コラム

 公開日: 2016-03-16 

離婚届を勝手に提出されないようにするには?(離婚届不受理申し出)

 一旦夫婦で離婚をする話をし、離婚届に署名・押印したものを相手に渡したあと、細かな条件が詰められないから、やはり協議離婚を撤回したい、あるいは、離婚届に書いたりしていないが、勝手に出されないようにしたい、そういった場合どうすればいいのでしょうか。

 

署名・押印した離婚届を相手に渡してしまったら?

 これまでにお話しましたように、協議離婚は夫婦で離婚の合意ができて、離婚届を役所に提出すれば手続き完了になる、簡便なものです。
 ただ、その分、リスクもあります。離婚届は夫婦の一方のみが提出することができるため、仮にもう一方が離婚届に署名・押印していても、本当にその人(役所に来ていない人)が今でも離婚に応じるつもりなのかなどが役所からするとわかりません。ただ、形式的に、離婚届の要件を満たしていれば、受理されます。
 ですから、離婚届に一度署名・押印をしてしまい、それを相手に渡したときは、勝手に出されても、役所で受付後撤回は基本的にできなくなってしまうのです。

自分が署名・押印していない離婚届を勝手に出されたら?

  また、知らないうちに、(離婚届に署名・押印もしていないのに)他方が離婚届を提出していた、というケースもあります。この場合は、勝手に他方が署名を偽造していることになるため、文書偽造罪・偽造文書行使罪など刑事罰に問われる可能性がありますが、離婚については無効であるとの調停・裁判を起こさなければならないとの手間が出てきます。

 

離婚届不受理の申し出手続き

 上記のような事態をあらかじめ防ぐための手続きとしては、離婚届の「不受理申し出」という制度があります。
 これは、一旦離婚届に署名・押印をしたが、気が変わり撤回したい・あるいは離婚をするしないがシビアに問題になっていて、勝手に他方が離婚届を提出する可能性があるような場合に、あらかじめ離婚届を受理しないよう、役所にその旨の書面を提出しておくというものです。書面は役所に備え付けのものがあります。
 以前は、一度不受理申し出をしていても、半年の期間制限があって、継続したいときはまた申し出をする必要がありました。今は法改正により、一度不受理申し出をしておけば、申し出をした人が撤回・あるいは死亡しない限り、再度申し出しなくてもよくなりました。
 提出先は、基本的には本籍地の役所になります。現住所などの役所にも提出できますが、戸籍の訂正は本籍地の役所で行うため、相手が本籍地の役所に離婚届を提出していると、先に受理されてしまう可能性があるので注意しましょう。先に受理されていても、職権で抹消してもらうことができますが、その分すこし時間がかかります。本籍地の役所に不受理申出書を提出する場合は1通でよいですが、本籍地以外に提出する場合は2通必要になります。
 
  特に夫婦だけで離婚の話をしているときは、お互いの感情のぶつかり合いから、勢いに任せて離婚届に署名・押印してしまい、あとから条件が詰まっていなかった、あるいは相手が親権者になるのはやはり納得がいかない…など気持ちが変わりがちです。
  2つ前のコラムでも書きましたが、離婚をする際の条件決めは慎重になる必要があります。お金の話はもちろんですが、親権のように、子どもの養育に関することでも、一度どちらかに親権者を決めたあと、再度変更するとなるとハードルが高くなります。
  離婚の際の条件についても納得して、はじめて離婚届に署名・押印をするのが一番いいですが、その前に書いてしまったという場合には、この離婚届「不受理申し出」を利用することを検討して頂ければと思います。

家裁の花
 少しボケていますが、先週撮ったものです。梅か桃か、早咲きの桜か良くわかりませんが…
 今週に入ってすこし暖かくなっては来ましたが、まだ肌寒いように思います。
 ただ、春は着実に訪れてきているようです。あちらこちらでスミレなど春の花が咲いているのを見かけるようになりました。今週は連休なので、すこし遠くに出かけて春を感じるのもいいかもしれませんね。
 





 

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