コラム

2016-03-14

協議離婚で注意すべきこと(2)(支払いを確保するには?)

 夫婦で話し合いが付けば、すぐに離婚の手続きができて新たなスタートが切れる、協議離婚。前回は離婚の際の条件は慎重に決めるべきというお話をしました。今回は離婚の条件の話がついたとして、確実に支払いをしてもらうにはどうすればいいか、お話しします。

 離婚の条件面で話し合いがつけば、なにか書面を取り交わせばそれでいいのではないかとも思えます。しかし、単に書面でお金の支払い、養育費の分割での支払いを記載してあっても、いざ支払いがないとき、その書面で法的に支払いの強制、つまり書面に基づく給与の差押はできません。条件を書いた書面は、あくまでも書面に書いてある内容を離婚時、(元)夫婦が合意したことを裏付けるだけで、その書面の存在自体でなにか具体的な効力が発生するわけではないのです。

相手方からの支払いを確保するには?

 それでは、相手方に確実に支払いをしてもらうにはどうすればいいのでしょうか。
 上記のような書面しかない、あるいはそういった書面すらないときは、たとえば離婚慰謝料の支払いであれば、裁判を起こす、あるいは財産分与や養育費の請求であれば調停や審判を申し立てなければなりません。
 上記のような書面があれば、裁判で証拠として出せば、離婚慰謝料の支払いを相手方が承諾した裏付けになるので、あまりにも法外な金額でない限り、普通は裁判でも認められる可能性が高くなります。財産分与や養育費の請求でも、書面による合意があれば、普通はそれを前提として手続きを進めていくことになります。
 ただ、そうはいっても裁判や調停といった手続きをとらなければならなくなることから、結局離婚の条件を決め、合意の取り交わしをした意味が薄れてきてしまうでしょう。

分割での支払い・養育費の支払い確保には公正証書の作成を

 こういった事態を避けるため、普通は離婚の際の条件を盛り込んだ、公正証書を作成するのが一般です。特に慰謝料や財産分与を分割で払ってもらう場合、あるいは養育費のように長期間にわたって支払いをしてもらう場合は、支払いをする者が直ちに強制執行に服する旨述べたと書かれた、公正証書を作成するのがよいでしょう。
 公正証書を作成した場合のメリットとしては、慰謝料など金銭の支払いを求める請求の場合、支払いが滞った場合、その公正証書をもって、いきなり給与の差押をすることができる点です。つまり、先の単なる書面のように、支払いがないとき、裁判や調停を起こして、判決などをもらうという時間のかかる方法をとらずにすむのです。
 支払いを求める側としては、相手方の協力を得て、離婚の条件を公正証書の形にしておきたいものです。
 ただし、このように公正証書を作成していても、相手方の勤め先が倒産した、あるいは会社を辞めてしまい、所在がわからないといった場合は、支払いが滞っても差押ができず、手立てがなくなってしまう点には注意が必要です。

 
 今年の啓蟄(冬ごもりの虫が這い出る)は3月5日だったようで、ちょうど1週間ですがまだまだ寒い日が続いています。今週からはまただんだんと暖かくなってくるようですが、その分花粉が多く飛びそうですね。花粉症の方(私もですが)には辛いシーズンが当分続きそうです。
 裁判所のハクモクレン
 裁判所構内で咲いていたハクモクレン。こぶしとよく似ていますが、花が咲いているときに葉が付いているかどうかで区別するようです。葉がついていないのがハクモクレンとのこと。

 
 
 
 

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