コラム

 公開日: 2016-03-24 

財産分与にあたって、いつの時点での財産・価値を基準にするのですか?

 離婚のときに、結婚後夫婦が協力し合って築き上げた財産を分け合って清算をすることを財産分与というのは、これまでもお話したとおりです。それでは、この財産分与をするにあたり、対象となるのはいつの時点の財産を考えればいいのでしょうか?

分与対象財産の範囲はいつの時点を基準にしますか?

 前述のとおり、財産分与は結婚後夫婦が協力し合って築き上げた財産を分け合うものですから、協力が解消されたといえる時点、つまり別居時点で、夫婦が協同して築き上げたといえる財産が対象になるのが一般です。

 もっとも、別居後もたとえば夫婦の一方が家業などの仕事を手伝っていて、その分財産増えているといった事情があれば考慮される余地がなくはないですが、そもそもそういった財産は分与対象となりうるか自体、問題になってくるでしょう。

 また別居自体、どの時点からとみるか問題になることもあるでしょう(これは財産分与に限らず、離婚一般で問題になりうることですが)。
 たとえば、単身赴任中で、自宅ではなく勤め先に近いところで一人暮らしをしているが、何週間に1回か、ひと月に1回くらい自宅に戻っている場合。あるいは家庭内別居で一つ屋根の下に暮らしているが、夫婦でほとんど会話がない場合。
 また、出産などのため、一時的に実家に戻るといってそのまま自宅に戻ってこなくなった場合。
 色々なケースがありますが、結局のところ別居にあたるかどうかは、結婚生活がダメになっているかどうかの判断指標ですから、夫婦で共同生活を送っているといえる実態があるかどうか、個別のケースそれぞれから判断していくしかないでしょう。
 
 

分与対象財産の価値はいつの時点を基準に考えますか?

 それでは、分与対象財産の範囲は明らかになったとして、その財産の価値はいつの時点を基準とみればいいのでしょうか。
 これについては、分与対象になっている財産によって異なってきます。
 現金や預貯金、保険の解約返戻金は基本的に財産価値に変動がないと考えられているため、一般的には別居の時点を基準にします。
 ですから、別居期間が長くなり、離婚の話がかたが付いていないときは、預貯金が生活費などに使われ、だんだん少なくなってしまうでしょう。そういった場合でも、別居時点の預貯金を基準にすることから、いざ離婚となったときは残っていないこともあると思いますが、通常はそれぞれの名義の預貯金・保険はそれぞれが引き継ぎ、過不足分について一方が他方に支払って調整することになります。
 保険については、特に学資保険のように、子どもの将来のために積立をしているものの場合は、別居時点での解約返戻金相当額を分割することがありますが、それ以外に子どもの親権を持つことになる親が引き継ぐことを希望することもあります。その場合は、保険の引き継ぎの手続きをするとともに、別居期間が長い場合はそれまでの保険料をどちらが負担していたかによりますが、その調整を行うかといった細かいことが問題になることもあります。

 他方、不動産や株式などは別居時と分与時で評価額の変動がありうるため、分与時の評価額を基準にします。不動産は最近ではさほど評価額が大きく変わることはないと思いますが、株式であれば場合によっては大きく変動することもあるでしょうから、評価の仕方でもめることもありうるでしょう。

 預貯金についてもマイナス金利の時代になっているため、これまでのように評価額が変動しないことを前提に、別居時基準とみることが変わりうるかもしれません。
 いずれにせよ、ことに分与対象財産の評価については、金額が大きくなりそうなものがあればあるほど、もめやすくなってきます。できるだけ双方が納得できる形で価値を評価できると、スムーズな解決が可能になってくると思います。

 
 某所に生えている枝垂柳。ちょうど芽が出てきたころです。少し前の写真なので、今はもう少し鮮やかな若芽に覆われています。
 本川沿いの枝垂柳
 白い綿毛のついた柳の種子のことを「柳絮(りゅうじょ)」といいますが、春の季語なので、春に飛ぶのでしょう(私は見たことがありませんが)。柳絮が飛ぶ様も趣がありそうですが、芽吹いたばかりの柳も生命力を感じさせる、とてもよい眺めです。


 

 

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