コラム

2016-04-29

有責配偶者からの離婚請求は認められますか?(3) (未成熟の子がいる場合)

 有責配偶者からの離婚請求について、最高裁判所が示した3要件から見てきました。前回は別居期間から主に見ていきましたが、今回は2つ目の要件である、未成熟子の有無が離婚を認めるかどうかへの影響を見ていきたいと思います。

夫婦の間に未成熟子がいる場合離婚にどのような影響がありますか?

 これまでにも触れましたが、最高裁判所の示した3つの要件、具体的には
①年齢・同居期間と比べ相当長い期間別居 
②未成熟の子どもがいない場合(未成年よりは広い)
③離婚により、(有責でない)他方配偶者が、精神的・社会的・経済的に苛酷な状況におかれるといった、離婚請求を認めるべきでない特段の事情がないとき
には、離婚を求める配偶者が有責であっても認められるというものです。
 これらは独立して判断されるのではなく、①〜③に関する色々な事情を総合して見た上で、離婚請求を認めてもよいか判断していくことになります。ですから、単に未成熟の子がいるから離婚は認められないというわけではありません。

 ただ、まだ未成熟の子がいる場合は、よほど子どもが小さいときに別居したのでない限り、別居期間が長期になりにくいでしょうし、未成熟子といっても高校生や大学生であることもあるでしょう。そうなると、他の事情をみてにはなりますが、場合によっては離婚請求が認められることもありえます。

 過去の判例でも、未成熟子がいるものの、幼いころから他方(有責配偶者でない親)がずっと育てており、まもなく高校を卒業する年齢であること、これまで一定額の生活費を負担し続けてきたこと、今後も離婚にあたって一定額の支払いが見込めること(具体的な金額の提示あり)などから離婚を認めたものがあります。なお、この件は別居期間は14年近くというケースです。

 この判例からみると、②の未成熟の子どもがいても、他の要件である①の別居期間の長さ、③の離婚後の他方配偶者への影響が苛酷なものといえないかをみて、要件からみて問題ないときは離婚を認める場合があることがわかります。

 ですから、①の別居期間はもとより、とくにこれまでの有責配偶者の他方への態度(十分な生活費を支払ってきたかどうか・離婚後の他方の住まいへの配慮、慰謝料・財産分与の提示があったかどうか・金額が妥当かなど)に誠意があるとみうるかが、離婚を認めるかどうかに影響を与えるといえるでしょう。

 もっとも、離婚で未成熟の子どもが不利益を受けるようなケースでは認められない可能性があり、子どもの年齢や生活状況などによって異なる判断になることがありえます。
 裁判例では、別居期間が9年で既に子どもは成人しているものの離婚請求を認めなかったものがあります。
 このケースでは、子どもが日常生活全般にわたり介助が必要であることから未成熟子といえること、有責配偶者が賃料・光熱費を負担している住居を離婚になると退去しなければならなくなる可能性があり、経済的に負担となりうること、未成熟の子どもが住み慣れて人間関係を築いてきたところから離れたくないとの心情に配慮すると、精神的な負担も生じうること、他方配偶者の年齢(50代)や子どもの状況から就労が困難なことから他方配偶者も経済的に困窮する恐れがあることなどを理由としています。留意しておくとよいでしょう。


本川沿いの柳の木
 以前にも載せました、某所のしだれ柳です。ひと月あまりの間にすっかり葉が出てきて、若緑色になっていました。
柳自体は晩春の季語なので、すこし前の時期になりますが、葉柳は夏、柳散るは秋、枯柳は冬の季語、と四季に応じた言葉があります。今の状態だと葉柳がふさわしいかもしれません。

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