コラム

 公開日: 2016-05-31 

会社経営者が離婚にあたって問題になりうること(1)

 夫(あるいは妻)が会社を経営していて、妻(あるいは夫)も役員として仕事をしている、あるいは専従者となっているという場合があります。
 このような場合、夫婦が離婚という話になると、サラリーマン家庭と異なった色々なことが問題になりえます。
 そこで、今回は回数を分けて、このような会社経営者に離婚問題が生じた場合、どんなことが問題になりうるかをみていきたいと思います。
 問題になりうることとしては、主に財産分与に関すること、婚姻費用や養育費といったことになります。特に財産分与が大きく問題になることがあるので、以下それらをみていくことにしましょう。

会社名義の財産でも財産分与の対象になることも

 会社形態で経営をしている場合であれば、会社は別の主体(法人)ですから、夫婦の財産とはいえず、原則としては財産分与の対象になりません。
 ただ、裁判所の判断では、夫が会社を経営し、妻もその会社の資産形成に貢献したというケースで、夫、妻らによって経営されている同族会社であることを理由に、会社名義の財産も財産分与の対象になりうるとしたものがあります。
 裁判例の基準では、単に「同族会社」とあるだけですが、従業員が親族だけで他におらず、妻(あるいは夫)の貢献がないと会社の資産が増加しなかったという場合には、分与対象になりえますが、従業員が複数いて、会社の資産増加の貢献がいずれによるか判断しづらいケースでは難しいでしょう。

先代から譲り受けた不動産、預貯金は財産分与の対象になる?

 先代がすでになくなっている場合、相続により不動産を引き継いだり、預貯金の相続を受け、それで会社の資金にもあてていたりすることがあります。
 こういった不動産や預貯金も財産分与の対象になるのでしょうか。
 通常は、相続により取得した不動産、預貯金は相続の対象にはならず、いわゆる特有財産として扱われます。
 ただし、たとえば不動産がマンションとして運用されていて、その家賃管理などの業務に配偶者である妻(あるいは夫)がずっと関わってきたという場合には、妻(あるいは夫)が夫婦の資産形成・維持に貢献してきたといえるため、維持管理により増加した価値分相当が分与対象になることもあります。どこまで分与対象とみるかは争いがあり、貢献があったといえる範囲に基本的には限られるでしょう。
 また、預貯金は、相続したものがそのまま定期預金など、別口座で管理されておらず、結婚後の収入が入る口座に入金・出金というのを繰り返していると、相続した財産との区別がつかなくなり、分与対象とされてしまう可能性はあります。
 ですから、不動産についてもその運用の仕方によっては、それにより生じた利益は分与対象財産になりえますし、預貯金も管理の仕方によっては分与対象になりうるでしょう。

 広島駅地下入口付近のタチアオイ。
 タチアオイの花言葉は「大望」「豊かな実り」だそうです。なかなかおおらかな花言葉ですね。
 広島駅付近のタチアオイ


 

この記事を書いたプロ

勁草法律事務所 [ホームページ]

弁護士 片島由賀

広島県広島市南区的場町1-2-16 グリーンタワー5F [地図]
TEL:082-569-7525

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
弁護士の費用

■ 相談料初回の打ち合わせより、有料です。責任をもって、担当者が真剣にお話をきかせていただきます。初回打ち合わせの目安:30分 5,000円(税込) ■弁護...

ご相談の流れ

男女の弁護士がご依頼者様のニーズに応じ、法律相談をお受けしています。勁草法律事務所では、少しでもご依頼者様のお力になりたいとの思いから、夜間・日・祝日...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
片島由賀さん

依頼者の目線に立って問題解決に臨む法律事務所(1/3)

 「疾風に勁草(けいそう)を知る」―困難に遭って初めてその人間の本当の価値や強さが分かること―中国の故事成語に由来して名付けたという勁草法律事務所の名前には、“逆風に遭った時こそ依頼者の力になれる存在でありたい”という強い思いが込められてい...

片島由賀プロに相談してみよう!

中国新聞社 マイベストプロ

会社名 : 勁草法律事務所
住所 : 広島県広島市南区的場町1-2-16 グリーンタワー5F [地図]
TEL : 082-569-7525

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

082-569-7525

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
このプロへのみんなの声

離婚にあたり着地点へ導いてもらえました

調停は数回ありましたが、相手方が欠席したり、納得がいかな...

30代・女性
  • 女性 
  • 参考になった数(0

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
養育費の支払いと預金口座特定に関する法改正について
イメージ

  養育費の支払い合意は6割どまり  養育費の支払いについては、平成24年4月の民法改正後、「夫婦の協議...

[ 養育費 ]

年金受給年齢前後の離婚では、離婚しないときと年金額がどう違いますか?
イメージ

 年金受給開始年齢に近くなってから、あるいは受給開始年齢後に離婚する、となると将来の生活面での収入が基本的...

[ 年金分割 ]

離婚が成立しましたがどんな手続きをとる必要がありますか?
イメージ

 話し合いで離婚が成立した場合はもちろんのこと、調停や裁判で離婚となった場合にも、その後色々な手続きを行う...

[ その他(健康保険・年金) ]

婚姻費用の支払いから、生活費などの一部負担としてどこまで考慮されるでしょうか?
イメージ

 前回から随分と日にちが空いてしまいましたが、今回はしばしば問題となる、婚姻費用の支払いを求められている場...

[ 婚姻費用 ]

婚姻費用の請求はいつの時点から認められますか?
イメージ

 婚姻費用には衣食住の費用、医療費、娯楽費、交際費、老後や将来のための準備、未成熟子の養育費・教育費などの...

[ 婚姻費用 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ