コラム

 公開日: 2017-09-24 

空き家対策特別措置法とは?内容と目的

空き家対策特別措置法が施行されましたが、いったいどのような法律なのでしょうか。新法が作られた背景と目的を探ります。

国が定める「特定空き家」のガイドラインを理解することで、適切な管理ができます。大切な家を「危険な空き家」と認定されないように法律の内容を理解しましょう。

空き家対策特別措置法の目的

人口減少社会といわれ、地方都市だけではなく都心部でも空き家は珍しくなくなりました。
誰も住んでおらず手入れもされないままの家屋は、瓦や外壁が崩れて通行人がケガをする恐れがあるだけでなく、放火される危険性さえあります。空き家に侵入されれば、犯罪の温床ともなりかねません。

そもそもなぜ空き家のまま放置されるのでしょうか。住む人がいなくなったのなら、更地にすれば良さそうなものです。
建物を壊さないのは税金の節約のためでもあります。土地に建物があるかないかだけで税金の額に雲泥の差がつきます。建物がある場合には1戸につき200平米まで小規模住宅用地として、固定資産税が1/6までに軽減されるという制度があるのです。

200平米を超えた分の軽減される率は一般住宅用地扱いとされ、税額は1/3となります。更地の場合には課税標準が1.4パーセントなので土地が200平米、評価額が3,000万円とすると固定資産税は42万円です。空き家が残っていれば1/6なので7万円にまで下がります。これほど差があれば、更地にした後の使い道が決まっていないとなると、そのままにしたくなるわけです。

このたびの「空き家対策措置法(以下「空き家対策法」と表記)」も、こうした優遇制度にメスを入れ危険な空き家を減らしていこうと施行されたものです。この法律で「特定空き家」と認定されてしまうと、どうなるのでしょう。

先ほどの固定資産税の優遇措置が受けられなくなるのです。特定空き家が建つ土地は固定資産税の減免指定の対象から外れてしまいます。つまり200平米以下の土地ならば、固定資産税が6倍となる理屈です。この先、空き家をとりあえず放置という選択肢はなくなるでしょう。

ただし厳しい鞭だけではなく、飴となる処置もあります。自主的に古い空き家を撤去した際には除去費用を助成する自治体も出てきています。このような流れは全国の自治体で進み、所有者の維持管理義務がより明確なものとなっていくと予想されます。

国土交通省が定める空き家の基準

「特定空き家」とは、放置しておけば危険で衛生的にも害があり、さらに景観も損ねるものとされています。しかしこれには客観的な判断基準が設けられてはいません。代わりに、国土交通省から市町村へガイドラインが申し渡されました。これを基に、空き家の修繕や撤去の措置を行っています。その内容としては次のようなものです。

1)保安上危険な場合
建物の傾斜や瓦の脱落、土台に白アリの害など

2)衛生上、有害となる場合
  害虫や害獣が住み着き周辺住民の生活に不利益を及ぼすなど

3)景観を損なっている場合
植木や雑草が伸び放題、ガラスが割れたままなど

4)周辺の生活環境の保全のために放置すべきではない場合
ドアが壊れたままで誰でも侵入できるなど

それぞれ細かく説明していきましょう。

1)の保安上危険な場合ですが、建物の傾斜でいえば、高さに対して1/20の傾きから対象となります。2階の天井から地面までの高さを6メートルとすると、30センチの傾きです。とてもではありませんが、災害などで損壊したのでなければなかなかここまでは傾きません。必要以上に心配することはなさそうです。
外壁の脱落については風雨の際に目で見て状態を確認しましょう。自治体の判断も目視ですので、明らかな危険がなければ大丈夫です。

2)衛生上、有害となる場合ですが、人が住んでいないと野良犬や野良猫が住みつくことがあります。害獣が住みつくと糞尿が溜まり、蚊やハエが発生しやすくなります。庭木や軒下に蜂の巣を作られることもあります。
季節ごとに点検できればこのような事態は避けられます。

3)景観を損なっている場合も、定期的な点検で防ぐことはできます。窓ガラスが割れていたり、郵便物がポストにあふれていたり、植木が伸びすぎていたり…。定期的な点検で、こういった問題が起きないように管理することが大切です。

4)周辺の生活環境の保全に関する件では、門扉が施錠されているかどうかが判断の分かれ目です。敷地内に誰かが侵入した形跡がないか、ゴミが放置されていないかなどチェックしましょう。

いずれの項目に関しても、空き家にしている物件が自分の住まいの近くにあれば、こまめに確認することは難しくありません。しかし、遠方に住んでいるのであれば見に行くこと自体が負担になります。空き家管理業者の手を借りることも検討してください。

空き家対策法の条文には、「その他の場合にも適切に対応する」という記載があります。そのため、地域住民からの陳情があれば上記以外でも調査対象となることが出てきます。近隣住民が不安を覚えるのは空き家の外観からです。塗装のはがれた外壁や、壊れたアンテナを放置したままにすることは景観を損ねますので注意が必要です。

空き家対策特別措置法の特徴

先のような条件で特定空き家と認定されると、不利なのは税金だけではありません。
今までは、所有者が管轄地域に住んでいなければ探し出すことさえできませんでした。今後は、戸籍や住民票などから該当者を見つけ出すことも可能となりました。

また、これまでの政策では「空き家バンク」など活用することに重きが置かれていました。対して新法施行後は、修繕や撤去の勧告や命令を行うことが可能となりました。従わなかった場合も行政代執行で解体する権利まで保証されています。
それまでは強制力のない要請にすぎませんでしたが、新法の施行により行政の権限が強化されたのです。

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