事ですね。
 そして江さん、この消滅時効についても、権利の種類によって期間が違うということでしたよね?

A: はい。
 請求権の消滅時効の年数は、1年から10年と権利の種類によって様々です。
 原則として、「民事10年商事5年」と覚えておくといいでしょう。
 今回のように、お金を貸したという場合、民法によれば消滅時効の期間は10年です。ただし、貸金業者がお金を貸す場合には、商売として行われているので、民法ではなく、商法の適用となります。
 従って、消滅時効は5年ということになります。

Q: なるほど、今回のご相談は、個人間のお金の貸し借りなので、消滅時効は10年ということになるのですね。

A: そうですね。
 ちなみに、その他の消滅時効についても少し触れておきましょうかね。
 覚え方として「飲み屋1年、商品2年、請負3年」というものがあります。
 1年で時効にかかるものは、飲食代、運送費、家事使用人の給料、大工や職人などの手間賃、芸人のギャラ、宿泊費、レンタル料金などが当てはまります。
 次に2年で時効になるものに、商品販売代金、授業料、弁護士や公証人の報酬債権、そして労働者の給料などがあります。
 続いて3年は、医師などの職務上の債権、建築工事などの請負代金、交通事故や医療過誤、慰謝料などの不法行為による損害賠償請求権などが含まれます。

Q: 今回のご相談は、消滅時効が10年、お金を貸したのが約10年前…時効は大丈夫なんでしょうか。

A: 消滅時効はいくつかの要因によって中断されます。
 本件では、返済の事実がそれになりますが、これは「債務の承認」に当たります。
 債務の承認が行われますと、時効は中断され、そこからまた10年の時効が進行することになります。
 ですから、最後に返済を受けたときから10年経っていなければ時効は完成していないことになります。

Q: ご相談者の方、微妙ですね。

A: はい。
 で、問題はですね・・・。
 時効の中断以降請求書を出し続けているということのようですが、一旦は時効が中断しますが、その請求のときから6か月以内に裁判を起こさないと時効中断の効力は発生しないということなんです。
 時効完成前には特に注意が必要です。

Q: そういうことなんですか。
 請求したときから6ヶ月以内に裁判を起こさないと時効は中断とはならない、ということなんですね。
 よく分かりました。

A: はい、そういうことです。

Q: 裁判はできるだけ避けたい…という人も多いと思いますが、時効を中断させてお金を実際に取り戻したいのであれば、裁判は想定しておく必要がありますね。
 今回のご相談のように、身近で起きたトラブルや悩みも、弁護士に相談すると的確なアドバイスを受けることができます。
 こんな些細なこと…と一人で悩まず、是非、相談をしてみてください。
 相談予約のフリーダイヤルをお伝えしておきます。
 山下江法律事務所フリーダイヤルは0120-7834-09 0120-7834-09 
 この番組名と同じ「なやみよまるく」と覚えてください。
 また、今日の番組の内容は、まちの専門家をさがせるウェブサイト「マイベストプロ」でもご覧いただけます。
 今日は、「請求をし続けていれば、時効にかからないか」というメールに、答えていただきました。
 江さん、今日はありがとうございました。


■次回のテーマ 
「マンション上階の子どもの足音がうるさい」について
2016/8/15 13:30~13:40 FMちゅーピー(76.6MHz)

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