コラム

 公開日: 2016-04-11 

親からの援助を財産分与で精算できますか?

 離婚の話になったとき、親から受けた援助が問題になることがあります。結婚してから家を購入したときに、夫婦では頭金の準備ができなかったので、親が出してくれた、そのお金を離婚の際に少しでも親に渡したい(返したい)が、可能かといったものです。

親からの援助が贈与と考えられるとき

 親からの援助といっても、いくつか形態が考えられます。親が純粋に、夫婦がまだ若くて収入がないから、少しでも足しになればとお金を渡してくれた場合はどうでしょうか。
 この場合は、親からの贈与となりますが、普通は親が自分の子どもに対して援助をしたとみるのが自然でしょう。このようなとき、贈与を受けた子どもの特有財産となりますが、贈与を受けた額まるまる精算してほしいというのは難しいです。
 たとえば、夫が自宅を2000万円で購入した。そのときに親が頭金として800万円援助してくれた。まだ住宅ローンは残っているが、ローンを引いても不動産の価値としては400万円くらいというケースを想定してみましょう。
 前述のように親からお金を借りた(法的にいうと消費貸借契約であった)とみるのは無理なので、親からの援助まるまる返せというのは認められないでしょう。
 ただ、今の不動産の価値に引き直して、親からの援助分といえるものがあれば、その分を離婚の財産分与で精算するとき、渡してほしいというのはありえます。
 先のケースですと、本来財産分与となると、400万円の1/2である200万円での精算となりますが、親が援助してくれた800万円は購入時4割の援助になります。今の不動産の価値に割り付けると160万円となるので(400万×(800万/2000万))、この分がその援助を受けた側の特有財産になります。ですから、400万円から160万円を引いた残りの1/2(120万)が共有財産からの取り分、これにさらに160万円足した280万円を、親からの援助を受けた側は主張することが可能です。

親からの援助が借りたものといえるとき

 これに対して、親からの援助が借りたものといえ、将来的に返さなければならないときはどうでしょうか。
 たとえば、一方(不動産の名義人になっているもの、通常夫)と親との間で借用証がある場合が考えられます。
 このときは、夫婦間の問題というより、夫婦の一方と他方の親との法律問題になるため、基本的には夫婦の離婚と別に解決すべき、となりそうです。
 ただ、そうなると話がつかないときは、別途裁判なりで解決しなければならないということになり、手間なため、離婚調停の中で話を調整することも可能です。

 当初住宅を購入するときは、将来こんなこと(離婚)になるとは思っていなかった…というのが普通でしょう。そのため、お金を出すときにも曖昧な形で援助されていて、借用証まで作っているというケースはあまり多くないと思います。
 ですから、精算の話になるともめることがあります。まとまったお金が動いたと分るもの(銀行の取引履歴での入出金の動き)が必要になることもありますが、あまり前の話になると、履歴の取り寄せが困難なこともあるため、相手方が否定すると清算が難しくなる可能性もあり、注意が必要です。


宗堂桜@岡山・瀬戸町
 先日見に行きました、「宗堂桜」です。八重桜の一種ですが、内側20枚ほどが反転して中に巻き込む形になっている、珍しい八重桜です(写真では少し分かりにくいですが…)。
 岡山県の天然記念物に指定されています。岡山市東区瀬戸町(岡山市の東の端の方)にこの桜が植えられているところがあり、行ったときは8分咲くらいでちょうど見頃でした。

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